異常な円安になすすべなし・・・

金子勝の「天下の逆襲」


【転載開始】


■異常な円安になすすべなし・・・

 日銀が「歴史的敗北」に追い込ま

 れる危険性

 公開日:2022/09/21


 9月13日、アメリカでCPI(消費者物価指数)

ショックが起きた。

8月のCPIが市場予想を上回り、8.3%に高止ま

りしたのだ。

これを受けて、ニューヨークダウが1276ドル

の大暴落をし、円ドル相場は1ドル=144円後半

に突入してしまった。


 現在開かれている米連邦準備制度理事会

(FRB)の連邦公開市場委員会(FOMC)では、

0.75%か1%といった大幅利上げが予想される。

このまま行くと、日米金利差の拡大により、

輸入物価高騰の原因である円安にさらなる拍車

がかかるだろう。


 8月の日本国内の企業物価指数は9%で高止ま

りし、消費者物価もさらに上昇していく気配だ。

帝国データバンクによると、10月には食品主要

105社で6500品目を超える値上げラッシュが

控えている。

賃金が上がらず、物価だけが上昇する状況に

多くの国民が苦しんでいる状況だ。


 原因は、岸田政権がアベノミクスの失敗を

是正し、金融緩和から脱することができない

からだ。

安倍元首相の国葬にこだわる岸田首相にとって

アベノミクス批判は最大のタブーであり、

自ら手足を縛っている状態である。

その上、来年度予算の概算要求は110兆円超。

利上げすれば国債費の増大は必至で、予算は

組めなくなるだろう。


 さすがに日銀は異常な円安が進む中で、

口先介入を始めた。

黒田総裁は9日、急激な円安進行を

「好ましくない」と牽制した。

ところが、全く効果がなく、先述のアメリカの

CPIショックに直面し、1ドル=145円突破が

目前になった。

そこで14日には、金融機関に為替相場の水準を

尋ねる「レートチェック」を実施。

「円買い介入をするぞ」という脅しのサインを

出してきた。


 しかし、これも足元を見られるのは必定で

ある。

アメリカは年内3回も利上げがあり、

日本の貿易赤字もひどい。

そんな中で、外国の通貨当局は、インフレ抑制

のため自国通貨高を維持したいと考えている。

とくに売るドルは外貨準備しかないが、

アメリカ当局はドル売り=ドル安は望まない。

日銀が円買い介入して「円高ドル安」に誘導

しようとしても、アメリカ通貨当局は協力しな

いだろう。


 すると思い起こされるのは、1992年夏に

ジョージ・ソロスがイングランド銀行を打ち

負かした事件だ。

欧米などがインフレ対策で利上げする中、

身動きが取れない日銀は狙い撃ちにされかね

ない。

先物ファンドが一気に円売りに動けば、日銀は

とても耐えられまい。

今回の円買い介入スタンスの表明は、

日銀の歴史的敗北ののろしになる可能性がある。


【転載終了】

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 口先介入しても余裕のないことは市場が

知っているので何の歯止めにもならないで

すね。

打つ手がないこともわかっているので、

円売りが止まることは暫くないでしょう。


 この状況は黒田氏自身が招いた窮状です。


 黒田氏自身が後始末するまで、誰も交代

してくれないでしょうね。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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