平成最後の自民党総裁選。
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【転載開始】
平成最後の自民党総裁選。
器が小さくなる自民党の「終わりの始まり」
■中選挙区を知る石破と知らぬ安部
立候補に必要とされる20名の推薦人が
集まらなかったことで野田聖子氏が
自民党総裁選挙への出馬を断念した。
これで今回の総裁選は文字通り、
安倍晋三と石破茂の一騎打ちになる。
6年前の総裁選決戦投票と同じ顔ぶれ
であり、新味に欠けるという指摘もあろう。
しかし2人を並べてみると、その違いは
鮮明であり、なかなか興味深い。
石破茂の初当選は、1986年(昭和61年)7月
の第38回衆議院議員総選挙だった。
衆参同日選挙だったこともあり、この選挙で
自民党は308議席獲得の大躍進。
しかし自民党圧勝のこの選挙で石破茂は、
当時の鳥取全県区で次点候補とわずか
4000票差という僅差で辛うじて当選している。
石破の父が長く鳥取県知事を務めていたにも
かかわらずこの結果。
世襲の恩恵など石破にはなかったに等しい。
いやむしろ石破はその政治家デビューの時点
から、中選挙区制度時代特有の
「自民党議員としての苦労」を嘗め尽くしたのだ。
一方の安倍晋三。
年齢は石破より三つ上だが初当選は二期遅い
’93年(平成5年)の第40回衆議院議員総選挙
だった。
この選挙での自民党は、東京佐川事件など
相次ぐスキャンダルで大敗を喫し、
初めての野党転落を経験する。
しかし安倍晋三は、直前に死んだ父から地盤
をそのまま引き継ぎ、初出馬ながら楽々トップ
当選。
この選挙が中選挙区制度最後の選挙なわけで、
安倍は中選挙区制度ならではの
「自民党議員の苦労」を知らずにキャリアを
積んだことになる。
中選挙区時代の選挙のつらさや悲しさを
知悉(ちしつ)した人間が自民党の総裁選に
挑むのは、おそらくこれが最後になるだろう。
安倍や石破の次の世代といえば小選挙区
しか経験のない議員ばかりだ。
みな、党のブランド力で当選した連中ばかりで、
真に地元に根付いた選挙活動を経験したことが
ない。
そう考えると、平成最後の年に行われる今回
の自民党総裁選挙は「総裁選らしい総裁選」と
して最後のものになるのではないかという気が
してくる。
次回以降の総裁選は、きっと小粒ばかりの味気
のないものになるに違いない。
しかし安倍晋三はこの「最後の総裁選」から
逃げ回っているように見える。
総裁選の最中に不要不急の外遊を急遽入れ
たり、公開討論会を制限したりと、石破との
直接対決を避けることに余念がない。
国会議員票の傾向からいえば「安倍圧勝」と
いう予測が立つのだろう。
そしてその予想は間違いがないのだろう。
だが、事実上、平成最後の我が国の宰相を選ぶ
選挙にもかかわらず、既に「小粒」感が漂って
いるのはいただけない。
おそらくこの総裁選は、誰が勝とうが負けようが、
どんどん器が小さくなっていく自民党の終わりの
始まりを告げる選挙になるに違いない。
【転載終了】
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自民党の議員は世襲が多いので、
カバン・看板・地盤があるので、あまり苦労は
してないですね。
野党は世襲の方もいますが、自民党議員
のような閣僚経験者などの世襲ではないので、
楽ではないですね。
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