アメリカの支配力低下によって・・・
桜井ジャーナル
【転載開始】
■アメリカの支配力低下によってアメリカや
サウジアラビアで権力抗争が激化
サウジアラビアが揺れている。
ドナルド・トランプ米大統領が
サウジアラビア王制の脆弱さを
口にしたのは今年(2018年)
10月2日。
アメリカ軍の支えがなければ
2週間しか体制は維持できない
と指摘したのだ。
この段階でアメリカとサウジアラビア
との間に隙間風が吹きはじめている。
その10月2日、サルマン皇太子の
人脈と対立関係にあるジャマル・
カショーギがトルコのイスタンブール
にあるサウジアラビア領事館へ入った
まま行方不明になった。
その日に殺された可能性が高いと見ら
れている。
この事件を明らかにしたのはトルコ政府
だ。
モハマド・ビン・サルマン皇太子は
トランプやイスラエルのベンヤミン・
ネタニヤフ首相と近いのだが、
アメリカとの関係がギクシャクし始めて
いたことも確か。
2017年10月にサウジアラビアの
サルマン国王がロシアを訪問、
防空システムのS-400購入で合意
するなど関係を強めようとしている。
その一方でアメリカの防空システム
THAAD(終末高高度地域防衛)
システムの導入に関しては動きが
鈍かった。
サウジアラビアはアメリカの支配
システムを支える重要な柱のひとつ
である。
リチャード・ニクソン大統領は
1971年8月にドルと金との交換
停止を発表、ブレトン・ウッズ体制
は崩壊し、世界の主要国は 1973年
から変動相場制へ移行していく。
この新しいシステムの中でドルを支える
仕組みのひとつがペトロダラー。
石油取引の決済をドルに限定し、産油国
へ集ったドルをアメリカへ還流させると
いう仕組みだ。
その中心にはサウジアラビアが存在して
いる。
集まったドルを産油国は財務省証券や
高額兵器の購入といった形でアメリカへ
還流させる。
日本の場合はドルと工業製品を交換、
ドルは同じようにアメリカへ還流させ
ている。
日本の巨大企業は受け取ったドルを
資産として手元に置き、政府は還流
させるドルを集めるために庶民の富を
使う。
つまり、アメリカとの貿易で日本の
大企業が儲かるほど日本の庶民は
貧困化していく。
その一方、アメリカ支配層を助ける仕組み
を維持する代償として、産油国や日本の
エリートたちは地位と収入を保証される。
権力基盤の弱い独裁者をアメリカ支配層
は望んでいる。
サウジアラビアも日本も支配層の権力基盤
は弱く、アメリカ支配層なしに地位を維持
できない。
「2週間しか体制は維持できない」という
トランプの発言はこうした状況を指摘して
いる。
日本でもアメリカ支配層の権益、戦略に
逆らった「実力者」は排除されてきた。
21世紀にはいってウラジミル・
プーチンはロシアを再独立させたが、
当初は容易に再属国化できると アメリカ
支配層は考えていた。
例えば、アメリカ支配層の機関誌的な存在
であるフォーリン・アフェアーズ 誌の
2006年3/4月号に掲載された
キール・リーバーとダリル・プレスの論文
では、アメリカ軍の先制第1撃でロシアと
中国の長距離核兵器を破壊できるように
なる日は近いと主張されている。
つまり、アメリカはロシアと中国との
核戦争で一方的に勝てると見通している。
ボリス・エリツィン時代に破壊された
ロシアの経済や軍事力はプーチン 政権に
なっても回復していないと見ていたのだ。
そして2008年8月7日、ジョージア
のミヘイル・サーカシビリ大統領は
分離独立派に対して対話を訴えてから
8時間後に南オセチアを奇襲攻撃した。
ジョージアは2001年以降、イスラエル
の軍事会社 (つまりイスラエル政府)から
無人 飛行機、暗視装置、対航空機装置、
砲弾、ロケット、電子システムなど を含む
武器/兵器を提供され、将兵は軍事訓練を
受けていた。
このサーカシビリ政権の閣僚には流暢な
ヘブライ語を話せるふたりの人物が含まれ
ている。
ひとりは国防大臣のダビト・ ケゼラシビリ
であり、もうひとりは 南オセチア問題で
交渉を担当して いるテムル・ヤコバシビリ
だ。
ケゼラシビリはイスラエルの市民権を持って
いたことがあるという。
それだけでなく、2008年1月から4月
にかけて、アメリカの傭兵会社 MPRIと
アメリカン・システムズが元特殊部隊員を
派遣、同年7月10日 にはコンドリーサ・
ライス国務長官が ジョージアを訪問して
いる。
つまり、2008年の奇襲攻撃は
