全豪を成功させた主催者が語る東京五輪への懸念!

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【転載開始】


■全豪を成功させた主催者が語る東京五輪への

 懸念

 2021/02/23


 大坂なおみ選手の2年ぶり2度目の優勝と、

ノバク・ジョコビッチ選手の3年連続9回目

の優勝で閉幕し、成功を収めた

全豪オープン テニス2021。

新型コロナウイルスの影響で開幕が例年より

約1ヶ月遅れ、開催前は選手ら来豪する関係者

への厳しい検疫措置が話題となった。


 もちろん、州民の健康と安全が第一ではある

ものの、メルボルンは、全豪オープンだけでなく、

F1グランプリなど、多くの国際及び国内イベント

を開催する都市でもあるため、州経済への影響は

大きい。

これらが開催できるか否かは、ある意味、死活問題

でもある。


 コロナ禍で観客を入れて開催する国際スポーツ

大会成功の鍵は、どのようなものだったのか?

また、この成功で、東京五輪のモデルケースになる

とする声に対し、大会責任者が伝えた懸念とは?


■大会途中でロックダウンになるも、再び

 感染拡大を抑制


 このコラム・シリーズでも取り上げてきたように、

開催地メルボルンは一時感染拡大し、豪国内で唯一、

州全域でこれまでに2度のロックダウンを経験した。

その厳格なロックダウンは世界的に大きく取り上げ

られたりもしたが、それを克服し、ゼロコロナを

達成したことで、この全豪オープン開催にこぎつけ

たといえる。


 大会6日目に、メルボルンで再び新規感染ケース

が確認され、クラスターとなったことから、

州政府は州全域で5日間のサーキット・ブレーカー

と呼ばれる短期集中厳格ロックダウンを決定。

ロックダウン期間中、大会は無観客となったが、

再び感染ケースが0となって拡大懸念が薄らいだ

ことで、予定通り5日間で解除となったため、

その後の試合は、観客数を50%までに制限すること

で、再び観客を入れて大会を進めることができた。


 この5日間の無観客試合と

(もともとコロナ対策として人数制限が課されて

いたものの)更なる人数制限は、大会側にとって

大きな痛手となったことは否めない。

しかし、それよりも何よりも、選手や関係者、

観客など、大会を支えるすべての人たちの健康と

安全を優先した結果であり、また、クラスターが

でてもすぐに抑え込めたのは、一旦「ゼロコロナ」

にしたことで感染経路追跡が容易になったことが

大きい。


■コロナ禍での大会開催を成功へと導いた厳しい対策


 全豪オープン開催に当たっては、大会側が州政府

と共に慎重に対策プランを検討。

来豪する選手ら関係者への厳しい検疫隔離が話題と

なった。


その内容は主に次のような感じだ。

1.現地出発までの72時間以内にPCR検査をし、

陰性を証明すること。

2.来豪する選手を含む関係者は、基本的に

大会側が用意するチャーター便(1便につき

75名に制限)にて来豪すること。

3.全来豪者は、到着後、直ちに14日間の

ホテル検疫隔離となる。

4.到着後の隔離期間中は、基本的に3日目と

11日目に検査を実施。ただし、練習を必要と

する選手と指名トレーナー1名は、隔離期間中、

毎日検査を実施。

5.上記、練習に参加する2名は、陰性であれ

ば隔離期間中であっても外出禁止は2日間のみ

とし、残りの期間中は、ホテルと練習場のみ

の行き来と5時間の練習時間が与えられる。

6.万が一、搭乗便に1人でも陽性者が出た

場合は、同機に搭乗していた全員が14日間

完全隔離となり、ホテルから一切の外出が

禁じられる。


 これらの条件をクリアできず、出発までの

72時間以内のPCR検査で陽性となってしまった

アンディ・マレー選手のように出場を断念せざる

をえなくなったり、チャーター便搭乗者に陽性者

がでたために、同じ便に搭乗していた錦織圭選手

らを含む、47選手が外出禁止となり、練習が

できなくなったりもした。


