「安倍政権の無責任な原発増設計画 小泉元首相は」
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【転載開始】
■田原総一朗
「安倍政権の無責任な原発増設計画 小泉元首相は…」
2018.7.18
米国政府は予定通り、7月6日に中国に
対して追加関税を発動した。
ジャーナリストの田原総一朗氏は、
この問題における日本の対応に苦言を呈する。
* * *
西日本がかつてなかった豪雨による
大被害を受けたが、なんと気象庁が
「記録的な大雨になる恐れあり」と発表
した7月5日の夜、安倍首相をはじめ
自民党の幹部たちが、衆議院議員宿舎
で開かれた“赤坂自民亭”なる懇親会に
出席したことが露呈して大批判を浴びて
いる。
こんなときに場違いな話題で申し訳ないが、
今回は原発問題について記したい。
3日に閣議決定した新たなエネルギー
基本計画が、あまりにも無責任だと思える
からである。
たとえば、小泉純一郎氏は、首相時代は
原発推進派であった。その小泉氏が原発
反対を打ち出すことになったのは、
フィンランドのオンカロを見学した後である。
オンカロとは、地下500メートルくらいのところ
に空間をつくり、原発の使用済み核燃料を
保管する場所のことなのだが、小泉氏が
「オンカロに保管された使用済み核燃料が
無害化するのにどのくらいかかるか」と
問うと、答えは10万年であった。
そこで小泉氏は原発反対となったのである。
だが、日本にはオンカロもなく、またオンカロ
をつくる具体的な計画もない。
それでいて何の処理もされていない使用済み
核燃料が、すでに1万7千トンもあるのだ。
ところが、経済産業省は2030年度の
電源構成について、原発比率20~22%を
目指す、としている。
となると、30基程度の稼働が必要である。
東日本大震災で、福島の東電原発が深刻な
事故を起こして、すべての原発が停止され、
再稼働したのは関西電力や九州電力などの
計9基だけである。
しかも、日本では原発が稼働できるのは
40年間とされていて、現在ある原発がすべて
再稼働したとしても、とても30基にはならない。
その半分程度である。
となると、経産省の目標を実現するには、
原発の新設が必要になる。経産省の目標と
いうことは、つまり安倍内閣の目標でもある。
だが、繰り返し記すが、オンカロをつくる
具体的な計画さえもないのだ。
何代もの経産相にそのことを直接問うた
ことがある。
誰一人答えることができなかった。
実は、何度もオンカロをつくるための候補地
を求めたのだが、どの県も“否”だったので
ある。
それでいて、原発の新設地など見つかるのか。
無責任といえば、高速増殖炉「もんじゅ」は、
ほとんど仕事らしい仕事をしないまま廃炉と
なったのだが、「もんじゅ」についての総括を
しないまま、政府は核燃料サイクルを構築
すると決めているのである。
実は、自民党には、原発問題の責任者が
いないのだ。
余計なことかもしれないが、私は何人もの
自民党の幹部たちに、原発問題の責任者に
なるべきだ、と口説いた。
あるいは私の口説き方が下手だったのかも
しれないが、誰も引き受けなかった。
やれば責任が重すぎると判断したのだろうか。
念のために記すが、私は10人以上の自民党
の幹部たちに、これから原発の新設ということ
がこの国で可能なのだろうか、と問うている。
可能だと答えた議員はいなかった。
それでいて、30年度には、原発が20~22%
になる、つまり30基程度が稼働する、
ということになっているのである。
これを無責任と言わないのはおかしいのでは
ないだろうか。
※週刊朝日 2018年7月27日号
【転載終了】
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原発マフィアという言葉があるように、
原発は大きな利権です。
東京電力は、建設計画が中断している
青森県の東通原発について、建設再開
に向けて地質調査に入ることを明らか
にしています。
まだ、原発を造ろうとしているのです。
懲りない会社です。
政府は、溶け落ちた核燃料(デブリ)の
取り出しの作業スペースなどを確保する
必要があるとして、汚染水タンクを将来
撤去する方向の案を了承しました。
問題は、トリチウム汚染水を海洋放出
する形になると予想されることです。
また、世界から非難されるでしょう。
汚染土除去も然り。
汚染度もかなり溜まってしまい、政府は
園芸作物などを植える農地の造成にも
再利用する方針を決めています。
現時点では食用作物の農地は想定して
おらず、花などを植えるとのこと。
それさえも、将来どうなるかわかりま
せんよね。
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