【キーウ発】ロシア軍の弾薬が尽きた日

田中龍作ジャーナル


【転載開始】


■【キーウ発】

 ロシア軍の弾薬が尽きた日

 2022年5月6日


元英国軍兵士のボランティアが不発弾処理

にあたっていた。

=5日、ミロツカ村 撮影:田中龍作=


 開戦から69日目、5月5日。


 森の中は不発弾だらけだった。

雨後のタケノコなどという生やさしい

ものではない。

ありとあらゆるロケット弾やミサイル

が所狭しと散乱していた。


 ウクライナ国家警察の不発弾処理に

同行した。

通訳氏の個人的なツテである。

プレスツアーではない。


 20人からなる不発弾処理部隊の

ローマン隊長によれば

「不発弾は2~3,000発はある」という。

驚いてはいけない。

2~3,000発は砲弾のほんの一部なので

ある。


 話はこうだ―


 森のあるミロツカ村は、首都攻略の

前線となったホストメリ、ブチャ、

イルピンまで9~13㎞の近さだ。

森は前線に向けた弾薬の供給基地と

なったのである。


 ウクライナ軍は諜報などからもたら

された情報をもとにドローンで索敵した

結果、森が弾薬の供給基地であることを

確認した。


爆風で飛ばされるも爆発せず木立に突き

刺さった野戦砲の砲弾。

シュールだがこれも戦場のリアルだ。

=5日、ミロツカ村 撮影:田中龍作=


 森の入り口に住むアイバンさん

(66歳)はその日を忘れない。

 ウクライナ軍がほんの数分間、森に

砲撃を加えると、ロシア軍の弾薬基地

は地響きのする爆発音とともに誘爆し

た。

誘爆は6時間も続いた。

爆発した砲弾は四方八方に飛び散り、

木立をなぎ倒しながら森を黒焦げにした。

ロシア軍が失った砲弾は、いったいどれ

位に上るのか。

数万発なのか10万発を超すのか想像も

つかない。


 ロシア軍が失ったのは砲弾ばかりでは

なかった。

砲弾を前線まで届ける兵士やトラックも

失ってしまったのである。

3月26日のことだ。

 

 捕虜の証言によれば

「兵士の遺体は山のようになった」。

赤く焼けただれたトラックは森の中で

グロテスクな姿を晒していた。

砲弾が届かなくなれば、前線の部隊は

戦いようがない。


 3日後の3月29日、ロシアは停戦協議

の場で「首都キーウ周辺での作戦行動

を縮小する」と明らかにした。


 最前線のイルピンでロシアは押し気味

に戦いを進めていた。

しかしロジを叩かれて戦おうにも戦え

なくなった。 

プロパガンダに長けたロシアだが、戦場

での情報戦には弱いようだ。



多連装ロケット砲の砲弾。

トラックから火を噴きながら瞬時に何発

も発射される。

=5日、ミロツカ村 撮影:田中龍作=


【転載終了】

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 ドローンの活躍が戦況を分けている

ようですね。


 日本は、ウクライナ戦争で初めて

ドローンの重要性に気付いたようです

ね。


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