アイドリングストップの「省コスト効果」が都市伝説といえる理由
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【転載開始】
アイドリングストップの「省コスト効果」が都市伝説といえる理由
※抜粋
■アイドリングストップは全体コストの節約になるのか
1回の信号停止が1分前後として、
毎回50~100ccのガソリンが節約できる
アイドリングストップだが、実際どれほど
効果があるのか。
本当に燃料代の節約、省エネになって
いるのだろうか。
いま、あらためてこの疑問に立ち返る人は
少ない。
普及当初の2010年ごろは、多くの自動車媒体
が取り上げていた問題だ。
それらは、「効果はゼロではない」
「メリット・デメリットがある」という回答に集約
される。
1回100ccの節約だったとしても、回数が
増えれば効果は大きくでるはずだ。
仮に1日1回、1分前後の信号停止があった
とすると、1年で35リットル、平均的な
コンパクトカーで給油1回分のガソリンが節約
できる計算だ。
信号の多い都市部では通年換算で数千円の
節約も不可能ではない。
毎日運転するような場合は、節約は数万円に
もなるかもしれない。
ただ、落とし穴もある。アイドリングストップ
機能では、信号待ちなど停止時の無駄な
ガソリンは節約できるが、駐車中のアイドリング
に無駄があれば、「貯金」はすぐに使い果たして
しまう。
例えば駐車中でも人が乗っていれば、空調など
のためエンジンをかけっぱなしせざるを得ない
ため、そもそも「貯金」はたまりにくい。
加えて、アイドリングストップ機能を搭載した
クルマは、専用のバッテリーが必要だ。
短時間で大きなエネルギーが必要なクランキング
と始動動作を繰り返すため、量販店などで売られ
ている安い標準バッテリーが使えない。
専用バッテリーの販売価格は約2万円から。
また、エンジンの停止と始動を繰り返すことで、
エンジンへの負担が増えるのは事実だ。
ガソリン代は節約になるが、メンテナンスコストが
上がる可能性はある。
■アイドリングストップは、もともと燃費効率より
CO2削減が目的
じつは、そもそもアイドリングストップは、
燃費を良くする技術というより、環境性能の向上、
とくにCO2排出量の削減が本来の目的にある。
1990年代、EUでは酸性雨など深刻な森林破壊
が社会問題となり、環境に対するさまざまな
ムーブメントが起こった。
北欧やドイツでは、無駄なアイドリングをやめて
CO2の排出を少しでも減らすという動きがあった。
当時のアイドリングストップは、手動でエンジンの
オン・オフを切り替える運動だった。
CO2削減や温暖化対策として世界的な枠組み
として「気候変動枠組条約(UNFCCC)」がある。
有名な京都議定書は、この締約国会議(COP)
によって採択された各国のCO2削減目標が
決定されている。
第一約束期間である2008年から2012年は、
それぞれの削減目標(CO2の排出レベル)が
合意され結果がでているが、第二約束期間
(2013年から2020年)は、詳細の合意が難航
している。
日本は京都議定書(COP15)以降、さまざまな
取り組みを開始した(エコカー減税、グリーンカー
税制などの導入もそのひとつ)が、結局2012年の
目標は達成できていない。
現在、注力している取り組みは、トラックの
アイドリングストップだ。
こちらは、装着車の普及というより、後付け装置
や支援装置の購入に補助金を支給するという
ものだ。
バスは、アイドリングストップ機能が普及して
おり、営業走行以外でもアイドリングの管理は
容易だ。
しかし、長距離輸送のトラックは、高速道路の
サービスエリアやトラックセンターなどで運転手
が仮眠をとることが多い。
車内の温度管理のため通常はエンジンをかけた
ままとなる。
このアイドリングを減らすため、国交省らは対策
機器の購入を補助したり、啓発活動を行っている。
■WLTCモード燃費ではアイドリングストップの
省燃費効果が薄れる可能性
アイドリングストップ機能が、トータルでの燃料
節約やコストダウンにつながるかは条件次第だが、
政府やメーカーの思惑もあり乗用車への普及が
進んだ。
筆者は、アイドリングストップ機能はトータル
での節約効果が小さいと思っている。
しかし、アイドリングストップはCO2削減という
目標に対して意義はあるとも思う。
ただし、それには駐車中や休憩中に手動で
エンジンを停止する(手動のアイドリングストップ)
だけで十分だし、その方が効果も高い。
しかもこれから主流となるカタログ燃費の
試験走行モード(WLTC)では、アイドリング時間
が短くなり、アイドリングストップ機能による燃費
向上は大きいものではなくなる可能性もある。
前述した、停止前から停止を検知してエンジンを
止めるような制御が重要になるだろう。
(ITジャーナリスト・ライター 中尾真二)
【転載終了】
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いまやフェラーリやポルシェにも搭載されて
いるアイドリングストップ。
国産車でも、一部のスポーツモデルや特殊な
車両を除くほぼすべての乗用車に装備されて
いる。
ディーラーでも燃費が良くなる、燃料の節約に
なると勧められることが多いようです。
特殊車両は救急車、消防車、パトカーなど
でしょうかね。
ランクルもアイドルストップが搭載されて
いませんが、特殊車両に入るのかな?
その代わり、エコモードが搭載されていますね。
信号の度にあの重いエンジンを廻すのは
燃費を可なり悪くしそうですものね。
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