「損保ジャパンはヤクザの手口」
Business Journal
【転載開始】
■「損保ジャパンはヤクザの手口」
ビッグモーター、中古車相場下落や
自動車保険値上げも
2023.08.05
3日付け共同通信記事は、自動車保険の
保険金水増し請求問題に揺れる中古車販売
大手ビッグモーターをめぐり、
損害保険ジャパンが他の大手損害保険会社
に対して、外部調査は不要であると働きか
けていたと報じた。
損保ジャパンは不正の舞台となった
ビッグモーターの板金部門(自動車修理部門)
に2011年から計37人に上る出向者を送り込ん
でいた。
昨年の不正発覚を受けて三井住友海上保険と
東京海上日動火災保険がビッグモーターの
修理工場への、自動車事故を起こした
保険契約者の仲介を停止していたなか、
損保ジャパンのみが再開し、それによって
ビッグモーターを窓口とする自社の自賠責保険
の契約数を増やすなど、両社の関係が深かった
ことが明らかになっている。
すでに金融庁は損保ジャパンに対して行政処分
の発令も視野に調査に乗り出しているが、
4日発売の週刊誌「フライデー」(講談社)に
よれば、損保ジャパン社員がビッグモーターの
板金部門に対して、損保会社に保険金を水増し
請求するために修理車両の傷を深く見せる方法
を指南していたといい、損保ジャパンの関与が
焦点となりつつある。
「事故車の故障の度合いが水増しされると、
損保ジャパンが修理工場に支払う代金が高く
なるだけなく、当該の自動車保険の契約者は
等級を下げられ支払う保険料が増える可能性
もあり、ビッグモーターに出向していた損保
ジャパン社員の行為は、自社と自社の契約者
の両方に損害を与える。それを損保ジャパン
自身が容認していたというのだから、異常と
しかいいようがない。
損保ジャパンはビッグモーターの店舗を通
じて年間数十億円の自賠責保険の収益を上げ
ていたので、要は自社の契約者の利益よりも
ビッグモーターとの関係を優先していたとい
うこと。また契約者の等級が下がれば毎年入
ってくる保険料は増えるので、損保ジャパン
としては長期的にみれば一挙両得となる。と
はいえ、完全にヤクザの手口で、街金でもあ
るまいし、日本を代表する一流の大手損害保
険会社がここまでひどいことをするのかと驚
きを禁じ得ない」(メガバンク関係者)
損保ジャパンの白川儀一社長は当初、
ビッグモーターによる不正を認識していた
出向者はいないと説明していたが、その後、
会社として不正の可能性を把握していたこと
が判明。
金融庁が損保ジャパンに対し重点的な調査に
乗り出す事態となっている。
「昨年7月に損保ジャパンは金融庁に対し、
ビッグモーター社内で不正の指示はなされて
いないと虚偽の報告をしている。その同月に
ビッグモーターの兼重宏行社長(当時)が
直々に損保ジャパンを訪問し、その直後に、
損保各社が事故車のビッグモーターへの修理
仲介を止めていたなかで、損保ジャパンだけ
が再開している。しかも、通常であれば損保
会社は修理工場から提出された見積書を適切
かどうか査定するところ、損保ジャパンは
ビッグモーターの案件については査定を事実
上行わずそのまま通す『簡易査定』を行って
いた。あの『保険金支払い渋り』で有名な
損保ジャパンがここまでやるというのは、い
かに損保ジャパンとビッグモーターがズブズ
ブだったのかということを物語っている。今
回の不正については共犯だといっていい」
(全国紙記者)
損保ジャパンの企業体質について、同社と
取引がある大手企業社員はいう。
「大手損保はどこも要求が厳しいが、見積も
りの値下げ要求の際、たとえば東京海上は理
論武装して非常にロジカルに攻めてくるが、
損保ジャパンは『とにかく下げろ』という感
じ。また、接待でも東京海上や三井住友の管
理職は紳士的で、こちらが嫌な思いをするこ
とは少ないが、損保ジャパンの社員は『俺た
ちは客』という態度が丸出しで、担当者クラ
スの社員でも平気で女性のいる店に連れてい
くことを求めてきたりする。企業体質が非常
にビッグモーターと似ている部分があり、両
社が親密な関係だと報道で知ったときは『な
るほど』と思った」
■パワハラや顧客への暴言
ビッグモーターの企業体質をめぐる報道は
連日にわたり流れており、改めて説明は不要
かもしれない。
下請け会社に対して従業員や家族の保有する
車の車検時期など個人情報の提供を強く要求
したり(7月26日放送『情報ライブ ミヤネ屋』
<読売テレビ>より)、無償での作業を強要し
たり(同)、保険金の不正請求先である損害保
険ジャパンに提出した報告書で書き換えを行っ
ていた(同26日付「テレ朝news」記事)こと
が明るみに。
