プーチンは突然、妄想や偏執症的考えを抱き始めたのではない
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■プーチンは突然、妄想や偏執症的考えを
抱き始めたのではない
公開日:2022/03/15
■【緊急連載】ロシア軍ウクライナ侵攻
の衝撃
プーチン大統領の戦略と思惑を読む②
兄弟国と自ら称している隣国ウクライナ
に軍事侵略を始めたプーチン大統領は、
最近、精神に異常を来したとか、
アルツハイマー病云々の噂も出た。
彼は正気なのか、また一体何を目指して
いるのだろうか。
結論を先に述べると、彼が最近急に妄想や
偏執症的考えを抱き始めたのではない。
そして目指しているのはウクライナの
中立化(NATO加盟拒否)、実際には
傀儡政権の樹立である。
ソ連邦崩壊後の1990年代のロシアは、
経済の崩壊と悲惨な無政府状態の時代
だった。
しかしプーチンが大統領に就任した
2000年から国際エネルギー市場での油価
の急上昇・高止まりにより、オイル(ガス)
マネーで急に潤ったロシアは、かつての
大国意識を取り戻した。
その後、プーチンの目標は如何なる手段を
使っても大国ロシアの影響圏を旧ソ連諸国
に拡大すること。
そしてその地域への欧米の影響を排除する
ことで、彼は守備一貫して変わっていない。
そのためには、東欧諸国や旧ソ連諸国に
西側の軍事同盟NATO(北大西洋条約機構)
を拡大させないことだ。
ただ、これら諸国はロシアを脅威と見て、
2000年過ぎに次々とNATOに加盟した。
米国の軍事力を知っているプーチンは、
ロシアと一体で自国防衛の緩衝地帯と見て
いるウクライナのNATO加盟だけは軍事力
を使ってでも絶対阻止する覚悟なのだ。
■「非武装中立」は非現実的
ロシアの目指しているのは、ウクライナ
の「非武装中立」である。
しかし非武装中立は全く非現実的だ。
スイスにせよスウェーデンにせよ、中立国
は「重武装」国家でもある。
1951年のサンフランシスコ講和条約交渉の
際も、ソ連は条約修正案で、敗戦国日本に
16万5千の陸、海、空軍の所有を認めてい
たほどだ。
通常の国で非武装という軍事的真空地帯は、
却って戦争を生むというのが昔も今も常識
である。
また、ウクライナ国民の圧倒的支持を
得ているゼレンスキー大統領をプーチンは
ナチ・ファシスト政権と称しており、
排除を宣言している。
この状況下でロシアに友好的な中立政権は
有り得ず、結局ロシアの傀儡政権以外にな
い。
したがってプーチンの目標は、キエフを
軍事力で陥落させ、現政権を排除して、
傀儡政権を樹立するまでは続くのではない
か。
しかし旧ソ連諸国の中でも非常に経済状況
の悪い4000万(人)のウクライナ国民を、
そうでなくても近年悪化しているロシア経済
は、とても抱え切れない。
つまりその後、ロシア政権も傀儡政権も
国際的経済制裁の大幅強化で、政治的にも
経済的にも、維持は困難となるだろう。
(つづく)
【転載終了】
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主権国家を侵略してでもソ連帝国を
夢見ているのは、やはり”妄想”ですよ
ね。
米・露・中で主権を争っている限り、
世界に平和は訪れないでしょう。
国連も、この三国が常任理事国である
限り、何も決めることが出来ない張子
でしかないですね。
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