 また、多くの選手から隔離ホテルでの生活に

苦情が殺到し、ノバク・ジョコビッチ選手が

隔離期間短縮を含む改善を要求したが、州政府

及び大会側は「特別扱いはしない」と却下した

ことも話題となった。


■大会を成功させた責任者が東京五輪へ苦言


 数々の難題を乗り越えて大会を成功させた

全豪オープン。

図らずも、今年7月に予定されている東京五輪の

モデルケースになるとする声があるが、主催者

であるテニス・オーストラリア(豪テニス協会)

のCEOであり大会責任者のクレイグ・タイリー氏

は、五輪責任者から連絡を受けたことを認めた

うえで、全豪開催の経験から東京五輪開催に

ついて、いくつかの疑問を伝えたという。


 タイリー氏は、豪国内のメディア会見で次の

ように述べ、


 「先日公開されたプレイブック(東京五輪開催の

ための新型コロナウイルス感染防止対策案)に、

私は少し批判的です。見た限り、選手が求める安全

策を100%提供しているように見えないし、アスリ

ート同士の濃厚接触について考えていないようだっ

た。五輪は我々が開催した大会よりはるかに大きく、

少なくとも10倍はあるでしょう」


 さらに、

 「(プレイブックと)私たちが行ったことと比較

すると、私たちのプログラムは、東京五輪で提案

されているよりも、はるかに厳格なプログラムで

あったといえます」


 と付け加え、全豪よりも多くの準備期間と徹底した

対策、強固な検疫体制確立の必要性を訴えた。


 テニス・オーストラリアは、全豪開催に当たって、

どうしたらこのコロナ禍で開催にこぎつけるかを

11ヶ月に渡って検討を重ね、州政府と擦り合わせをし、

コロナ対策要員として600人のスタッフが動き、

大会関係者だけで3万回以上の検査を実施したという。

並々ならぬ努力と慎重な大会運営で、例年より少ない

とはいえ、観客を入れて開催できたことは、

大勢のファンの前で最高のパフォーマンスを見せたい

と願う、アスリートたちの夢を叶えたといえるだろう。


 大坂なおみ選手の全豪オープン2021優勝スピーチ

が、それを物語っているように思う。


 「(観客の)皆さん、ここに来て、試合を見てくれ

て、ありがとうございました。私にとって、信じられ

ないくらいすごい(素晴らしい)ことです。この前の

グランドスラム(昨年の全米オープン)は、ファンの

皆さんと一緒ではなかったですから。(観客の皆さん

に)エネルギーをもらえたことは、本当に大きな意味

があります。来てくれて、ありがとうございました!

そして、心を開き、私たちを迎えてくれたことに感謝

しています。今、グランドスラムを戦えることはとて

も光栄ですし、当たり前のことではありません。この

機会を与えてくれたことに感謝します。来年もまた

戻ってきたいです。」


 東京五輪関係者は、タイリー氏のアドバイスを

どのように受け止めたのか?

全豪よりも厳しい対策で大会を安全に開催することが

できるのか?そのための準備期間は十分なのか?


 さまざまな問題が山積みになった東京五輪。

果たしてどうなるのだろう...?

注意)現在オーストラリアは、まだ国境を閉鎖

しており、一般観客の来豪は認められていない

ため、会場に来場した観客はすべて豪国内在住者。


【転載終了】

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 日本が苦言を呈されるのも当然で

しょう。


 「ゼロコロナ」が常識ですよね。

だから「ロックダウン」なのです。


 私も、基本は感染者が「ゼロ」で

すと、書いてきましたが、日本みたい

に500以下というのは必ず再拡大しま

すよね。


 「東京五輪」や「GOTOトラベル」

を開催したいがための苦肉の目標値で

しかないのでしょう。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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