「悪い円安」という言葉では正確な現状認識はできない

特別寄稿


【転載開始】


■「悪い円安」という言葉では正確な

 現状認識はできない

  まともな経済力学の逆襲が始まった

 公開日:2022/04/29


 「悪い円安」という言い方に違和感を

覚えます。

そこには、基本的には円安は良いものだ

という発想が底辺にある。

しかし、わざわざ「悪い」と接頭語を

付けるのは、時代錯誤であり、精緻さに

欠ける認識。

日本は債権大国になって久しい。

通貨の価値は上がるのが自然体であって、

とうの昔に購買力の上昇と一致した

経済運営になっていてしかるべきでした。

当然の方向転換をせず、円高阻止を続け

てきた結果、とうとう通用しなくなった、

というのが現状です。


 日銀の黒田節もようやく

「急激な円安はマイナス」と言い始めま

した。

これまで「円」というボタンを押すと、

機械的に「安は日本経済にとってプラス」

と出てくるような回路でしたから、

今さら何を言っているのか。

その「悪い円安」を日本の金融政策の

突出した異様さがつくり出してきた。

世界的に利上げモードになっている中で、

日本では断じて金利上昇許すまじと大量

に国債を購入するピント外れな政策を

続けている。


 そうなってしまうのは、異次元緩和が

当初から「財政ファイナンス」以外の

何ものでもなかったからです。

まともな金融政策としての判断とは無関係

なところで、狂った政策を展開し

「悪い円安」なることを招いた落とし前を

どうつけるつもりなのか。


 さらには「国際収支の発展段階説」と

いう問題が横たわる。

これについては、私は以前から警鐘を鳴ら

してきました。

いまの調子で貿易赤字が定着すれば、

いずれ経常収支レベルでも赤字になるで

しょう。

国内で貯蓄不足・需要超過になっているの

で、それを補うために海外からの資本流入

を獲得しなければ経済が回らない。

こうした状況を「債権取り崩し国」と言い

ますが、果たして、いまのような体たらく

の日本に経常赤字に見合う資本が流入する

のでしょうか。


■異様な金融政策が日本経済を心肺停止に

 陥らせている


 何をやってもうまくいかず、韓国が

うらやましい、みたいな状態で、海外との

金利差が広がるばかりでは、お金を引き

寄せることはできません。

そうなると日本は金欠病で窒息死。

以前もお話ししたミイラ化が、ついに眼前

に迫ってきた。

日本の異様な金融政策が日本経済を

心肺停止状態に陥らせているという現実を、

真正面から受け止めないといけない。

「悪い円安」などという言い方をしている

ようでは正確な現状認識ができていないと

言わざるを得ません。


 ここを切り抜けるには、もはや金利を

上げざるを得ない。

物価も上昇したわけですし、緩和をやめ、

財政ファイナンスに終止符を打ち、

本気で財政再建に舵を切る。

そうして、まともな方向に歯車が回り始め

ることになればいい。

逆に、それでも財政負担を増やすことを

しないのなら、日本経済を死に至らしめ

ることになる。

メディアは、アホダノミクス男がどう答え

るのか、問いただすべきです。


 異様な金融政策に対し、いつ、どのよう

な形で修正が迫られるのだろうかとずっと

考えていました。

ついに来た。

いま、これがそうです。

まともな経済力学の逆襲が始まったのです。


【転載終了】

**********************


>日銀の黒田節もようやく

「急激な円安はマイナス」と言い始めま

した。


↑「アベノミクス」から失敗していたん

ですけどね。


 気付くのが遅すぎます。

2018年に海外からの「アベノミクス」

失敗の指摘で修正していればよかった

のですが、既に手遅れ状態なんでしょう。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

0コメント

  • 1000 / 1000