以前から指摘されていた、税金で整備された
店舗前の街路樹に除草剤をまいて枯らしている
疑惑については、会見で和泉新社長は「かれこ
れ10年くらい前の話」と説明していたが、同
28日には一部店舗で現在も行われていたことを
認めた。
また、役員から店長、店長から現場社員に対
するパワハラが常態化。
店舗の営業担当者が顧客にローンの仮審査だと
説明しながら、勝手に信販会社の本契約を進め、
顧客が慌てて解除すると担当者が顧客の自宅に
押し掛け、2時間にわたり暴言を浴びせるという
ことも行われていたという(3日付け読売オンラ
イン記事より)。
一部店舗の担当者が顧客への納車時に
<次のお車ヴォクシーにかかってくる環境性能
割といって所得税なんですけど納期の際に頂く
ことは難しいでしょうか?>
(「最初にお話聞いてない費用なんですが」と
の返信に対し)
<僕の説明不足で申し訳ございません ヴォク
シーにかかってくる所得税の税金になります>
<お支払い頂くのは難しいでしょうか?>
とするメールを送付していた事例も大きく
クローズアップされた。
中古車販売店経営者で自動車ライターの
桑野将二郎氏はいう。
「環境性能割という税金の仕組みや定義を知らな
いユーザーも多いと思いますが、これは売買によ
り車両を取得した際にかかる税金です。以前は自
動車を取得した際に『自動車取得税』が課税され
ていましたが、2019年の法改正で廃止され、代わ
りに導入されたのが環境性能割になります。環境
性能割は、購入・取得した車両の燃費性能に応じ
て税率が変化し、その税率と車両の取得価額をか
けた金額が納めるべき環境性能割の税額となりま
す。つまり、燃費性能が優れた車種ほど税率が低
くなり、税負担を抑えられることになります。ち
なみに電気自動車等(電気自動車、燃料電池車、
プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車など
が含まれる)の場合は非課税となります。
算出方法についてここでは割愛しますが、中古
車の場合は自分の購入する車両が環境性能割の対
象かどうか、一般社団法人日本中古自動車販売協
会連合会の下記のサイトから検索・参照すること
ができます(このサービスは原則国産車のみ対象
で、国産車でも車種により検索できない場合があ
ります。検索結果は参考値なので、正確な税額は
所轄の自動車税事務所へ問い合わせが必要です)。
つまり、ビッグモーターの店員による環境性能
割の案内は、とくに問題なかったかと思われます。
ただ、契約時にあらかじめ丁寧な説明がなかった
ことは少し不親切だったと言えるかもしれません」
■中古車業界の信用低下
このほか、ビッグモーターの店舗が、個人が所
有していない架空の車両について保険契約を結ん
でいたり、営業担当者が保険契約の書類に顧客に
なりすまして勝手に代筆していたことも判明して
いる。
「虚偽の自動車保険契約に関する事件は、過去
に何度もありました。自動車保険を取り扱ってい
ると、販売実績に応じて代理店に付与されるマー
ジンが変わってくるため、成績が維持できない販
売店が社員の車両を顧客の車両として登録するな
どして、保険契約を偽装するという行為自体は、
さほど珍しいことではないといえるでしょう。た
だ、それらはあくまで個人店など小規模の店舗が
行ってきた例が多く、ビッグモーターほどのメガ
ストアが偽装契約をしていたとすれば、金額もか
なりのスケールに膨らむ可能性があります。在庫
車両や社員の車両を使って保険契約の書類に顧客
になりすまして代筆していた、という話ですが、
こういった行為がエスカレートした結果、対象と
なる車両が事故を起こしたとか、盗難に遭ったよ
うに見せかけて、保険金を請求するという犯罪に
まで発展した例があります」(同)
気になるのは、今回の一連のビッグモーターの
問題が、中古車業界全体にどのような影響をおよ
ぼす可能性があるのかという点だ。
「さまざまな視点から大きな影響を及ぼす可能
性があると考えられますが、最も懸念されるのが
中古車業界全体の信頼性とイメージの低下です。
今回の件でビッグモーターだけでなく中古車業界
全体にグレーな印象を持つ方も増えることが予想
されますから、車の買い替えや売却を考えていた
人が躊躇することで、販売や買取の動きが鈍るこ
とになるでしょう。いわばとばっちりを食らうよ
うなかたちで、中古車販売店の倒産が増えていく
かもしれません。また、業界のイメージ低下によ
って人材の流出も起こりえます。ただでさえビッ
グモーターを退職した人材が他業種へ転職してい
る例が多く聞かれるなか、今後は中古車業界全体
