やる気あるのか日朝会談 北の“天敵”が交渉役の危うい選択

日刊ゲンダイDIGITAL


【転載開始】


■やる気あるのか日朝会談 北の“天敵”が交渉役の危うい選択

 2018年6月22日


 「拉致問題解決へのチャンスがあれば、

何でもつかみたい」――。

日朝首脳会談の実現に意気込む安倍首相

をあざ笑うかのように、北朝鮮は国営ラジオ

を通じ「拉致問題は解決済み」

「無謀な北朝鮮強硬政策にしがみついている」

と猛批判。

米中韓3国は水面下交渉を経て北との距離を

縮めているが、安倍政権はまるで無策だ。

あろうことか、北にとって「天敵」といえる人物を

交渉窓口に据えようというのだ。


 北との交渉役として名前が挙がっているのは、

内閣情報調査室のトップで“官邸のアイヒマン”

と呼ばれる北村滋内閣情報官だ。

東大法学部卒業後の1980年、警察庁に入庁。

95年、全国の警備部や公安部を統括する

警察庁警備局に異動し、海外工作員などによる

諜報活動の捜査などを行う外事課に所属した。

2004年に外事情報部外事課長、10年には

外事情報部長を歴任してきた北村氏は、

北朝鮮にとって“目の上のたんこぶ”なのだ。


 「外事課は北朝鮮やロシア、中国による日本

への諜報活動や犯罪に関する情報を調査する

ことを目的としています。対北朝鮮であれば、

工作員が日本国内の現地人に成りすますため

に戸籍などを乗っ取る『背乗り』の実態捜査が

挙げられます。捜査対象国は産業スパイなど

を通じて、外事課のどの人物が捜査している

のか、大方把握しているとされる。当然、対象国

にとって外事課は目障りな存在といえます」

(元警視庁公安部捜査官・江藤史朗氏)


■ムードあおる世論調査が役目


 今や、米国のポンペオ国務長官(前CIA長官)

をはじめ、半島情勢を巡る各国の駆け引きは

「情報当局者」が担うようになっている。


 北朝鮮側の交渉役である金英哲朝鮮労働党

副委員長は元偵察総局長。韓国は徐薫国家

情報院長で、中国も宋濤共産党中央対外連絡

部部長が交渉役を務めている。


 安倍政権がわざわざ、北の“天敵”である

北村氏を起用するのは、「単純に日本も各国の

流れに沿っただけ」(外交関係者)という見方

がある一方、安倍政権の思惑が働いている

可能性もあるという。


 「失点だらけの内政から国民の目をそらさせ

たい安倍政権は、何とか日朝会談の開催機運

を引き延ばしたい。そもそも北は『拉致は解決

済み』と主張しているから、最悪、破談の恐れ

もある。首相は『北朝鮮側がごねている』など

とネガティブ情報を“お気に入り”の北村氏から

メディアにリークさせ、『交渉長期化や破談は

やむなし』との世論をつくることが狙いだろう」

(官邸事情通)


 北村氏を交渉役に据えて、日朝会談はうまく

いくのか。


 「情報当局者を交渉担当に据える各国と

足並みをそろえるというのは、理屈は分かり

ますが、北村氏はあくまで警察官僚です。

外国との交渉事を担う手腕については疑問符

が付きます。そもそも、これまで圧力一辺倒で、

反北感情をあおっておきながら、今さら会談が

できるのか。セットできても目に見える成果が

出せるのか、非常に微妙な局面です。安倍

首相は、最側近の北村氏を交渉に当たらせて

世論をコントロールし、秋の総裁選まで開催

機運をあおるつもりではないか。本当に会談

を成功させる気があるのかと疑いたくもなり

ます」(ジャーナリストの青木理氏)


 安倍首相にとって、北朝鮮は政治利用の

対象でしかないということだ。


【転載終了】

***********************


 北朝鮮関連については、News weakも

記事にしていますので、次に配信します。


0コメント

  • 1000 / 1000