茶番の為替介入・・・
特別寄稿
【転載開始】
■茶番の為替介入・・・日銀よ、おまえたちは
手品師のつもりなのか
公開日:2022/10/10
24年ぶりに政府が踏み切った円買い
ドル売りの為替介入。
しかし、自国通貨買いの介入では、
非常に難しい2つの現象が起きる恐れが
ある。
自国通貨売りならば、介入資金はいく
らでもあるが、自国通貨を買うとなると
外貨を用意しなくてはいけない。
国が持っている外貨準備は全部が現金で
はなく、むしろ大部分が日本の場合なら
米国債です。
現金だけでは小さなスケールでしか介入
できず効果が薄いので、本格的に介入す
るなら米国債を売ってドルを調達しなけ
ればならなくなる。
ところが米国債を売ると、市場におい
て米国債の供給が増えることになるので、
米国債の価格が下がる。
つまり、米国債の利回りが上がり、
ますます日米の金利差が拡大してしまう。
日米の金利差が大きいから急激な円安
が進み、その円安を止めるために為替介入
をするのに、為替介入資金を調達するため
に米国債を売ると、日米金利差がさらに
拡大し、円安圧力がかえって高まってしま
う・・・。
介入規模を大きくすればするほど、
円安進行の危険性が高まるという、非常に
バカらしい状況に追い込まれていくわけ
です。
そして、円買い介入で起こりうる難しさ
のもうひとつ。
財務省の指示を受けて日銀が行う円買い
は、民間金融機関が日銀に開設している
当座預金から円資金を吸収する形で行われ
る。
金融機関が引き続き当座預金にそれなりの
円資金を置いておきたいと考えれば、日銀に
差し出した分(吸収された分)の円を短期
金融市場から調達するので、円資金需要が
増え、円金利が上昇する。
米国との金利差が縮まり、円安圧力が緩和
されるという意味ではいい話です。
ところが、いまの日銀としては、金利が
上昇する方向に動くことはできない。
異次元緩和で金利を抑え込んでいるわけで、
短期金融市場での金利上昇を日銀が放置
すれば、「ついに異次元緩和をやめるのか」
という臆測が広がり、ますます金利上昇圧力
が高まる。
金利が上がると国債の利払いが増え、
日本政府が大変なことになるから阻止しな
ければならず、日銀は、円資金を短期金融
市場に再び供給せざるを得なくなる。
これでは、やったことを帳消しにするわけ
で、日米金利差は縮まらず、円安圧力は
緩和されません。
■「新しい資本主義」とは「バカらしい
資本主義」
こうした2つの現象が起きると、何のため
に為替介入をしているのか分からないという
状況に陥ってしまう。
バカさ加減を露呈することになり、
「新しい資本主義」はやはり、「バカらしい
資本主義」だということになるでしょう。
「財政ファイナンス」という下心で金融
政策を汚し、妥当ではない政策をひとたび
やり始めると、茶番に陥る。
「ざまあみろ」と思うけれど、付き合わされ
る我々はたまりません。
マトモな政策をやらないとロクでもない結果
になるということを、アホノミクスの登場
以来、繰り返し、繰り返し、見せつけられて
きたが、そういう政策展開の枠の中に置かれ
ている日本国民は本当に不幸です。
異次元緩和を継続している以上、どんなに
為替介入を実施しても悪循環の繰り返し。
日本の金利上昇を日銀が容認しない限り、
悪循環は断ち切れない。
この解けない結び目をどうやって解いてみせ
ようというのか。
日銀よ、おまえたちは手品師のつもりなのか。
【転載終了】
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元凶は「アベノミクス」ですね。
バカに権力を持たせると碌なことに
ならない、という典型例になってしま
いました。
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