英変異株で致死率は65%も跳ね上がった・・・
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【転載開始】
■英変異株で致死率は65%も跳ね上がった
新局面を迎えた対コロナ戦争
2021年01月23日
[ロンドン発]イギリスで猛威をふるう感染力
が最大70%も強い新型コロナウイルスの変異株
(イギリス株)について、ボリス・ジョンソン
英首相は22日の記者会見で
「感染の広がりが速いだけでなく、高い致死率
と関連している可能性がある」と警鐘を鳴らした。
数値にはまだ不確実性が残るものの、
イギリス株の感染者の致死率は65%上昇したと
みられるという。
同国では3度目のロックダウン(都市封鎖)で
新規感染者数は急減、80歳以上の71%と
高齢者介護施設入所者の3分の2を含む540万人
(成人人口の10分の1)に1回目のワクチン接種
を終えた。
イギリス株に現在のワクチンは有効だが、
さらに変異が大きい南アフリカ株やブラジル株
には効かない恐れがある。
このため英政府は南米、ポルトガル、アフリカ
諸国を対象に水際作戦を強化している。
ジョンソン首相は「1日当たりの新規感染者数
は4万261人。
現在入院しているコロナ患者は3万8562人で、
昨年4月の最悪期より78%も高い。
悲しいことにさらに1401人が死亡した。
これらの主要因はイギリス株だ」と述べ、
2月中旬までに上位4つのハイリスクグループ
1500万人への1回目の接種を終えることを最優先
にする基本戦略に変わりはないことを強調した。
ワクチン接種の判断はそれぞれ個人に委ねら
れているとはいうものの、こう釘を刺した。
「接種の知らせが届いたら、予約して自分の命
を救う保護を受けることをためらわないで下さ
い。これは私たち全員がこのウイルスを打ち負
かして私たちの日常生活を取り戻すための最良
かつ最速の方法だから」。
ジョンソン首相はなりふり構わず「社会防衛」
としてのワクチン接種を鮮明に打ち出した。
■南ア株とブラジル株に既存のワクチンは
効かない
パトリック・ヴァランス英政府首席科学顧問
は
「数値には多くの不確実性があり、正確
に分析するにはさらなる作業が必要だが、
イギリス株により感染性が増すとともに
致死率が増加することが明らかに懸念さ
れる」と述べた。
その上で南ア株とブラジル株について
「ワクチンの影響を受けにくくなる可能性を
示す特定の特徴を持っている」と指摘した。
経済的な影響を恐れ早期の封鎖解除を求める
保守党内強硬派の声を抑えるため、
英政府の新興呼吸器系ウイルス脅威諮問グループ
(NERVTAG)はすぐに
「イギリス株に感染すると他の株よりも死亡
するリスクが増す現実的な恐れがある」と
結論付ける報告書を公表した。
複数大学や公衆衛生当局の分析でイギリス株と
他の株の致死率について明らかな有意差が確認
されたという。
その分析結果を見てみよう。
・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院
イギリス株感染者の致死率が35%増
(検査を受けた120万人が調査対象。
死者2583人、このうち384人がイギリス
株感染者)
・インペリアル・カレッジ・ロンドン
同36%増
・エクセター大学 同91%増
・イングランド公衆衛生サービス(PHE)
同65%増(イギリス株感染者9万2207人
と同数の他株感染者が調査対象)
■不揃いの分析結果は何を物語るのか
不揃いの分析結果をどう見ればいいのか。
NERVTAG のメンバーで感染症数理モデルの
スペシャリスト、英インペリアル・カレッジ・
ロンドンのニール・ファーガソン教授は
「60歳の場合、他の株に感染すると1000人に
10人が死亡するのに対して、イギリス株では
1000人に13人が死亡する恐れがあるという
ことだ」と英メディアに対して解説している。
60歳なら致死率は30%アップするということ
だが、その意味をもう少し見ていこう。
NERVTAG の報告書について、英エジンバラ
大学のローランド・カオ教授(獣医疫学・
データサイエンス)は次のように語った。
「提示された証拠はイギリス株に感染した個人
はより高い割合で死亡することを示唆している。
死亡の増加は、入院したコロナ患者がより多く
死に至るのではなく、より多くの患者が重症化
して入院した結果だと説明されている」
「イギリス株は特にロンドン周辺で見られる
病院での予想以上に高い逼迫の原因と思われる。
従って感染者数の減少を示す最近の結果は朗報
であり、イギリス株は都市封鎖など既存の対策
によって制御可能であることを示唆している。
死亡に関するこれらの結果は、病院の負担が
引き続き大きく、より長期間の制限が必要で
あることを意味している」
英レディング大学のイアン・ジョーンズ教授
(ウイルス学)は
「ウイルスの感染率が上昇すると致死率が高く
なる恐れがある。しかし致死率が1%であろう
と1.3%であろうと、少数の人々にとって非常
に危険なウイルスであり、回避するのが最善だ
という事実に変わりはない。回避は封鎖措置を
厳守し、ワクチン接種の機会が与えられたら
すぐに接種する意欲によって達成される」と
呼びかけた。
■さらなる変異で再感染の恐れ
英ウォーリック大学医学部のローレンス・
ヤング教授(ウイルス学)は
「最近の実験で、イギリス株は米ファイザーと
独ビオンテックが共同開発したワクチンを接種
した患者の抗体によって細胞への感染を阻止で
きることが確認されていることを強調すること
が重要だ。しかし南アとブラジルで特定された
変異株はウイルスのスパイクタンパク質にさら
に多くの変異をもたらすため、心配だ」と言う。
「実験室の研究では、これらの変異により、
南ア株とブラジル株は免疫防御を逃れる可能性
があり、現在のワクチンの有効性に影響を与え
るだけでなく、以前に感染した個人が再感染
する可能性を高める恐れがある」と懸念を
強めた。
英イーストアングリア大学ノリッジ医学部の
ポール・ハンター教授(疫学・公衆衛生)は
「致死率の増加の可能性についての結論は、
本質的には同じデータを使って異なる
グループによって行われた分析から導き出さ
れる。異なる分析の間で推定される死亡リス
クの増加にはかなりの違いがあるものの、
大半が死亡リスクの増加を示している」と分析
する。
そして「エビデンスの質が最も高いと考えら
れるイングランド公衆衛生サービス(PHE)の
分析結果は基本的にイギリス株に感染すれば他
の株より28日以内に死亡する可能性が65%高い
ことを意味している。本当に残念な発見だが、
新規感染者数が急速に減少していることを考え
ると、今後数週間で死亡者数が減少し始める
可能性がある」と締めくくった。
英紙タイムズ電子版は21日、日本の与党幹部
の声として
「2032年に再び東京五輪・パラリンピック開催
のチャンスが与えられる可能性を残して面子を
保ちながら、中止を発表する道を探っている」と
報じている。
コロナ対策は国境管理の強化、都市封鎖を含め
た社会的距離政策、ワクチン接種の組み合わせに
尽きる。菅義偉首相は18日の施政方針演説で
「コロナに打ち勝った証として、東日本大震災
からの復興を世界に発信する機会としたい」と
繰り返したが、ウイルスが急激に変異し始めた
現状を直視すると、中止発表はもはや
「時間の問題」と言えるだろう。
【転載終了】
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全国民にワクチン接種出来るときには、
効果が半減している可能性もありますね。
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