長期金利の引き上げが止まらない!

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【転載開始】


■長期金利の引き上げが止まらない!

 企業4割「事業に大きくマイナス」の悲痛、

 いずれ住宅ローンにも

 公開日:2023/10/06 

黒田東彦・前日銀総裁時代の1000兆円を

超える国債残高が・・・(C)日刊ゲンダイ


 2022年12月20日、日銀が長期金利の上限

を0.25%から0.5%に引き上げたことで、

各業界に金利の先行きに不安が広がっている。

しかし金利上昇はこの先も止まらない。

経済評論家で日本個人投資家協会専務理事の

木村喜由氏が言う。


 「日銀は10月末の金融政策決定会合で長期

金利の上限を1.5%に引き上げることは確実で

す」


■今後も金利上昇は避けられない


 その理由を同氏は、黒田東彦・前日銀総裁

時代の1000兆円を超える国債残高にあると

して、こう続ける。


 「これまで金利上昇を抑えるために国債を

買い続けてきた結果です。しかし、これ以上

の国債買い付けを避けるためには上昇金利の

引き上げをせざるを得ない。今後も金利上昇

は避けられない状況になっているんです」


 ゼロ金利政策により続けられてきた金融緩

和が、いよいよ転換期を迎えたということだ

ろう。

金利の上昇という日銀の金融政策の修正は

各企業にどんな影響を与えるのか。

調査会社の帝国データバンク、

東京商工リサーチは、日銀が昨年末に長期

金利の引き上げを決定した後、企業への

影響についてアンケートを実施している。


 帝国データバンクの調査では、4割の

企業が「事業にマイナスの影響が大きい」

と答え、金利上昇で見込まれる具体的な影響

について「借入金の支払利息が増える」が

約6割に、「利息が高くなり資金調達しづら

くなる」が3割を超えているのだ。


 「マイナスの影響が大きい」のは全ての

企業規模の中で特に大企業が44.4%と高く、

業界別では「不動産」が54.8%と突出。

「金利上昇による住宅ローンの返済負担増

で家計の購買意欲の低下が懸念される」と

する声が多くを占めている。


 「製造」も44.7%と高く、「原材料逼迫

に伴い長納期での先行手配が必要で、借入

金で賄っているため利息が増える」

「取引先には支払い条件の変更や利息の

転嫁などには応じてもらえない」など借入

金の支払利息の増加を懸念する声が多数

上がっている。


■住宅ローンへの影響は間違いない


 東京商工リサーチの「金融政策に関する

アンケート」調査(4139社の集計)では、

日銀の金融政策修正後、金融機関から

「金利引き上げをはっきり伝えられた」

「──の可能性を示唆された」企業は合わ

せて18.5%に達している。

そして「資金調達の借入金利の今後」に

ついての調査では、「今年(23年)中に

上昇する」(55.5%)、「来年以降、上昇

する」(23.4%)と、合計で78.9%が今後

の上昇を予想しているのである。


 同社情報本部・松岡政敏課長が言う。

「金融機関は経営の厳しい企業にはすでに

貸出枠を絞り、条件審査を厳しくしていく。

さらに、コロナ禍で緩やかだった貸し出し

も見直しているという声が多く聞こえてき

ています」


 9月29日の東京債券市場では長期金利の

指標となる新発10年物国債の利回りが一時

0.77%まで上昇した。

今後の金利の引き上げは、いずれ住宅ローン

にも影響してくることは間違いない。

また、借入金の調達コスト上昇は、経済活性

化、賃上げ原資の確保にも大きく影響して

くることになる。

(ジャーナリスト・木野活明)


【転載終了】

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 「アベノミクス」の後遺症はいつまで

つづくのでしょうか。


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