地方に波及する梅毒パンデミック ・・・
日刊ゲンダイヘルスケア+
【転載開始】
■地方に波及する梅毒パンデミック
年内に1万人感染の可能性も
公開日:2022年05月26日
「梅毒」の感染拡大が止まらない。
主に性行為で感染するこの感染症の
全国患者数は2013年に1000人に
過ぎなかった。
ところが、16年には4518人、
昨年は7873人となった。
今年も第18週(~5月8日)までに
3339人となり、昨年同時期を大きく
上回っている。
しかも新規感染者が地方都市に
広がっているという。
「性感染症 プライベートゾーンの
怖い医学」(KADOKAWA)の著者
で日本性感染症学会の功労会員でも
ある
「プライベートケアクリニック東京」
の尾上泰彦院長に聞いた。
「梅毒患者数は目に見えて増加して
おり、強い危機感を覚えています。
梅毒は全件数を1週間以内に届け出さ
なければならない5類感染症に指定さ
れています。昨年の第18週(~5月9日)
までが2048人に対して、今年の第18週
では3339人。1291人も増えた。この
調子でいけば年間9600人以上、悪くす
ると1万人に達するかもしれません」
特筆すべきは東京の患者数だ。
昨年の第18週時点では690人だったのが、
今年は第18週までに1028人と大きく
増加した。
これには2つの理由が考えられるという。
「東京では新型コロナ感染症の新規
陽性者数が昨年11月24日の5人が今年
2月2日には2万1562人まで増加、4月末
まで5000人を超える日が続いていまし
た。感染後の後遺症も話題になったこと
もあり“濃厚接触”を避けて減るかもしれ
ないとの期待がありました。しかし、
感染しても重症化しない、と考える人が
増えたせいか、逆の結果になりました」
もうひとつは梅毒患者のカウントの
仕方にもよるという。
「注意したいのは感染者数は届け出た
医療機関の所在地でカウントされること
です。“地元で梅毒だと知られたくない
ので大都市の医療機関を受診した”とい
う人も多い。東京はもちろん大阪などの
増加数は周辺地域に住む患者さんの増加
分が反映された結果とも言えます」
それだけ、梅毒感染は地方に広がって
いるということだ。
ちなみに、埼玉は80人から144人、
千葉は75人から88人、神奈川は75人から
138人と増加している。
それ以外では北海道は52人が117人、
宮城は28人から34人、静岡は36人から
71人、愛知は144人から211人、
大阪210人から366人、兵庫66人から
95人、広島は40人から122人、福岡県も
80人から121人、熊本は33人から49人
と増加している。
■注射1本で治療は完結
これまで報告数が少なかった県でも
感染者数は増えている。
鹿児島では、昨年同時期に9人だった
感染者数が今年は45人と5倍となった。
岡山も29人から45人へと増えている。
一方、高知は25人から17人に。
宮崎は36人から23人へと減少している。
「実数だけではわかりにくいのですが、
2021年のデータをもとに人口100万人
当たりの梅毒患者数を調べると高知、
岡山、宮崎は大阪並みでした。その危機
感から高知、宮崎は減らしているのかも
しれません」
男女比では20代までは女性が多いの
に対して30代以降は逆転。
男性の方が多い。
実際に22年第19週(~5月15日)の
東京都の梅毒患者報告数を男女別に見る
と、10代(男性6人、女性31人)、
20代(同179人、258人)までは女性が
多いのに対して、それ以降は逆転。
30代(同201人、59人)、
40代(同191人、21人)、
50代(同119人、10人)、
60代(同31人、0人)、
70代以降(同7人、0人)となっている。
梅毒は妊娠中に感染すると、母体を
通じて胎児に障害が出たり、死亡する
こともある。
「日本産婦人科医会が行った妊娠中
の梅毒感染症に関する実態調査(15年
10月~16年3月)によると、19歳以下
の妊婦の場合の感染率は537分の1に
対し、20代は2449分の1、30代は
8091分の1、40代以上は6012分の1と、
若い女性の分娩妊婦の梅毒感染率が高く
なっています。梅毒に感染した母体から
胎児への感染リスクは60~80%と非常
に高くなります」
梅毒は3~6週間の潜伏期間を経て
性器にしこりや潰瘍ができ、放置する
と全身に多様な皮疹、粘膜疹などが出現。
脳や心臓に障害が出て最後は死亡する。
「いまは梅毒の世界標準治療である
『ベンジルペニシリンベンザチン筋肉
注射薬』(ステルイズ水性懸濁筋注)が
承認され、注射1本で治療が完結する
ことも可能です。恥ずかしい、めんどく
さいなどと思わずに心当たりのある人は
すぐに受診してください」
【転載終了】
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日本では梅毒は絶滅していました
が、若い世代の性が乱れてきている
のでしょうか?
性病は大衆浴場でも感染すると
言われているので、十分気を付けた
方がいいでしょう。
地方にも感染が拡大しているよう
ですが、温泉や銭湯は要注意ですね。
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