日本の子どもの精神的幸福度ワースト2位、なぜ?

 sputnik日本 


 【転載開始】


 ■「日本の学校は、身近な小さな世界の 

 全体主義をかたちづくっている」 

  日本の子どもの精神的幸福度 

 ワースト2位、なぜ? 2020年09月21日  


 最近発表されたユニセフの報告書に 

よると、先進国と新興国38ヶ国の子ど 

ものうち、日本の子どもは身体的健康度 

が1位だった一方、精神的幸福度は 

ワースト2位だった。 

この調査は子どもの健康、スキル、幸福 

についての複雑な状況を明らかにした。 

しかし、子どもたちのこうした体験は 

社会の中で孤立して存在するのではなく、 

彼らの暮らす社会全体に根ざしている。 

高度に発展した豊かな国である日本の 

子どもが精神的に不幸になってしまった 

のは、なぜなのだろうか?  


 ユニセフの報告書は 

「子どもたちに影響する世界:先進国の 

子どもの幸福度を形作るものは何か」 

(原題「Worlds of Influence: 

 Understanding What Shapes Child 

Well-being in Rich Countries」)という

名称で、「身体的健康」「精神的幸福」 

「アカデミックスキルと社会スキル」の 

3つの項目を調べたものである。 

3項目総合で1位になったのがオランダで 

あり、デンマークとノルウェーがそれに 

続く。 

日本は真ん中あたりの20位、米国は36位、 

最下位の38位はチリだった。 

調査のためのデータ収集は新型コロナ 

ウイルス感染拡大前、数年にわたって

行わ れた。


 日本の学校が運動量やバランスのとれた 

食事に大きな注意を払っていることもあり、 

日本の5歳から19歳の子どもの肥満率は 

最も低く、2016年の体重過多児、肥満児 

の割合はわずか14%だった。 

この項目ではアメリカの数値が最も高く、 

42%だった。 

アカデミックスキルと社会スキルでは日本 

は27位だった。 

読解力と数学の基礎知識は良い結果(5位) 

だったにもかかわらず、友だちを作るスキル 

では日本の子どもの順位は低かった。 

15歳の子どものうち、友だちを作るのは容易

だと答えたのはわずか69%で、最下位のチリ

に次いでワースト2位だった。 


 報告書はまた、日本は対象国の中で2019年 

の失業率が最も低いにもかかわらず、 

子どもの貧困率は18.8%にも達していると 

指摘している。 

比較のために挙げると、アイスランドは10.4%、 

トルコは33%である。 

しかし、最も重要なのは精神的幸福度である。 

日本の15歳の子どものうち、生活に満足して 

いると答えたのはわずか62%であり、 

ワースト2位だった。 

1位のドイツは90%、最下位のトルコはわずか

 53%だった。 


 日本が他の先進国に大きく遅れをとっている 

原因は何なのだろうか? 経済発展の度合いでは、

日本は他の多くの国 よりずっと上位にあるでは

ないか。 

一方で、日本の母親は往々にして子どもに対し 

て過保護であり、子どもの成長につれて教育ママ 

になり、子ども(主に男の子の場合に顕著)に 

良い教育を受けさせるためには時間も労力も惜し 

まない。 

こうした状況について、明治大学文学部准教授 

の内藤朝雄氏に話を聞いた。  


内藤朝雄准教授:「ユニセフ(国連児童基金) は、

日本の子どもの精神的幸福度は、先進 38カ国中37位、

つまりワースト2位であると いうデータを公表した。

この背景には、日本 の極端で独特な集団主義の学校

教育がある。 日本の学校を観察した日本以外の国の

人は、 その集団主義教育のありかたが、軍隊に似て 

いるという印象を受ける。  

 日本の学校は、あらゆる生活(人が生きる こと

すべて)を囲いこんで学校のものにしよ うとする。

学校は水も漏らさぬ細かさで集団 生活を押しつけて、

人間という素材から 「生徒らしい生徒」をつくりだ

そうとする。 日本の学校は、国家の規模の全体主義

では なく、身近な小さな世界の全体主義をかたち 

づくっている。ただ外形的行為が同じである ことを

要求されるだけでなく、心をこめて、 表情や涙など

をふくめて、全存在が、独立し た個人ではなくなり、

響き合う合唱の アンサンブルのような学校の生徒ら

しい生徒 になることを要求される。日本の学校で最も 

大切とされることは、勉強をすることではな く、

心を一つにすることである。それを 典型的にしめす

のが、この動画がしめすよう な運動会の姿である。」 


 スプートニク:そうした集団主義の精神は、 

子どもたちの間に真の仲間関係を作り出す 

はずである。

しかし、ユニセフも指摘して いるとおり、

日本の子どもたちが友だちを 作ることに

困難を感じているのはどうして なのだろ

うか?


 内藤朝雄准教授: 「このような学校生活の 全体主義は、

児童生徒同士の人間関係にも あらわれている。学校で、

こどもたちは、 いつも他人の目を気にして生きる習性

を身 につけさせられる。空気を読むことが、 何よりも

大切だという価値観を身につけ させられる。 

 こころを一つにすべしと、きめ細かく ベタベタさせ

る集団主義のしくみのなかで、 子どもたちは、「友だち」

がいないと悲惨 な境遇になるとおびえ、必死でベタベタ

し て生きている。その、無理に無理をかさね て「友だち

を作為する」こわばりの結果が、 このワースト2位にあら

われたと考えられる。

  私は、このような不健全な小さな全体 主義ともいう

べき日本の集団主義は、 子どもたちを不幸にし、日本を

不健全な 社会にするので、やめるべきであると世に 訴え

ている。集団主義教育をやめると、 子どもたちがバラバラ

になってしまうと いう人もいるが、逆だ。日本独特の極端 

な集団主義教育をやめて、学校を先進 諸国の普通の学校に

した方が、子どもた ちは、個人と個人として、気楽に

「友だ ちになり」やすくなる。」  

 おそらく、理想の教育の形というもの は世界のどこに

も存在しない。しかし、 子どもが適度な配慮と自由を与え

られる ようなバランスを目指すだけでも、子ど もの精神的

幸福には十分効果的なのでは ないだろうか。


 【転載終了】

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  3年ほど前から問題になってきていた 

子供の貧困率の高さも子供の幸福度の 

低さに関係しているのでしょうね。  


>生活に満足していると答えたのは 

 わずか62%であり、ワースト2位 

 だった。 


  これは何が原因なんでしょうかね? 


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