「安倍晋三よ! 永田町から退場せよ」

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【転載開始】


■田原総一朗

 「喫緊の改憲論議の裏でいまだ消え

 ぬ安倍晋三の幻影」

 2022/06/29


 22日に手元に届いた「月刊日本」に

興味深い特集が組まれていた。

「安倍晋三よ! 永田町から退場せよ」

との大特集である。


 同誌では、白井聡氏、佐高信氏、

倉重篤郎氏らに厳しい“安倍批判”を展開

させていて、一方、「月刊Hanada」や

産経新聞社の「正論」などは、全面的な

“安倍応援”を行っている。

今回は、その両者の際立つ違いについて

論じたい。


 白井氏は

「悪夢の安倍政権は終わっていない」と

いうタイトルで、

「政権にへりくだることだけがうまいだけ

で、能力の低い官僚たちがのさばるように

なってしまった」と批判し、

佐高氏は

「安倍政権というのは、異論封殺内閣

だった。福沢諭吉が『公正の論は不平の

徒より生ず』と言ったけど、安倍は少数者

の意見に耳を傾ける勇気はない。だから

安倍以降、非常に政治が窮屈で狭量なもの

になっている」と言い切っている。

私もこれらの主張にはうなずくばかりだ。


 そして、この両者に限らず、安倍批判者

は、安倍氏をいわば歴史修正主義者、

つまり日本を戦前に戻したい人物だ、と

捉えている。


 対して、「月刊Hanada」8月号では、

安倍氏と櫻井よしこ氏との特別対談で

「『歴史戦』は真っ向から闘え」と強調し

ている。

日本はこれまで安全保障を米国に委ねてき

たが、主体的に捉えなければならないのだ、

と訴えている。


 自衛隊について考えれば、憲法9条2項で、

日本は戦力を持たず、陸海空軍の交戦権は

認めない、と明記しているのだが、自衛隊

は明らかに戦力と交戦権を有している。

大矛盾しているのである。


 自衛隊の発足は1954年で、自民党結党は

55年である。

結党後最初の首相である鳩山一郎は改憲を

宣言し、歴代首相も続いたが、さまざまな

理由でそれは実現せず、池田勇人以後は、

誰も憲法改正を訴えなくなった。


 吉田茂や池田、佐藤ら戦争を知る世代は、

安全保障を主体的に考えること自体が危険

だと考えていた。

防衛力の強化が避けられなくなったときに

軍部が突出し、それを抑えようとする

政治家は、五・一五事件、二・二六事件

などで殺された。

結局、負けが見えている太平洋戦争に突入

せざるを得なかった。

だから、戦争を知る世代の政治家は、米国が

押し付けた憲法によって自らを守ることが

安全だと考えたのだ、というのである。


 ベトナム戦争時には、米国は“自衛隊よ、

ベトナムに出兵して戦え”と日本に求めた。

米国の要求に否とは言えず、佐藤首相が

相談すると、宮沢氏は

「あなたの国が押し付けた憲法が難しすぎて、

行くに行けないじゃないか」と返答するよう

に言い、その後も憲法を逆手にとって、

米国の戦争に巻き込まれずにやってきたのだ

という。


 だがそれは、パックス・アメリカーナが

機能していた時代の話で、今や米国は世界

の警察であることを半ば放棄している。

これは日本には大問題で、安全保障を主体的

に考えなければならない時期に来ていること

は間違いない。

親安倍路線で異論は封殺して進むのか、

反安倍路線で時代に合った対話による

安全保障を導き出すのか。日本は岐路に立た

されている。

※週刊朝日  2022年7月8日号


【転載終了】

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 前記事に触れていた内容の記事なの

で、載せました。


 安倍晋三氏がプーチンに言った

「ウラジーミル、君と僕は同じ未来

を見ている」という言葉がウクライナ

戦争で薄ら寒さを感じますね。


 いつか戦争をやったのかと思うと。

 

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