ウクライナ侵攻、ロシア発「石油危機」の兆候・・・

Business Journal


【転載開始】


■ウクライナ侵攻、ロシア発「石油危機」

 の兆候・・・原油価格が高騰、長引く様相

 2022.03.02


 3月1日の米WTI原油先物価格は

一時1バレル=106ドル台となり、

2014年6月以来の高値を付けた。

欧米諸国が経済制裁を科し、

ロシアからの原油供給が滞る可能性が

懸念視されているからだ。

ロシアの大手銀行を国際決済網である

国際銀行間通信協会(SWIFT)から

排除することが決定され、

ロシア産原油の買い手が金融機関から

の信用状を取得することなどが困難に

なりつつある。


 国際的に原油価格が高騰しているの

にもかかわらず、ロシアの代表的な油種

「ウラル」は値下がりし、国際指標との

価格差が1バレル当たり10ドル以上と

過去最大の水準となっている。

それでもなかなか買い手が見つからない。

2月28日付ロイターは

「ロシアの石油会社スルグトネフテガス

が20万トンの原油の入札を実施したが、

買い手が応札しなかった」と報じた。

多くの原油タンカーがロシアへの寄港を

ためらっていることが影響している。

ロシアの原油輸出量は

日量約500万バレル、そのうち3分の2

がタンカーで供給されているが、黒海では

複数の商船が砲撃を受けたことから、

原油タンカー用船料はロシアのウクライナ

侵攻開始後、2倍以上に跳ね上がっている。


 戦争資金を提供することになるとの理由

で、ロシア産原油の購入を見合わせる動き

も生じている。

カナダ政府は2月28日、ロシア産原油の

輸入を禁止すると発表した。

一方、中国企業が買い手がつかない

ロシア産原油を安値で買い入れるとの観測

も出ている。

米国がイランなどに制裁を科した際に見ら

れたパターンが繰り返されるというわけだ。


 中国はこのところイラン産原油を

日量約50万バレル輸入しているが、

人民元建ての決済を行っているといわれて

いる。

中国の原油輸入量(日量1000万バレル超)

のうち、ロシアからの輸入量は

約150万バレルだ。

中国への輸出増で欧米向けの輸出分

(日量約300万バレル)をどれだけカバー

できるかどうかは不明だが、バルト海や黒海

からのロシア産原油の流れが大きく変わる

ことは間違いない。


 ロシアの原油輸出収入は天然ガス輸出収入

の2倍を超える。

国家財政の根幹を担っている原油輸出が

大打撃を被れば、日米欧の金融制裁で

信用危機に直面しているロシアの原油生産が

完全にストップしてしまうリスクも生じて

しまう。

世界の供給の1割を占めるロシア産原油を

その他の産油国が埋め合わせることは不可能

だ。


■OPECプラスが抱える事情


 このような非常事態を踏まえ、

国際エネルギー機関(IEA)は3月1日、

6000万バレルの原油の協調放出を決定

した。

IEAの協調放出はリビア情勢の悪化による

供給不足で原油価格が1バレル=100ドル

超えとなった2011年以来、11年ぶりの

ことだ。

だが、「ロシア発石油危機」という未曾有

の事態への対策としては小粒の感が否めず、

原油価格の高騰を抑えることはできなかった。


 世界の原油供給の4割を占めるOPECプラス

(OPECとロシアなどの大産油国で構成)は、

バイデン政権の再三にわたる増産要請に反し

て、これまでの方針を変えるそぶりを見せて

いない。

ロシアのウクライナ侵攻という異常事態が

発生しても、3月4日の会合では

「4月も日量40万バレルの増産を行う」

ことに合意するとされている。


 OPECプラスにも事情がある。

投資不足のせいでナイジェリアなどの

原油生産量が伸び悩んでいる。

実際の原油生産量が目標水準に達しない

ことが常態化しており、1月の未達量は

日量97万バレルに拡大した。


 OPECプラスが方針を変更しない背景には、

OPECの雄であるサウジアラビアが米国より

もロシアとの協調を重んじていることが関係

している。

米国の同盟国であるサウジアラビアはロシア

のウクライナ侵攻についての非難声明を出し

ていない。

サウジアラビアの人権侵害を批判する米国

のバイデン政権よりも、5年にわたる

OPECプラスの取り組みで得られたロシア

との信頼関係を重視しているように思えて

ならない。


 国内の治安悪化のせいでリビア

(日量20万バレル)やイラク

(日量50万バレル)の原油生産量が減少

しているのも気になるところだ。

バイデン政権はイラン核合意の再建協議に

積極的になっていたが、

ロシアのウクライナ侵攻が暗い影を落とし

ている。

合意が成立すれば、日量100万バレル

以上のイラン産原油が国際市場に供給

されることから、原油価格の押し下げ効果

が期待されていたが、合意が近づいていた

タイミングで軍事衝突が起き、米国や

イランが大きな政治的決断を下すのが難し

くなっている。


■シェールオイル増産が困難


 「原油価格が上がればシェールオイルが

すぐに増産される」といわれていたが、

米国の原油生産量は日量1160万バレル

前後とコロナ禍前の最高値

(日量1310万バレル)に遠く及ばない

状況が続いている。

開発費用を負担した投資家からの配当要求

が高まっている昨今、シェール企業は増産

に向けた取り組みを行うことが難しく

なっているからだ。

生産コストの急上昇や労働不足が増産の

足かせとなっている。


 バイデン政権は発足以来、国内の石油開発

を抑制する措置を講じてきたことから、

シェール業界からは「原油価格の高騰を抑え

るためにバイデン政権が増産要請してきたと

してもこれに応ずるつもりはない」との反発

の声も聞こえてくる。


 世界の原油需要が急速に回復する一方、

原油供給は今後伸び悩む可能性が高い。

需要が減少しない限り、価格高騰は続くの

ではないだろうか。


【転載終了】

*********************


 S・Sで聞いた話だと、レギュラー225円

迄上がるかも・・・?


 というようなことを言ってましたね。


 因みに、OPEC+は、アメリカから石油

覇権を奪うためだそうです。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

0コメント

  • 1000 / 1000