における人材確保も難しくなってくる可能性があ
ります。
さらに、ビッグモーターの経営状態が悪化した
場合に、大量の在庫車両をキャッシュ化するため
に一気にオートオークションへ出品されることも
予測できます。その場合、一時的に流通車両がだ
ぶつくことによる相場の下落も考えられます。こ
うした大きな流れのほか、ユーザーに直接的に関
わってくるのが、ビッグモーターで車を買った人
への影響です。今後のビッグモーターが、保険取
り扱い業務の停止や鈑金修理の停止に続いて、車
検整備の業務もどうなるか不透明ななか、ユーザ
ーは車検や修理が必要となった際に依頼する整備
工場をこれから探して見つけなければいけません。
『知らない整備工場へ預けて、またガッカリする
のは嫌だから』と、どこに相談したら良いのか迷
っている人も多いと聞きます。こうした消費者の
不安を払拭するような、透明性の高い取り組みが
中古車業界内で活発になればなと、切に願います。
この他にも、ビッグモーター以外の大手中古車
販売会社の株価への影響(すでに株価を下げてい
る企業が現時点で数社見られます)や、損保ジャ
パンをはじめとした保険会社各社が自動車保険の
商品内容を見直し、実質的には値上げとなるよう
な措置が施される可能性も否めません」
(文=Business Journal編集部、協力=桑野将二郎
/自動車ライター)
当サイトは2020年1月11日付記事『損保ジャパン
、過失割合10対0でも補償金“払い渋り”…右足切断
の被害者へ冷酷な対応』で損保ジャパンの企業体質
を報じていたが、以下に改めて再掲載する。
※以下、呼称・役職・数字・時間表記等は掲載当時
のまま
――以下、再掲載――
損害保険ジャパン日本興亜(損保ジャパン)の
交通事故対応をめぐり、昨年末ごろからインターネ
ット上で被害者を名乗る人たちが続々と声をあげて
いる。被害者への保険金未払い、担当者の不誠実な
対応などに関する証言や、事故当時の生々しい写真
なども続々と上がり、批判の声が収まる気配を見せ
ていない。
■「過失割合10対0でも支払いなし」
今回の騒動は12月12日、Twitter上で「高速道路
で追突事故に遭い、相手10:0で示談交渉中、相手
方保険会社の損保ジャパンから連絡があり修理費・
買い替えにかかる費用も支払わないと連絡があった」
との投稿が端緒になった。
その後、続々と損保ジャパンの対応に関する批判が
相次いでいだ。
「この間のうちのもらい事故、信号停車中に追突
されたんですが車の方は全額支払い完了しましたが、
治療費8回分は支払えないと言ってきました 弁護
士特約を使って戦うか、治療費を自分の保険から出
る一時金で賄って終焉させるか、、、。尚、相手方
は損保ジャパン」(原文ママ、以下同)
「私の友人。交通事故に遭い損保ジャパンから慰
謝料の提示をうけたが、不服だったようで交渉の為、
理由等を記入した書類を10月末に送付したが未だ届
かず。可否の連絡くらいよこせばいいのに」
相次ぐ批判に、損保ジャパンは公式Twitterアカウ
ントを承認制に移行。
一連の批判に対して「現役損保メン」と名乗る人物
が発端となる投稿に対して保険業界のルールをあげ
たうえで、次のように反論した。
「自動車保険会社のできること・できないことは
どこも同じです。なぜなら、保険会社の役割は『加
害者が法的に負う範囲を補償する』立場にあるから
です。
今回の件は被害者の方には申し訳ないですが、
本当によくあることなのです。
加害者の保険会社がどこであろうと被害者は同じ事
を言われています。
これを機に損保ジャパンを悪く言っている方も
大勢いらっしゃいますが、違う保険会社の口コミ
も確認してみてください。
どこの保険会社も同じようなことがいっぱい書か
れています。
なぜなら、どこの保険会社も『支払いができる
もの』『支払いができないもの』は決まっており、
同様の経験をされた方が多くいらっしゃるからで
す。自動車事故はお金が絡むこともあり、感情的
になりやすいのです」
確かに自動車保険を有効活用するためには専門的
な知識がいる。仮に事故に遭って混乱している状況
にあっても、法律的なものの見方も必要になる。
上記の反論にあるような保険業界の「常識」や
「ルール」は、時代の移り変わりに沿った実情に
即しているものなのだろうか。
当サイトでは昨年末から損保ジャパン広報部に
今回の炎上の件で見解を問い合わせているが、
返答は得られていない。
■7年に及ぶ損保ジャパンとの闘い
事故に遭わなければ、知ることのない保険業界の
不可解なルールがある。
損保ジャパンと約7年にわたる弁護士を交えた論争
をしてきた交通ジャーナリストのジャンクハンター
