アメリカとすみ分けて、中国が北を武力攻撃・・・?
Newsweak
【転載開始】
<中国が北朝鮮を攻撃する可能性が再びより抜粋>
■アメリカとすみ分けて、中国が北を武力攻撃
トランプ大統領が金正恩との舌戦を繰り広げ、
国連総会で金正恩を「ロケットマン」と呼び、
ツイッターで「ちっぽけなロケットマン」と書くに及んで、
米韓による北朝鮮への武力攻撃の可能性は
高まってきているように見える。
しかし、その一方では、ティラーソンの記者団に
対する発言にもあるように、アメリカはいくつもの
チャンネルを設けて、北朝鮮と直接会話を試みている。
トランプはティラーソン発言を否定しているが、
米朝が水面下で接触しているのは明白だ。
かといって、いざとなったら武力攻撃がないわけでは
ない。
それを見据えて、中国は早くから考えていた
「中国による北朝鮮に対する武力攻撃」を
「米中とのすみ分けの中で」模索している。
2016年2月22日付けコラム「いざとなれば、
中朝戦争も――創設したロケット軍に立ちはだかる
THAAD」に書いたように、中国が北朝鮮を軍事攻撃
するという可能性は早くからあった。
しかしトランプ政権誕生後、事態が一変し、
中国は「双暫停」と「対話」を唱えながらも、
むしろトランプの方針を「やや協力的に」見守るという
姿勢を貫いている。
それは米中関係の親密度を踏み台にして、
世界のトップに上り詰めようという野心が習近平には
あるからだ。
だから、中国はアメリカとは絶対に敵対しない。
では、この大前提の下で、いま中国が取れる方法は
何か。
それは、アメリカによる北への武力攻撃が始まろうと
する寸前に、中国が北朝鮮への武力攻撃をする、
というシナリオだ。
これまでと違うのは、「アメリカと敵対せずに遂行する」
ということである。
つまり、アメリカと協力しながら、軍事力をすみ分けて
「中国独自の軍事攻撃」を北朝鮮に対してするという
やり方である。
中国はこれまで何度も、米韓が38度線を越えたら
中国はそれを阻止すると言ってきた。
したがって、ある意味、アメリカが、アメリカの代わりに
中国に軍事攻撃をしてもらうということになる。
互いに了承済みで、勢力図をすみ分けながら断行する。
但し、党大会が終わるまでは中国は絶対に動かない。
場合によっては来年3月の全人代閉幕直後辺りまで
延ばす可能性もある。
■米中の相互補助
このシナリオはちょうど、ティラーソンが発表した
「アメリカによる北朝鮮政府との複数の対話手段の保持」
と、対(つい)を成している。
ティラーソンはなぜ、わざわざ「北京で」記者団に対して
話す必要があったのかを考えれば理解できるはずだ。
中国は対話による解決を要求している。
だから、それに応える意味で、ティラーソンは、
敢えて発表の場として北京を選んだ。
しかも習近平との対談の直後に。
習近平は金正恩(委員長)の度重なる無礼と屈辱的手法
に堪忍袋の緒が切れかかっている。
だから、「武力攻撃もあり得る」ことをちらつかせるトランプに、
「いざとなったら」協力的に武力を断行し、
北を敗退させた時の中国の「持ち分」を確保する訳だ。
日米韓が主戦場にならないという意味では、
最高に良い選択とも言える。
中国の軍事力の強化の目的の一つが、事実ここに
あることは、これまで何度も書いてきたが、今回もまた、
それが証明される事態になっているということが言えよう。
なお、「米中のすみ分け」は、トランプ政権以外の他の
アメリカの政権では絶対にあり得なかったシナリオと
言わねばなるまい。
それを可能ならしめたのは、トランプが個人的に習近平を
気に入っているからであり、そのことは拙著
『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』で言い尽くした
つもりだ。
日本は置いてきぼりを食わぬよう、気を付けた方がいい。
[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、
理学博士。
中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを
歴任。
著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社)
『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン
<紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす
9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。
【転載終了】
***************************
中国が北朝鮮を攻撃するとは、
だれも考えた事などないですよね。
ただ、現実的なのは、金正恩を亡命させて、
中国がコントロールできる人物に禅譲させるのは可能かも。
0コメント