安倍政権“運用益44兆円”の危うさ ・・・
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■安倍政権“運用益44兆円”の危うさ
年金原資で株ギャンブル
公開日:2019/07/01
「民主党政権時代の10倍だ」
――。
最近、安倍首相は、年金積立金の
運用益「44兆円」をやたらに
強調する。
この数字には、政権移行期の
12年10~12月期の運用益
5兆円も含まれ、安倍政権だった
のは数日だけ。
5兆円を民主党政権時代に
カウントすれば10倍ではなく
4倍になる。
いつもの姑息な誇張には呆れる
しかないが、
年金の運用益にはもっと深刻な
問題がある。
安倍首相が必要以上に運用益
をアピールするのは、金融庁の
報告書を機に国民に広がる年金
への将来不安を打ち消すため
だろう。
しかし、リスクの高い株式投資
の運用益を示されても、とても
安心できない。
実際、累積の運用益57兆円
(昨年12月末時点)が、
あっという間に消える恐れが
あるのだ。
年金積立金151兆円を運用
するGPIFは2014年10月、
国内株と外国株の比率をそれぞれ
12%から25%に引き上げ、
全体の50%にし、株価を下支え
してきた。
「安倍政権発足時の株価は1万
2000円台でした。GPIFに
加え、日銀が年6兆円のETFに
よる株の爆買いをした結果、株価
は右肩上がりで伸びました。安値
で取得した株がどんどん上昇し、
大きな運用益を得られたのです。
ところが、現在は2万円台で頭打ち。
運用益を出しにくくなっています。
そのことを察知した外国人投資家
は日本の株式市場から手を引き始め
ています」
(金融ジャーナリスト・森岡英樹氏)
■世界の流れは「安全資産」
東京証券取引所によると、
昨年度、外国人投資家は日本株を
5兆6913億円売り越した。
過去2番目の規模だ。
また、外国人投資家の昨年度末の
日本株保有比率は29.1%と
前年度から1.2ポイント低下。
安倍政権が発足した12年度末
(28%)以来の低い水準だ。
外国人投資家は、官製相場による
株価かさ上げの限界を見抜いて
いるのである。
「こうした変化を受け、GPIF
も株式の運用割合を減らすべきです。
世界情勢の懸念から、世界的には
リスクの高い株から安全資産への
流れがあります。もし、GPIFが
同じ割合で株式運用を続ければ、
57兆円の運用益などすぐに吹っ飛び
かねない。年金の支給にも大きな影響
が出ます」 (森岡英樹氏)
日銀は、18年度の株の評価益を
1兆2000億円も失った。
GPIFは、昨年10~12月期で
14兆8039億円もの運用損を
出した。年末の株安のせいだという。
年金積立金を原資にした株ギャンブル
をやめさせないと「100年安心」
どころか、明日が不安だ。
【転載終了】
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前にも書きましたが「100年安心」
というのはシステムは残るが、年金が
保障されるわけではないですよね。
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