ホルムズ海峡を封鎖・・・原油高騰と戦争だ!?
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【転載開始】
■イランがホルムズ海峡を封鎖したらどうなるか──
原油高騰と戦争だ
2018年8月10日(金) トム・オコーナー
<11月までにイランの原油輸出をゼロに
することを狙うトランプに、イランはホルムズ
海峡封鎖を示唆する。アメリカの攻撃を受け
ることになるがそれでもやるのか>
イランは、いざとなれば世界の原油輸送
の大動脈であるホルムズ海峡を封鎖する
と警告した。
対イラン制裁を復活し、イランの原油輸出
をゼロにすることを狙う米トランプ政権を
威嚇したものと見られる。
イラン側に海峡封鎖の準備が整った兆候
はまだないが、もしそうなれば、中東情勢
や世界のエネルギー価格に破滅的な影響
を与える恐れがある。
アメリカの対イラン再制裁の第1弾は、
8月7日に発動された。
2015年にイランが欧米など6カ国と結んだ
核合意で、イランは核兵器開発を制限する
見返りに経済制裁を解除してもらったの
だが、ドナルド・トランプ米大統領は5月8日
に合意から離脱した。
制裁を再開するためだ。
その第1弾は自動車部品や航空機の取引
制限、さらに11月4日に発動予定の第2弾
では、イランの重要な輸出品である原油と
天然ガスを買わないことにする。
欧州各国や日本も、イラン産原油の購入を
ゼロにするよう求められている。
アメリカとイランの睨み合いが続く中、
イランの精鋭部隊、革命防衛隊が8月2日
にホルムズ海峡一帯で大規模な軍事演習
を行った、と報じられた。
ホルムズ海峡は世界の海上輸送原油の
3割以上が通過する要衝だ。
イランの強硬派は諸手を挙げて海峡封鎖
に賛成し、革命防衛隊幹部も実行に意欲
を示している。
■海峡封鎖は侵略招く
これほどの緊張にも関わらず、イランが
世界の原油輸送の生命線であるホルムズ
海峡を実際に封鎖するリスクを冒すかどうか
は「疑わしい」と、米テキサス州のシンクタンク、
ジオポリティカル・フューチャーズの分析
責任者であるジェイコブ・シャピロは本誌に
語った。
万一本当に封鎖すれば「大変なことになる」。
「アメリカによる制裁で原油輸出が不可能に
なり、これ以上失うものがなくなったイランが、
対米強硬姿勢を国内にアピールしようと封鎖
に踏み切れば、原油価格は短期的に跳ね
上がるだろう」
「だが高騰は一時的だろう。遅かれ早かれ、
ホルムズ海峡の封鎖は解除される。その間
にアメリカのシェール業者もロシアも原油を
増産する。封鎖がもたらす最も重要な結果は
皮肉にも、経済が低迷するロシアの懐に
キャッシュが転がりこむことかもしれない」
海峡封鎖は「外国勢による侵略」を招く恐れ
があるため、イランも継続は不可能だ、と
シャピロは指摘する。
米軍はおそらく、クウェート、サウジアラビア、
カタール、アラブ首長国連邦などのスンニ派
国家に代わってシーア派のイランに介入する。
そうなれば、イランはアメリカに太刀打ちでき
ない。それでも、革命防衛軍によるホルムズ
海峡での軍事演習は、米国防省の指導部を
警戒させるに十分だった。
米中央軍のジョセフ・ボーテル司令官は
8月8日に国防省で記者団に対し、イランの
軍事演習について次のように語った。
「アメリカへのメッセージは明確だ。制裁再開
を前に、(海峡封鎖を)実行する能力を誇示
する狙いがあった」。
イランは約100隻の艦船を演習に集結させて
いたが、従来のように嫌がらせをすることは
なかった。
「イランがある程度の戦力を持っているのは
間違いない。機雷や沿岸防衛用のミサイル、
赤外線レーダーなどだ。だがアメリカも相当の
戦力を持っている」、と彼は言った。
アメリカは(ホルムズ海峡の)航行の自由を
守るために友好国と協力し、イランに対して
必要に応じた対抗措置を取る、と強調した。
イランはアメリカに打ちのめされる可能性に
加え、国内でも不安要素を抱えている。
イランが中東で影響力を拡大できたのは、
イラクやシリアのシーア派を支援してスンニ派
反政府勢力を抑え込んだことと、国産の弾道
ミサイルを保有していることだ。
だが、それらに巨額の資金を注ぎ込んだせいで、
イラン経済は大打撃を受けた。
さらに核合意からの離脱、というトランプ政権の
決定を受けてイランの通貨リアルは暴落し、
イランの各都市で大規模デモが続発する異常
事態に発展した。
■イランとアメリカ、どちらが信用なくすか
ホルムズ海峡を封鎖すれば、イランの国際的
な信用にも傷つく。
今は味方の中国やイラク、インドも、原油輸入
を依存するホルムズ海峡を封鎖すれば、
イランに背を向けるかもしれない。
核合意から離脱したアメリカが国際社会で孤立
している滅多にない好機に、自らまた世界を敵
に回すことはしたくないだろう。
ほかの締結国である中国、フランス、ドイツ、
ロシア、イギリスの5カ国は、核合意の破棄を
訴えるトランプの主張を断固拒否している。
トランプは、核合意はイランのシーア派支援
を阻止することも、イランの核開発を永遠に
終わらせることもできない代物だ、と批判
してきた。
対するEUは8月7日、域内の企業がアメリカの
制裁に従うことを禁じる「ブロッキング規制」を
発動し、イラン撤退の動きに歯止めをかけよう
としている。
結果的にイランは強気の姿勢を崩しておらず、
ジャバド・ザリフ外相は8月8日、国営イラン・
イスラム共和国放送で「もう誰もアメリカを信じ
ない」と発言。
さらに、ロウハニが7月22日、アメリカのせいで
原油の輸出が不可能になれば、ホルムズ海峡
の封鎖も辞さないと示唆したのは「心理戦を
仕掛けてきたアメリカへの警告だった」と言った。
(翻訳:河原里香)
【転載終了】
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ホルムズ海峡の封鎖はかなり難しいと
思いますが、アメリカは中間選挙になると
何かしら仕掛けてきますよね。
万一、ホルムズ海峡封鎖になると、
日本への影響は大きいでしょうし、
米国への資金を含めた後方支援に
なるでしょう。
はた迷惑な国です。
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