消費税日欧比較に見る日本の歪さ・・・
HARBOR BUSINESS
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【転載開始】
高税率なノルウェー人女性も憤慨。
消費税日欧比較に見る日本の歪さ
2019.10.09
■悲鳴が続出の消費税増税
軽減税率については
「イートイン脱税」や「正義マン」と
いった言葉がワイドショーやSNSを
騒がせているのはご存知の通り。
複雑かつ穴だらけの仕組みなだけに
混乱が起きることが予想されていたが、
案の定といったところだ。
そして、増税そのものに関しても
事業者からは苦しい声があがっている。
都内のとあるバー経営者はその胸中を
こう打ち明ける。
「うちも不本意ですが、メニューの
値上げをしました。たかが100円ですが、
もともと価格を抑えていたので、 印象と
してはかなりの値上げになって しまう。
そういう感覚も増税を決める側にはない
んでしょうけど。メニュー のレイアウト
も変えるのにもお金と時間がかかりまし
たし、正直今後が不安 です。インバウンド
のお客さんは相変わらず来ますけど、
前回の増税でも常連客の来るペースが
だいぶ鈍りましたから」
こうした小規模なお店でも客足が遠の
かないよう、経済産業省は5%還元され
るキャッシュレス決済の導入を推し進め
ているが、こちらも現場の声を聞くと
政府の思惑とは大きな開きがあった。
老舗大衆居酒屋の店主は呆れ顔で話す。
「ようやくキャッシュレスを導入しま
したが、狭い店なのにバカでかいポスター
やチラシ、シールが何枚も送られてくる。
おまけにそれが一度じゃなくて、先日も
また送られてきた。完全に税金の無駄遣い
ですよ。キャッシュレスで還元されるお店
が表示されるアプリもめちゃくちゃ。お店
が2箇所になっていたり、微妙に地図上で
の位置がズレていたり、やっていることが
雑すぎますよ」
また、増税前の駆け込み需要も期待
されたほどの効果はあがらなかったが、
そんな状況に安倍首相は自らの発言が
「消費者の不安を取り除いた」からだと
主張している。
当然、こうした安倍首相の妄言にはネット
上でも「そもそも消費できる余力がもはや
庶民にないからだ」と冷めた意見が飛び
交っている。
■「海外は消費税はもっと高い」のホント
のところ
さて、ブーイングが噴出している消費税
増税だが、一部には擁護する声も出ている。
その根拠になっているのが、
「海外では消費税はもっと高い」というも
のだ。
たしかに、欧州各国の消費税
(付加価値税率)を見てみると、20%以上
のところも珍しくない。
(参照:財務省公式HP)
ハンガリー 27%
デンマーク 25%
スウェーデン 25%
ノルウェー 25%
アイスランド 24%
フィンランド 24%
ポーランド 23%
アイルランド 23%
ベルギー 21%
イギリス 20%
フランス 20%
オーストリア 20%
EU圏内では一番低いルクセンブルグでも
17%と、日本よりは圧倒的に消費税が高い
ことがわかる。
ちなみに同じアジアでは台湾やベトナムが
5%と日本よりは低いものの、中国は13%、
お隣韓国は10%と、日本の消費税が特別
高いわけではないことがわかる。
■食料品や公共サービスは日本よりも安い
こう聞いて「世界的に見れば、日本の
消費税は高くない。だから我慢しよう…」
と思った読者の方はよく飼い慣らされた
「愛国者」かもしれない。
しかし、そう考える前に、その消費税率
の中身をよく見てほしい。
日本では軽減税率は8%。
しかも適用されるのは酒類・外食を除いた
飲食料品、定期購読の新聞だけだ。
ところが標準税率20%のイギリスを例に
見てみると、食料品や水道水、医薬品は
ゼロ税率。
さらに家庭用燃料や電力も5%となって
いる。
同じく標準税率20%のフランスでも旅客
輸送や宿泊施設の利用、外食サービスなど
は10%、食料品や水道水、スポーツ観戦
や映画は5.5%、医薬品は2.1%となっている。
標準税率25%と高い部類に入る
スウェーデンでも医薬品などにはゼロ税率
が適用されており、食料品や外食サービス
は12%と格段に下がる。
また、旅客輸送や、雑誌、書籍、スポーツ 観戦
などは6%になっている。
食料品や医薬品といって生活必需品だけ
でなく、日本では「贅沢だ」と叩かれそう
な映画やスポーツ観戦でも税率は低く設定
されている。
つまり、ざっくり言ってしまえば、税率が
高くとも、「健康で文化的な生活」を営む
ことに困らないだけの仕組みになっている
わけだ。
こうした消費税とその中身の違いについ
て、税率23%のポーランドに暮らす邦人
男性はこう語る。
「外食すると日本と値段は大して変わりま
せんが、スーパーなどで買い物をすると
圧倒的に安い。家賃も都市部は高いですけ
ど、ちょっと郊外に行けばグッと安くなり
ます。消費税は高いですけど、それで普段
の生活で不自由を感じることはありません。
何か贅沢をすれば当然お金はかかりますが、
そうでなければ23%もあるんだと気づかない
レベルだと思います。僕もあとからそんな
にあったんだと知って驚いたぐらいです」
■日本は金持ちに甘すぎる
また、その使用用途についても、日本
とは同じ消費税でも意味合いが異なって
くる。
25%と世界的に見ても税率が高額な
ノルウェーの女性は、
「日本の消費税はおかしい」と声を荒げる。
「消費税はお金のない子どもや貧困層
と、大金持ちが同じ金額を払うわけだか
ら、そこを上げるべきじゃないと思いま
す。北欧ではどこも税金が高いですけど、
その代わり福祉がしっかりしていて、
困ったときにはちゃんと助けが受けられ
る。日本では餓死する人まで出ています
けど、税金を払ってるから安心だと思え
ますか? ノルウェーでは富裕層には
かなりの税金がかけられますが、それ
でも彼らはリッチな暮らしができるほど
儲かっている。なんで、日本はそんなに
金持ちに甘いのか謎ですね」
日本の消費税はなんとも不可解なもの
として映っているようだ。
兎にも角にも上がってしまった消費税。
これで2%分の安心を本当に得られるのか?
我々が日々の暮らしで払っている税金
が自然に消えてしまうことはない。
いったい、どこに向かっているのか、
その流れを注視する必要がある。
<取材・文/林 泰人>
【転載終了】
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この記事は、消費税だけで比較して
いますが、日本はその他にかけられて
いる税金が世界でも一位に二位を争う
ほどの重税国家です。
北欧は教育費や医療費が無料のところ
もあり、老後の生活不安もないのです。
日本は消費税に至っては73%が法人
税減税や高額所得者の所得税減税の穴
埋めに使われているとのデータもある
ようです。
ニューヨークタイムズが、
「日本国民はお人好し」という記事を
書いたのはこのような事案を当事国の
日本より海外の方が知っているから
です。
(お人好しは外交上の言い回しであり、
意訳すると外交問題に発展するから)
例えば、電力会社の総括原価方式は
海外も知っていて、産油国は日本に
2割ほど高い原油価格を設定して売却
しています。
原油価格が上がるたびに電気料金が
上がるのは、その度値上がりした原油
価格を電気料金に上乗せしているから
です。
この記事を読めば、如何に北欧の
官僚が優秀で、日本の官僚が無能か
分かると思います。
官僚養成学校の東大が国際社会で
「日本の平壌大学」と揶揄されるの
は、日本の官僚は日本国内でしか通用
しないという意味です。
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