介護離職者数は1年間で10万人、8割が女性。
LIFULL HOME'S PRESS編集部 データ担当
【転載開始】
介護離職者数は1年間で10万人、8割が女性。
介護のために労働時間短縮などの措置をして
いる企業の割合は?
■介護による離職者数は1年間で101,100人。
離職・転職者の8割が女性
前回、「平均寿命と健康寿命。高齢者の家族
構成の変化、取り巻く環境は?平成28年度版
高齢社会白書」で、平均寿命と健康寿命の差、
高齢者を取り巻く家族環境の変化や高齢者の
介護をする人(介護者)の増加について触れた。
今回は、仕事と介護の両立や、介護を理由と
した離職の状況について見てみる。
まず仕事と介護の両立の状況について、
総務省の平成24年「就業構造基本調査」に
よれば、雇用者で介護をしている人は
239万9千人で、うち女性は137万2千人、
男性は102万7千人、それぞれ全雇用者数に
占める割合は女性5.5%、男性3.3%である。
年齢別では、男女ともに最も多いのが
「55~59歳」であった。
身体介助や定期的な声かけ、食事の支度
や掃除などの介護頻度は、介護により離職
した人(離職者)は「ほぼ毎日」と答えた人が
56.1%と最も多く、また就労しながら介護を
している人も同様で、「ほぼ毎日」が35.5%と
最も割合が多く、次いで「週に2~4日」が
22.7%であった。※1
ほぼ毎日、もしくは週に2~4日ほど介護を
している人の割合が58.2%と多いことから、
気にかかるのが離職者数である。
家族の介護や看護を理由とした転職、離職者
数は1年間(2011年10月~2012年9月)で
101,100人であった。※2
そのうち女性は81,200人で、80.3%であった。
その年ごとにやや差はあるもの、おおむね
8~10万人が介護・看護を理由に退職し、その
8割が女性であることがわかる。
※1 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング
「仕事と介護の両立支援に関する調査」
(平成 24 年度厚生労働省委託事業)より
※2 総務省「就業構造基本調査」平成24年より
■介護による離職をした人の5割が就業を継続希望
介護を理由に離職した人のその理由については、
男性女性ともに最も多かったのが
「仕事と手助け・介護の両立が難しい職場だった
ため」であった。
(男性62.1%、女性62.7%)「自分の希望として
手助け・介護に専念したかったため」も、男女とも
に2割ほどいるものの、6割の人が介護と仕事の
両立ができずに退職してしまっている状況にある。
また、離職の際に就業の継続意向を調査した
ところ、男女ともに5割以上が仕事を「続けたかった」
と回答した。
仕事をしながら介護をしている人に「仕事と介護を
両立するために必要な勤務先からの支援」に
ついて聞いたところ、最も多かったのが
「出社・退社時刻を自分の都合で変えられる仕組み」
(30.5%)で、次いで「残業をなくす/減らす仕組み」
(29.4%)、「介護サービス利用費用の助成」(26.4%)
であった。
では、最も希望の多い労働時間の短縮などの
措置をしている企業はどれくらいの割合なのだ
ろうか。
何かしらの制度を設けている企業は全体の56.7%
であった。
内容ごとに見ると、「短時間勤務制度」53.9%、
「介護の場合に利用できるフレックスタイム制度」
10.7%、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」29.2%、
「介護に要する経費の援助措置」3.4%である。
ただし、この制度の導入状況は企業の規模により
大きく異なり、従業員規模が500人以上で92.2%と
高く、5~29人規模では51.2%となっている。
この傾向は介護休暇についても同様である。
(事業所規模5人以上で65.6%、30人以上で89.5%)
※厚生労働省「雇用均等基本調査」平成23年、
平成24年より
■介護の可能性を感じている人は4割。
両立支援制度を必要とする人に周知できる環境を
つくるには
総務省の平成24年「就業構造基本調査」によれば、
介護をしている雇用者のうち介護休業を取得した人
の割合は3.2%であった。
介護休業ではなく、有給休暇の取得で対処ができた
場合もあると思われるが、勤務先の企業が介護休暇
などの制度を設けていなかったケースもあるかも
しれない。
介護休暇、および介護休業は、法律に定められた
申出をすれば取得は可能ではあるものの、当然、
企業において規定が整備されている方が取得が
しやすくなるだろう。
なお、企業が従業員に対して介護との両立支援
制度をどのように周知しているかについては、
「就業規則に記載している」が83.7%と最も割合が
多く、次いで「社内のイントラネットに記載している」
(31.3%)、「社内研修等の機会に情報提供している」
(10.2%)であった。
「特に周知していない」と回答した企業も7.8%あった。
現段階で介護が必要でない親を持つ就労者で
あっても、今後5年のうちに親の介護が必要に
なる可能性があるかについて聞いてみると、
「少なくとも1人はかなりある・少しある」が40.3%と、
将来介護をする可能性があると感じている人が4割
いる。
親がまだ健康なうちは介護に関して情報収集を
しようとはしないかもしれないが、突然に介護が
必要になる可能性もある。
必要とする時に支援が受けられるよう、どういった
社会的な支援や会社のサポートが受けられるのか
事前に認識しておきたい。
また企業も、情報提供や社員が相談しやすい環境
をつくったり、両立支援についてニーズを把握する
など積極的な働きかけも必要になってくるだろう。
なお、育児・介護休業法が平成29年1月1日に
改正され、施行されている。
これまで介護休業は通算93日までを原則1回に限り
取得可能だったが、3回を上限として93日を分割取得
可能に、対象家族1人につき介護の期間は残業の
免除が受けられる制度が新設されるなど休業を
取得しやすく変更されている。詳細は下記リンクを
参照してほしい。
育児・介護休業法 平成29年1月1日 改正のポイント
三菱UFJリサーチ&コンサルティング
「仕事と介護の両立支援に関する調査」
平成24年度厚生労働省委託事業より
【転載終了】
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前記事で少し触れた介護離職の詳細です。
私も、定年前の4年間は就業介護でした。
通院や突発的なことが起こったときなど、
月に何回かお休みを頂けるよう話合いをし、
融通していただけました。
これから高齢化社会が進む中、緊急の
取り組み事案だと思います。
果たして、政府や国民にどれだけの
危機感があるのは分かりませんが、
いま、そこにある危機だと思います。
核家族化が進む中、高齢家族の面倒
を誰が看るのか?難しい決断を迫られ
ることになるでしょう。
私達夫婦は、ともに高齢の両親を一人
で看ていますが、介護は体力的なこと
だけではなく、精神的な苦痛も伴います。
2015年に特養入所が介護度1から
介護度3に引き上げられたこと、介護
認定度が1ランクづつ引き下げられた
のも施設、職員の数が足りないからで
あり、今から受け入れを制限する目的
なのかもしれません?
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