吉田氏に自身の経験を聞いた。
【吉田氏の証言】
私が事故に遭ったのは、20007年12月、東京都
千代田区岩本町の靖国通りをバイクで横断しよう
としていた時でした。右方向から信号無視した乗用
車が直進してきて、とっさにハンドルを切って、植
え込みに頭から突っ込みました。
頭から地面に落ち、頚椎と右腕、右足を強打。
東京大学付属病院に運ばれました。
現場で乗用車の運転手さんは信号無視を認めていま
した。
残業明けで、意識がもうろうとしていたとおっしゃ
っていました。
事故後に謝罪にも来て頂きました。
過失割合は10:0ということでしたが、警察は損害
に関しては民事なので介入しないとのことだったの
で、相手側の保険会社である損保ジャパンと交渉す
ることになったんです。
当時、私は編集プロダクションで雑誌付録のDVD
の制作をしていました。
バイクには仕事で使うDVDと業務用のカメラを積ん
でいたのですが、すべて全壊しました。
首の怪我はかなり重く、右半身にマヒが出ていまし
た。歩くのもおぼつかない状態でした。
■バイク店に「安くしろ」
まず、事故で壊れたバイクの修理費の見積もりを
出してほしいということだったので、10数年前から
懇意にしていたバイク屋の店主にお願いしました。
ところが、数日後、バイク店の店主から驚きの連絡
があったのです。
『保険会社の担当者が修理代の見積もりが高すぎる。
安くしろと言ってきている。こんなことは長年バイ
ク店をやっていて初めてだ』。
修理費と工賃で約38万円だったと思います。
すぐに損保の担当者に電話をして事実関係を問い合
わせたところ、「そんなに高いとは思わなかった」
と言うんです。
そもそも38万円も出せば、新しいバイクが買える
ので、改めて新車購入費用を担当者に求めたのです
が、今度は「そんな予算はない」という返答でした。
予算とはいったいなんのことなのか。
さっぱりわかりませんでした。
挙句の果てに、前出のバイク店の店主に対して、
「でも吉田さんは別に車とぶつかっていないですよ
ね。高すぎます」と言い始めたんだそうです。
副社長に言ったら「すぐ支払います」
当時、私の伯母が銀座のクラブを経営していて、
そこに損保ジャパンの副社長が来ていることがわか
りました。
一連の担当者の対応を伯母を通じて、副社長に伝え
たところ、すぐ担当者から電話がかかってきて
「すぐにお支払いします」ということになりました。
現場レベルではダメで、トップダウンならすぐに
お金が支払われる。
いったいどういうルールと仕組みで、損害保険は
回っているのかと正直疑問でした。
のちほど、交通ジャーナリストとして仕事をする
中でわかったのは、保険会社の事故担当者は1円でも
支払いを安くすることが個人の成果に直結するという
事実です。
その後、負傷により歩けない時期が45日間あった
ので、仕事での移動で担当者にタクシー利用の許可
をもらって使い始めました。
総額で30万円くらいになったのですが、それも
「使いすぎだ」として支払いを拒否されました。
結局、その担当者は解雇され、新しい担当者に代わ
りました。
それで話がスムーズにいくと思ったのが間違いでした。
■「新しい事故を起こすと保険会社が引き継がれる」
事故後も右手、右足のマヒとしびれ、痛みはずっと
続いていました。
それでも編プロの仕事をしないと食っていけないの
で、病院に通うのも週2日に抑えて働いていました。
それについて、新しい担当者は「通院回数が少なすぎ
る。吉田さんもう大丈夫なんじゃないですか」と言わ
れました。
そして08年4月、また事故に遭ってしまいました。
仕事でバイクを運転していたところ、神田神保町付近
の靖国通りでタクシーの幅寄せに巻き込まれて、
ガードレールとドアに挟まれてしまったんです。
幸いこの時は、ほとんど大きなけがもなく、バイクや
タクシーにも大きな損傷はありませんでした。
そこでタクシー側の三井住友海上保険の担当者から、
またしても驚きの提案を受けることになったんです。
「損保ジャパンさんから補償を引き継ぐことになっ
たので、よろしくお願いします」
今回の事故ではほとんど損害は受けていません。
どうして三井住友が前の事故の補償も請け負うこと
になるのか尋ねたところ、『新しい事故が起こった
際が、保険業界のルールとしてそうなります』との
説明でした。
納得がいかなかったので、何度もお願いし、結局、
損保ジャパンに引き続き事故の補償を求めていくこ
とになりました。
■休業補償は自営業者には出せない
自分自身でカメラを回せなかったので、代わりの
カメラマンを雇ったり、事故で没になってしまった
作品などに関する見積もりを取引先に出してもらい
ました。
