安倍政権、“残業代ゼロ”裁量労働制を「契約社員や最低賃金労働者にも適用」と閣議決定!
LITERA
【転載開始】
■安倍政権が“残業代ゼロ”裁量労働制を
「契約社員や最低賃金労働者にも適用」と閣議決定!
財界の意向で“定額働かせ放題”に
安倍首相が「70年振りの大改革」と旗を振る
「働き方改革関連法案」のひとつである
「裁量労働制の拡大」で、政府が閣議で驚きの
答弁書を閣議決定した。
なんと、裁量労働制について〈雇用形態や年収
に関する要件はなく「契約社員や最低賃金で働く
労働者にも適用が可能だ」とする答弁書を決定〉
(共同通信)したのだ。
裁量労働制は、1日にどれだけ働いても合意した
「みなし労働時間」で定額賃金を支払う制度で、
たとえば「1日の労働時間は8時間とみなす」と
合意すれば、労働時間が6時間でも12時間以上
働いても、8時間分の賃金が支払われるというもの。
「労働時間ではなく仕事の成果で評価する」と
言えば聞こえはいいが、実態は残業代を支払う
こともなく定額で何時間も働かせることができる
制度であり、「定額働かせ放題」「残業代ゼロ法」
と呼ばれている。
そして、これまで裁量労働制は「企画業務型」と
「専門業務型」にかぎって認めてきたが、今回の
「働き方改革関連法案」では「企画業務型」の
対象業務を営業職などにも拡大。
年収制限も設けられていないことから対象範囲の
広がりが懸念されていたが、政府は「契約社員や
最低賃金で働く労働者にも適用可能」と認めたのだ。
これまで政府は「指示を受けずに仕事の進め方
を決めることができる人」「裁量のある人」が対象
だとしてきたが、最低賃金で働く人に裁量が与え
られているケースはどれほどあるのか。
いや、長時間労働によって最低賃金を下回っても
合法ということになるのではないか。
また営業職について適用は「提案型営業」に
限ってとしているが、その範囲も曖昧であり、
これでは法案改正によって「定額働かせ放題」が
どんどん適用されていくだろう。
■長時間労働させるだけの制度なのに安倍首相は
「岩盤規制に穴開ける」と
実際、適用外の営業業務の社員に裁量労働制を
適用、違法な長時間労働と残業代未払いが発生
していたとして、昨年12月に野村不動産の本社と
全国4拠点に労働基準監督署が是正勧告をおこ
なっている。
だが、これは氷山の一角とみられており、現行でも
裁量労働制の不正適用がまかり通っている。
たとえば、裁量労働制では、出勤・退社時間は
自分の裁量に委ねられることが原則なのに、
独立行政法人労働政策研究・研修機構が2013年
におこなった調査では、裁量労働制でありながら
49%の人が出退勤の時間が定められていた。
そして、これに遅刻した場合は43.3%の人が
「上司に口頭で注意される」と回答。
24.6%の人は「勤務評定に反映される」と答え、
「賃金がカットされる」という人は10.6%もいた。
「自由な働き方」という看板は見せかけで、
結局は会社に働き方を管理され、定額・残業代なし
で長時間労働を可能にしてしまうのではないか──。
こうした懸念が出てくるのは当然だ。
だが、この懸念に安倍政権は何ひとつ説得力の
ある回答をおこなわず、獣医学部新設を決めた
ことと同様に「岩盤規制に穴をあけるには、やはり
内閣総理大臣が先頭に立たなければできない」
などと言い出す始末。
一方、政権はこの裁量労働制の拡大を実施した
場合、一体どれくらいの労働者に適用されるのかの
試算はおろか、現行の裁量労働制によって残業代
未払いの罰則がかかった事例が何件であったの
かも把握していないのだ。
その上、安倍首相は施政方針演説や国会答弁で、
こんな大嘘をついている。
「子育て、介護など、さまざまな事情を抱える
みなさんが、意欲をもって働くことができる。誰も
がその能力を発揮できる、柔軟な労働制度へと
抜本的に改革します」
「働き方改革は、一人ひとりの事情においた多様な
働き方を選択できる社会を実現するためのもの」
法案の中身は、長時間労働を是認し、不当な
労働を強いられかねないものなのに、何が
「柔軟な労働制度」「多様な働き方を選択できる
社会を実現」だ。
むしろこの法案は、子育てや介護に手が回らなく
なる人、さらには過労死する人が続出する危険性
さえ孕んでいる。
■裁量労働制の旗振りは電通! 自民党は
「安保法でも通ったんだから通す」
つまり、この法案が労働者ではなく、経営者に
とって「柔軟な」ものであることは明白だ。
事実、高橋まつりさんを過労自殺に追い込んだ
電通は過去にも過労死を引き起こしてきたが、
そんななかで電通の会長は、1997年に理事長を
務める日本広告業協会の裁量労働制研究会と
して裁量労働制の営業への拡大を労働省に
求めていたことを昨年2月の衆院予算委員会で
現・立憲民主党の長妻昭議員があきらかにして
いる。
このような無反省どころか、違法な労働を合法化
しようとする電通の姿勢が高橋さんの痛ましい
事件を生んだというのに、安倍首相は過労死問題
には目を向けず、相変わらず企業にすり寄ること
しか考えていないのだ。
しかも、この裁量労働制の拡大をはじめ、
「残業代ゼロ法案」と呼ばれる「高度プロフェッショナル
制度の導入」や、「過労死の合法化」と批判を浴び
ている「時間外労働の上限100時間規制」など、
「働き方改革関連法案」は問題だらけ。しかし、
過労死ラインを超える100時間を上限とするこの
法案を安倍首相は、時間外労働の上限規制を
設けることをもって「長時間労働の規制強化だ」と
言い張り、「高プロ導入」「裁量労働制の拡大」を
抱き合わせにすることで突破しようと画策。
「健康を確保しつつ、柔軟な労働制度へと改革
するもので、一つの法案でお示しすることが適当
と考える」などと詭弁を弄している。
ほんとうに「長時間労働の規制を強化」しようと
するのであれば、法案に反対する野党が示して
いるように、仕事を終えて次の勤務までの間の
時間を規制する「勤務間インターバル規制」の
導入や、不払い残業が発覚した際に残業代を
倍にするなどのペナルティを課す制度を設ける
などの対応が必要だ。
それをせずに、さらに過労死につながる長時間
労働を誘発する法案を成立させようとする──。
一部報道では、自民党議員は「安保法だって
通せたのだから、これくらい通せないでどうする」
と余裕の態度でいると伝えられているが、それは
安倍首相も同じなのだろう。
安倍首相の言う「岩盤規制に穴を開ける」「大改革」
なる言葉に、もう騙されてはいけない。
(編集部)
【転載終了】
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私が所属していた、技術スタッフ部門は、
残業が月/140hなんてザラでしたが、
合法的化するということですね。
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