イスラエルとアメリカの支配層が準備万端
整えて実行されたのだ。
この奇襲攻撃はロシア軍の反撃でジョージア軍
が惨敗しているが、イスラエル軍とアメリカ軍
が ロシア軍て通常兵器で衝突した場合の結果を
暗示している。
その奇襲攻撃の翌月、アメリカの 大手投資
会社リーマン・ブラザーズ・ ホールディングズ
が連邦倒産法の適用を申請した。
当時、アメリカの金融システムは破綻状態だった
が、この投資会社 の倒産を利用して超法規的な
救済を実行した。
その尻拭いを強いられたのは西側の庶民だ。
大きすぎて潰せない、大きすぎて罪に問え
ないということで、 資本主義国は無法時代に
入った。
おそらく、こうした危機を軍事侵略で切り
抜けようとしたのだろうが、その目論見は
ロシアによって潰さ れる。
そのロシアに対する攻撃の一環として
バラク・オバマ政権はウクライナ のネオ・ナチ
を利用して2014年 2月にキエフでクーデター
を成功させるが、クリミアやドンバスの 制圧
には失敗する。
こうした様子を見ていた中国はこの年から
アメリカから離反、 ロシアと戦略的な同盟関係
に入る。
アメリカ支配層が中東でダーイッシュ
(イスラム国、IS、ISIS、ISILとも
表記) を売り出したのは2014年の前半。
この年の夏から石油相場が暴落しているが、
これはアメリカ政府が サウジアラビアの協力を
受けて 実行したと言われている。
WTIの場合、2014年6月には1バーレル
あたり100ドルを超して いたが、2009年
1月には30ドル台 まで下がっている。
この相場下落でロシア経済を揺さぶろうと
したのだろうが、ロシアよりもサウジアラビア、
アメリカ、 イギリスの方が大きなダメージを
受けた。
2014年に390億ドルの財政赤字が 生じ、
15年には980億ドルへ膨らん だと言われ
ている。
伝えられるところによると、サウジアラビア
政府から巨大建設企業 へ支払われるべきものが
支払われず、 兵士や労働者の中には賃金を受け
取れない人も出たという。
兵士はインド、パキスタン、スリランカの出身者
が多く、労働者の大半も出稼ぎだ。
サウジアラビアはイエメンに対する直接的な軍事
介入を始めたのは 2015年3月のことだった。
イエメンへの軍事侵略はイエメンに破壊と殺戮を
もたらしたが、戦争の泥沼化でサウジアラビアも
苦しむ ことになる。
アメリカ支配層に従属することでサウジアラビア
の支配層は地位と富を保証されてきたのだが、
アメリカの戦略によって、サウジアラビアの 支配
システムを揺るがす事態になっている。
しかもアメリカ支配層の内部で対立が激化、
それはサウジアラビアや イスラエルにおける権力
抗争とも 連動している。
アメリカを中心とする支配システムが 不安定化、
通常では外に漏れてこない支配システムの暗部の
一端が明るみに出始めた。
おそらく、韓国はアメリカを中心とする支配
システムに見切りをつけたが、日本はあくまでも
アメリカに従うつもりのようだ。
【転載終了】
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>日本の巨大企業は受け取ったドル
を資産として手元に置き、
政府は還流させるドルを集めるため
に庶民の富を使う。
つまり、アメリカとの貿易で日本の
大企業が儲かるほど日本の庶民は
貧困化していく。
その一方、アメリカ支配層を助ける
仕組みを維持する代償として、
産油国や日本のエリートたちは
地位と収入を保証される。
特に、 “政府は還流させるドルを集める
ために庶民の富を使う。” という部分に
注目してほしいのですが、
これは、「特会(特別会計)」と言われる
一般会計以外の特別な予算です。
予算としては、一般会計の4倍の400兆円
を集めています。
この予算から、上記の米国への還流と官僚の
天下り先に流されていると言われています。
これが、米国が日本の官僚は優秀
という理由です。
要するに、国民にために予算の使えば、
国民はもっと余裕のある暮らしができます。
旧民主党政権が倒されたのは、
この特会を国民のために使おうとしたからです。
国民は自ら最後のチャンスをつぶしたこと
になります。
米国が、
「日本の総理大臣はバカにしか やらせない」と
いった意味が分かると思い ます。
やはり、「無知は、罪」だと思います。
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