おおよそ500万円くらいになりました。
これらの損害に関して、休業補償を求めようとした
ところ、「雇用者なら出せますが、フリーランスや
自営業者には出せません」と断られました。
理由を聞くと「補償できないルールになっています」
との回答でした。
もはやどうしようもなくなり、損害賠償というかた
ちで補償を求めることになりました。
そうしたら損保の担当者は「加害者と相談する」と
話し、その2~3週後、同社の顧問弁護士から
「私を訴える」と連絡がきたのです。
まるで同社が加害者をけしかけて、訴えたように見え
ます。
私も知人の弁護士を立てることになりました。
その後、右半身のマヒがひどくなり、後遺障害が
出始めていることを損保に訴えたのですが、損保は
自社指定病院での診断を要請してきました。
その結果、後遺障害はないと診断されました。
2015年まで弁護士を通じて話し合いが行われまし
た。
その間、約200万円の費用がかかりました。
最終的に裁判所から、「損保ジャパンが和解案を提示
してきた」と連絡があり、悩んだ末にこれを受け入れ
ました。
和解案は損保ジャパンが損害賠償として250万円を
支払う。
そして、後遺症などが出ても損保ジャパンは一切関係
ないというものでした。
和解案を受けるということは、民事訴訟では一定の
勝利と見られます。
今から考えれば、あれでよかったのかと考えさせられ
ます。
ちゃんと法廷で戦って、判例として結果を残すべき
だったのかもしれません。
事故から11年後の2018年、ずっと不調だった右足の
神経が壊死してしまい、切断しました。
今は義足で生活しています。
あとに弁護士に聞いた話ですが、保険会社としては、
どのようなかたちになるにせよ、この件が判例として
残ることを強く恐れていたということです。
【以上、吉田氏の証言】
交通事故時の損害保険会社の対応は、どのようなあ
り方が正しいのか。
法律的な見解を山岸純法律事務所の山岸純弁護士に
聞いた。
■山岸弁護士の見解
交通事故の被害者側弁護活動においては、大抵の
場合、(加害者)保険会社と示談交渉をすることにな
ります。
ここで、一概には言えませんが、確かに損保ジャパン
は、比較的、支払が“渋い”というイメージがあります。
もちろん、他の損保会社と同様に損保ジャパンの
担当者が過去の同様事例を勉強・研究し、不当な請求
は確実に排除し必要な範囲において保険金を支払うと
いう損保会社においてきわめてスタンダードなスタン
スをとっているのであれば、なんの非難も受けようが
ありません。
しかし、 交通事故の被害者側弁護活動を長年
やっていると、損保会社によって「気前がいい」
「手厚く支払ってくれやすい」「支払いが“渋井”」
「難くせつけて、結局支払わない」などといった
態度の違いはあり、 交通事故の被害者側弁護活動
に 数多く携わる弁護士達の意見としては、
損保ジャパンは後のほうの態度をとる場合が多いと
されています。
ただ、今回の“炎上”について、可能性の問題とし
て考えられるのは、交通事故の保険処理等は一般の
方にはとても難しく(我々弁護士も、毎回、手続き
を調べながらやっています)、「相手方の保険会社
の説明がうまく理解できず、ただ、『払わない』と
いう点だけが印象に残ってしまった」という場合が
多いのではないでしょうか。
今回の真相はわかりませんが、私は少なくとも
以下の点を強調したいと思います。
すなわち、多くの損保会社は著名な俳優を起用する
などしておカネをかけ、立派なCMを作り保険を販売
しています。
その中で「事故の際もご安心ください」などと事故
対応の手厚さを強調していますが、事故は、自損・
単独事故を除き、こちら側(被害者、加害者)と
相手方(加害者、被害者)があります。
このため、「自分のところの被保険者」に対して
手厚いだけではなく、 そもそも、自動車損害保険と
は、もともとは相手方の損害を補償するためのもの
なわけですから、 相手方のケアに対しても手厚い
ことをあわせてアピールすべきと考えます。
(文=Business Journal編集部、協力=
山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)
【転載終了】
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まるで、反社会勢力の隠れ蓑である、
″フロント企業″のような形態ですね。
ビックモーターが損保ジャパンを頼った
のは企業体質が似ているからとの情報も。
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