自民党総裁選・・・満面の笑みの石破氏、顔面蒼白の甘利氏。
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【転載開始】
■自民党総裁選、満面の笑みの石破氏、
顔面蒼白の甘利氏、無表情の進次郎氏
茶番劇に終わるはずが大どんでん
返しとでもいうべきことか。
安倍晋三・総裁が9月20日に三選を
果たした自民党・総裁選のことである。
安倍晋三・総裁が任期2期6年という
自民党総裁の任期を3期に延長させ、
3選を目指したこの闘いは、現職に
石破茂・元幹事長がひとり挑むと
いう 構図になり、投開票日のはるか
以前 から結果は決まっていた。
通常国会が閉会して総裁選モード
が始まると、安倍氏を石破派以外の
派閥が続々と支持を表明。
竹下派だけが参院議員は石破支持
にまわり、派としては自主投票と
なった ものの、竹下派衆院議員の
大多数は 安倍再選支持に回った。
安倍氏が総裁選出馬宣言をして
から 行われた総決起集会には85%
の国会 議員(代理出席を含む)が
参加した。
「石破氏が次の総裁選に出られない
くらいに徹底的に惨敗させる」
安倍氏がそのような思いを秘めて
いることを何人もの側近が口にした。
再選でなく、石破氏の政治生命を絶た
せるほどの圧倒的勝利が安倍陣営の
目標だった。
そして20日、国会議員による一時間
近くの投票が済んで、20分ほどの集計
が終わり、総裁選の選挙管理委員会
結果が結果を発表した。
すると記者から、かすかなどよめきが
起きた。
議員票は安倍氏329票、石破氏73票
(無効3票)と大差がついたが、
党員・党友票の得票数に応じてドント
方式で比例配分される地方票は安倍 氏
224票、石破氏181票と僅差。
パーセンテージにすると党員・党友票
は55%:45%だ。
合計で安倍氏553票、 石破氏254票と首相
のダブルスコアを 超える圧勝だったが、
その場にいた議員・記者は誰もが思った
であろう。
「石破氏は想像以上に大善戦した」と。
想定外と思った人もいよう。
私の取材席の隣の隣には、 偶然にも
小泉進次郎・衆院議員が座って いた。
結果が出て思わず、私は
「進次郎さん、石破さんが大健闘ですが
どう思いますか?」と声をかけた。
彼は一瞥だにせず表情を変えず黙った まま
だった。
投票日当日になって石破支持を表明 して
1票を投じた進次郎氏は、結果を 見て何を
思っていたのだろうか。
■顔面蒼白だった安倍選対の責任者・
甘利氏、満面の笑みの石破氏
総裁選は石破茂・元防衛相が 8月10日に
出馬会見を開いて始まった。
私はその日以来、できうる限り、石破氏
に番記者のごとく張り付くようになった。
自民党では異例なことでフリー記者 にも
会見は開放し、告示日まで一時間 を超える
会見をテーマごとに6回もやった。
石破茂氏は総裁選特設サイトで
「47都道府県のみなさまへ」という動画も
公開し、話題になった。
石破氏が47都道府県についてそれぞれ
5~8分、原稿も読まず、自身の体験した
エピソードや思い入りを織り交ぜ語る
もので、計47本の動画が公開された。
選対スタッフは準備も入れて製作に
30時間を要したと語った。
ラサール石井さんが絶賛するなど、
各方面で話題になった。
石破派議員は「こちらには組織も議員
もいない。地道に有権者に訴えていく
しかない」と戦略を語ったものだった。
石破陣営は主に党員・党友票を狙い、
「20%台だったら次はない。30%だったら、
まあまあ。40%を超えたら実質勝利だ」
(石破派幹部)というように、40%の得票
を目指していたのだ。
はじめは手応えが感じられなかったが、
投票日が近づくにつれ、支持率が伸び ていき、
演説会場にも聴衆が増えていき、 陣営は
手応えを感じているようだった。
そして、蓋を開けたら45%の得票という、
想像以上の結果。
さらに、19日までに石破支持を表明した
議員は50名弱。 議員票73票という結果は、
20名近く “隠れ石破系”がいることを示した。
広報を担当した平将明・衆院議員は
会場を出るときに満面の笑みを浮かべ
ていた。
それは石破茂氏も同様だった。
記者のぶら下がり取材を受けた石破氏
は終始、笑顔を浮かべ、結果について
「未来永劫、続く政権はない。今回の
ありがたい結果に満足することなく、
改めるべき点は改め、国民の思いに
反することがないようさらに努めて
いき たい」と語った。
総裁選後に集まった石破系グループ の
会合は祝勝ムードが漂っていたという。
一方、3選を果たした安倍晋三・総裁
も支持議員を集めて会合を持ったが、
司令塔だった甘利明・選対事務総長 は
顔面蒼白。
石破氏が安倍氏より票 を上回った県選出
の議員は苦虫を噛み 潰したような表情
だったという。
安倍氏は笑みを浮かべていたが、
陣営は沈痛な面持ちだった。
全国紙記者は語る。
「石破氏の政治生命を絶つどころか、
自民党員・党友からすら、安倍さんへ
の不信が強く、さして支持されていない
ことが明らかになってしまった。全面的
に信任を得られたとはとうてい言い難く、
安倍一強の脆さが露呈してしまった。
陣営が諸手を挙げて喜べないのは当然
ですよ。10月1日にも内閣改造・党役員
人事刷新が行われる予定ですが、安倍さん
の選対内では猟官合戦が激しかった です
から、求心力を取り戻せるか。人事 に
よって躓いてしまう可能性もあります」
■「野党は攻勢のチャンス」と山本太郎
安倍総裁のなんともビミョーな3選を
受けて、野党は攻勢をかけ始めた。
まず、参議院で安倍首相に暴力団 との
関与について質した山本太郎 「自由党」
代表が18時40分から、 緊急街頭演説を
行った。
その山本氏に総裁選の結果について
見解を聞いた。
「国民のみならず、自民党員からすら、
安倍総理が支持されていないことが わかっ
た。野党の攻勢によってレーム ダック化して
いくこともありうる。今回、 出馬した安倍
さんも石破さんも緊縮 財政・増税路線です。
これは野党に とってチャンスです。 野党が
金融緩和で刷ったお金で財政 出動し、貧困
層や子育て世代、高齢者 など、アベノミクス
の恩恵にあずかって いない層を財政的に
支援していく経済 政策の対案を出せば、国民
から支持 される。 デフレ脱却給付金として
貧しい層に 給付するのも一つの案です。
そして、 消費税増税凍結でなく、むしろ、
5%に 戻せと主張すれば、明確な対立軸になる。
どちらが庶民の側を向いているか、 明らかに
なるでしょう」
内閣改造が終われば臨時国会が 開かれ、
来年1月からは通常国会で、 激しい与野党
の論戦が期待される。
今回の総裁選によって、はたして
安倍政権の落日になるのか、陽は また
昇るのか。要注目だ。
<文・写真/及川健二 (日仏共同テレビ局
France10日本支局長)>
【転載終了】
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石破氏の次回への目は残りましたね。
また、野党にとっても、安倍氏の方が
攻める材料があります。
党員の半数が安倍政権を支持して いない
となると、来年の統一地方選と 参議院選は
野党有利となりそうですね。
そうなると、安倍退陣が早まることに なる
かも?
やはり、3期などやらなかったほうが
良かったのです。
晩節を汚す人は、「引き際の見極め」 が
できていない視野の狭い人のような 気がします。
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