前文部科学事務次官いわく、ネトウヨは「教育の失敗」・・・
文春オンライン
【転載開始】
■前文部科学事務次官いわく、ネトウヨは「教育の失敗」
文部官僚は地味と寡黙で知られる。
政治家にほとんど転ぜず、著作も少ない。
それゆえ、まずは物珍しく読んだ。
先日発売された、前川喜平と寺脇研の対談本
『これからの日本、これからの教育』 (ちくま新書)
である。
対談者のふたりについて詳しい説明はいるまい。
前川は加計学園問題で一躍有名になった
前文部科学事務次官、寺脇は「ゆとり教育」の
推進で知られる元文部官僚だ。
■ネトウヨは「学び直す機会が必要」
能弁な寺脇にくらべて前川は控えめながら、
ときおり驚くような発言をする。
「『ネトウヨ』といわれる人たちは、きっと自己肯定感
の低い人たちなんだろうと思います。『個の確立』が
できていないのでしょうね。ある意味、教育の失敗だと
思います。学び直す機会が必要なんじゃないでしょうか」
教育行政の事務方の前トップから直々に「教育の失敗」
と認定され、「学び直せ」といわれるネトウヨもなかなかに
哀れである。
「ひとりひとりの学ぶ権利の保障」を丁寧に説く前川だけに、
その放言はいっそう際立つ。
よほどネット上の批判が腹に据えかねたのだろうか。
このほか、官房副長官(当時)の萩生田光一が
事務次官会議で『シン・ゴジラ』を「ぜひ観るように」と
話していた、文科省時代の前川のノートパソコンの
待ち受け画像がチェ・ゲバラの肖像写真だった、
などのエピソードも興味深い。
■良くも悪くも「役人」というキャラクター
ただ、全体的にはやはり物足りないといわざるをえない。
前川については、一方では聖人化され、もう一方では
悪魔化され、両極端な見方が強い。
だが、じっさいはそのどちらでもなく、元行政官がたまたま
目立ってしまったにすぎない。
自身が取り組んできた仕事については熱心に話すし、
その内容は大きく間違ってはいない。
そのいっぽうで、自身が詳しくない、思い入れのない分野に
ついては、あまり語ろうとしない。
ときおり放言もする――。
これは、元行政官でも、元会社員でも、同じことだろう。
たしかに、対談相手の寺脇は、後輩で部下だったことも
ある前川に甘すぎる。
天下り問題や大学行政の問題(予算削減による研究環境
の悪化)などについて、もう少し追及があってもよかった
はずだ。
とはいえ、それもおのずと限界がある。
前川は良くも悪くも「役人」で、キャラクター化がしにくい。
叩いてもたいしてホコリが出ない。
奇人変人のオンパレードだった森友学園問題の登場人物
たちとはそこが大きく違うところだ。
■官邸文部局という実際と、文科省なりの戦い方とは?
文科省は、所管する教育こそ重要(国家百年の大計)だが、
それを自前で切り盛りする力がない。
そのため、旧文部省の時代から、力のある組織に左右されて
きた。
戦前には、内務省に支配されたので、内務省文部局と
揶揄された。
そして戦中には陸軍省文部局。
敗戦後にはCIE文部局(CIEはGHQの特別参謀部。
民間情報教育局)。
高度成長期には自民党文教局もしくは日経連教育局
という具合だ。
それゆえ、加計学園問題をめぐって、今日の強大化する
首相官邸や、その威を借りる内閣府に影響されていたと
しても何の驚きもない。
ただ、「影響」といっても、文科省なりの戦い方はあるらしい。
本書の、教育再生実行会議について触れた部分でそれが
感じられた。
教育再生実行会議は、安倍首相の私的諮問機関で、
保守系の言論人が多数メンバーとなっている。
前川はそのメンバーについて「はっきり言って偏っています」
と断言し、中央教育審議会を使って、教育委員会の見直しに
関し「もう少しバランスのとれた考え方にしようと、修正を図り
ました」と述べている。
■元文部官僚の内輪話を読める機会はあまりない
まさに面従腹背だが、このようなフィルタリングこそ、
文科省が果たすべき役割のひとつなのだろう。
そうしなければ、文科省は、官邸文部局、内閣府文部局に
成り下がってしまう。
もちろん、これはこれで、政治主導が官僚の思惑で
骨抜きにされかねないという懸念も残るのだが。
いずれにせよ、このような元文部官僚の内輪話を読める
機会はあまりない。
私はかつて 『文部省の研究』 を書いたとき、資料集めに
大変苦労した。
世間を騒がす加計学園問題にも、思わぬ拾い物があった
わけである。
辻田 真佐憲
【転載終了】
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我々素人には教育の失敗なのかはわかりませんが、
ヘイトに関しては問題だと思います。
正直、私も何度かネトウヨに絡まれたことがありますが、
「知性のかけらもないな」という感じは受けました。
以前ある准教授がネトウヨの実態に関した研究で、
産経の読者がほぼネトウヨの総数ではないかと、
興味深い研究結果を発表しています。
可なり幅広い世代にわたり存在しているようです。
確かに、産経の主張とネトウヨの主張は似ていますね。
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