五輪演出には世界が認める芸術家を国力は文化で測られる!
三枝成彰の中高年革命
【転載開始】
■五輪演出には世界が認める芸術家を
国力は文化で測られる
公開日:2021/03/27
国際社会での一流国家の価値は、どれだけ
文化を理解し発信しているかで測られる。
そのことを日本のリーダーたちが理解して
いた時代があった。
指揮者の小澤征爾さんは青年時代、経団連の
庇護(ひご)を受けた。
実力に加え、日本企業数十社の支援のおかげで
彼は、欧米の交響楽団を指揮できたのだ。
その後、財界は東京五輪も支援して見事な成果
を上げ、日本が文化とスポーツに優れた一等国
であることを世界に見せつけた。
先日、佐々木宏さんが東京五輪開閉会式全体
演出の統括役を辞任した。
渡辺直美さんに豚を演じさせるという彼の案に
は呆れたが、彼の代表作はソフトバンクの
“犬のお父さん”のCMである。
あれを笑って見ているのは日本人だけで、
世界の人から見ればとんでもなく侮蔑的な内容
だそうだ。
犬と結婚することは自らを人間以下におとしめる
意味になるのだという。
社長の孫正義さんが心の底で日本人を軽蔑して
いて、その意味を知りながら制作させたのでは?
と思うのは勘繰り過ぎだろうか。
五輪の開閉会式は世界中が注目する、ホスト国
の威信をかけた一大プレゼンテーションである。
佐々木さんは広告界では有名だが、五輪の演出に
ふさわしい人物とは思えない。
クリエーティブと名が付けば広告代理店に丸投げ
する政府のあしき習慣が招いたのが、この赤っ恥だ。
五輪の制作陣には世界が認めるその国最高の芸術家
を配すべきだ。
長野冬季五輪の演出が浅利慶太さん、北京五輪の
衣装が石岡瑛子さんだったように、世界が五輪に
見るのは、その国の文化レベルなのだ。
先日、小澤さんが創設したクラシック音楽の
支援団体の会合に出席した。
話題は「クラシック音楽の公演になかなかお金が
集まらない」だった。
クラシック音楽は国際標準の文化であり、優れた
交響楽団があるかどうかは、その国の文化力を測る
物差しになる。
欧米諸国が世界にプライドを保てている要因の
ひとつは、ウィーン、ベルリン、ロンドン、パリ、
ロシア、ニューヨークなど、自国にいいオケがある
からだ。
中国や韓国には今、優れた演奏家が多いが、
これといったオケはない。
米国も世界に認められるオケができたのは戦後だ。
日本もしかり。
私は趣味で作曲をしているだけで音楽界をどうこう
する気はないが、一等国であり続けたいなら、
クラシック音楽を保護すべきだと思う。
漫画やアニメやゲームにも優れた作品はあるし、
支持する人も多い。
だが、それらはあくまでサブカルチャーであり、
まだ国際標準の芸術ではなく、ヨーロッパ人の
考える文化の本流ではない。
リオ五輪の閉会式で安倍前首相がスーパーマリオ
に扮して登場した。
あれも佐々木さんのアイデアで、一国の首相に
あそこまでやらせた勇気は評価するが、完全に
娯楽と芸術を取り違えている。
私たちはあれを恥ずかしいと思うべきだ。
能や歌舞伎は素晴らしい。
が、欧米人には伝統芸能でしかない。
日本人は芸能と芸術を混同しがちだが、人間が
今まで知らなかった新しい価値を見いだし表現
するのが芸術であり、先達から継承した芸を
磨き高めることを第一とする伝統芸能は、
国際標準の芸術にはなり得ない。
中国や日本にも一時は力があったが、経済や
文化で世界を制するまでには至らなかった。
国の評価を高めるには、欧米諸国と同じ舞台で
勝負し、認めさせるしかないのが現状なのだ。
文化は国力の物差しであることを忘れては
ならない。
【転載終了】
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個人的には、東京五輪は招致の時から
間違えていたのかもと。
森喜朗氏を組織委員長に据えたのも、
安倍晋三氏を担ぎ出したのも、マリオ
演出の佐々木氏も。
ちょっと言いすぎかな?
その森喜朗氏は自民党議員のパーティー
で再度、女性蔑視ともとれる発言をした
ようです。
まったく無反省なのでしょうね。
さる山のさるが、「さるも反省できない」
事を知っちゃいました。
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