いまだにシリアでテロ組織を支援する米欧や国連・・・
田中栄の国際ニュース解説
【転載開始】
■いまだにシリアでテロ組織を支援する米欧や国連(抜粋)
シリアの首都ダマスカスの東郊外に「東グータ地区」
(Eastern Ghouta)がある。
この地区は、シリア内戦の早い段階からアルカイダ
(ヌスラ戦線)傘下のイスラムテロ組織(Jaysh al-Islam)
の支配地だった。
彼らは米国やサウジアラビアからの支援を受け、
アサド政権がいるダマスカスの市街地に向けて
無差別な砲撃を続けてきた。
この地区で最近、ロシア軍に支援されたシリア政府軍が、
アルカイダと激しい戦いを続けている。
米国や英仏の政府代表やマスコミは
「アサド軍と露軍が無実の市民を空爆し、国連機関などに
よる人道支援物資の搬入も阻止している。これは人道上
の犯罪だ」と、露シリアを非難している。
マスコミも露シリア批判を喧伝している。
だが、これらの非難は濡れ衣だ。
東グータ地区は、ダマスカスの中心街から5キロほど
東にあり、ダマスカスの市街地と、その東側に広がる
砂漠との間に位置する。
砂漠を百キロあまり東に行くとヨルダンやイラクとの
国境で、サウジにも近い。
国境地帯(アルタンフ周辺)には、ISが台頭した後の
2014年から、米軍の特殊部隊がシリア政府の許可
を得ずに基地を作って進駐している。
シリアにいるアルカイダやISの兵士(テロリスト)の
多くは外国から来ており、ヨルダンからシリアに入り、
砂漠を超えて東グータや、ユーフラテス川沿いの
ラッカに向かう。
国境地帯に駐留する米軍は、ISカイダのテロリスト
たちに武器や物資、移動手段を与える「テロ支援」を
してきた。
ロシアがシリア政府軍を加勢するため参戦すると、
16年からISカイダが負けて支配地が縮小していった。
ラッカなどユーフラテス川沿いを支配していたISや、
ホムス周辺を支配していたアルカイダ(ヌスラ)勢力は、
露アサドやイラン系、クルドの軍勢などに負け、
アルタンフのヨルダン国境地帯に退却した。
国境地帯にはルクバン難民キャンプがあり、ISカイダ
の兵士はそこで米軍に支援されて形勢を立て直し、
まだISカイダが強い東グータやシリア南部の戦線に
転戦した。
<中略>
■シリア内戦での化学兵器使用はすべてISアルカイダ
のしわざなのにアサドに濡れ衣を着せ続けるマスゴミ
2013年8月、東グータで化学兵器が使われ、
地元住民が死傷した。
米政府はすぐに「アサド政権がサリンを使って市民を
攻撃した」と発表した。
米政府内や議会で、当時のオバマ大統領に対し、
シリア政府に対し報復の軍事攻撃をせよという圧力が
かかった。
マスコミや「専門家」の多くは「アサドの政府軍のしわざ」
と断言したが、中には「被害を受けた市民の症状を見ると、
政府軍が持っている化学兵器によるものでない」という者
もいた。
オバマは、シリア政府軍のしわざと断定できないとの
態度を途中から取り、やろうとしたシリア空爆を直前で
やめた。
オバマは、米軍による空爆をやめる代わりに、
アサド政権と親しいロシアに問題解決を頼んだ。
ここから、今に続くロシアによるシリアへの軍事進出の
流れが始まっている。
米軍は、シリア内戦を解決するふりをして裏でISカイダ
を支援して内戦をひどくするばかりだったが、ロシア軍は
本気でISカイダを空爆し、アサドの政府軍がISカイダを
退治するのを助けた。
シリアにおいて、米軍は極悪であり、ロシア軍は正義で
ある。
米国の差し金で国連が東アレッポに「人道支援物資」
を送り込んだが、物資を差し入れると、それは窮している
ISカイダに対する軍事補給物資になってしまっていた。
そのため露アサド側は物資の搬入を制限した。
これまた欧米マスコミは、いつものとおり「露アサドが、
市民を救うための人道支援物資の搬入を阻止している」
と喧伝した。(今回、東グータで同じことが起きている)
<中略>
■米覇権勢力による濡れ衣戦争がひどくなっても
全然見えてこない欧米日の人々
アレッポの奪還後、露アサド軍は、東部のユーフラテス
川沿いのIS占領地や、シリア南部のヨルダン・イスラエル
国境沿いのアルカイダ占領地を奪還していった。
シリアでのISカイダの大きな占領地は、ダマスカス近郊
の東グータだけになった。
ユーフラテス川沿いから撤退したISは、米軍に助けられ
つつ、東グータに移動してアルカイダに合流した
(2者は本質的に同じ勢力だ)。
今年2月、露軍の支援を受けつつ、シリア軍が東グータ
の奪還戦を開始し、アルカイダへの攻撃を強めた。
濡れ衣・歪曲による戦争は、第2次大戦以降、
米英覇権勢力(軍産複合体=深奥国家)が世界支配の
手法としてやり続けてきたことだ。
冷戦終結まで、その手法は割とうまくいっていた。
ベトナム戦争では(未必の故意的に)失敗したが、
日独との戦争では大成功した。
しかし、90年代のコソボ戦争から未必の故意的な失敗が
目立つようになり、01年の911事件、03年のイラク戦争、
その後のリビアやシリアでの戦争、イラン核問題など、
濡れ衣や歪曲がどんどん露骨になり、「裸の王様」の
物語的に、見てみぬふりをするのが困難になってきている。
それでも人類は平然と見てみぬふりを続け、濡れ衣や
歪曲はさらにひどくなっている。 (歴史を繰り返させる人々)
この件については、もっと深い分析が必要だ。
毎回、報じられていることが濡れ衣・歪曲なのだと説明する
だけで延々と書かねばならず、深い分析まで到達できない。
濡れ衣・歪曲を指摘する人自体がほとんどいない。
それを指摘すると「権威ある専門家」にしてもらえないから
だろう。
【転載終了】
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中東情勢の変化が日本にも影響を与える
のではないかと思います。
ロシアゲートは実際にあったと個人的には
思っています。
ISをつくったのはヒラリー・クリントンだと
いわれており、ロシアはヒラリーを落選させる
ことで、IS支援の道を断ち切ることが目的だった
のではないでしょうか?
田中栄氏の記事は、以前からネットにあった
同様の情報を補強する意味があるのでしょう。
世界の認識は、「米国は世界最大のテロ国家」
だそうです。
今までは米国が世界の覇権国家でしたが、
経済的にも軍事的にも中国が台頭して来ており、
中・ロと事を構えたら、米国は東アジアから
撤退することになりかねません。
当然、同盟国の日本は中・ロの支配下に
置かれてしまうかも?
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