「日本の民主主義が壊されていく危機感」!
毎日新聞
【転載開始】
かつての自民プリンス・中村喜四郎氏
なぜ野党連携に奔走するのか?
2019年12月19日
■「日本の民主主義が壊されていく危機感」
――長らく自民党系無所属の立場だった
が、野党会派に昨年転じ、今年1月には
立憲民主党会派に入った。
どのような理由 からか。
◆日本の民主主義が壊されていく、との
危機感を持ったことが大きい。
背景には(1996年衆院選から導入された)
小選挙区制がある。
議員と有権者のつながりが弱くなり、国民
軽視の政治になった。
権力が政権幹部に集中し、一人一人の議員
の立場も弱くなった。
「物言えば唇寒し」となり、各議員の言動
も弾圧されていく。
その結果、安倍政権では非自由主義的な
物事の決め方が増えた。
アベノミクスの政策は、働き方改革、
1億総活躍、子育て支援と政策評価をしない
ままに目先が変わった。
「選挙権威主義」により、選挙に勝てば
「国民の合意を得た」と政策を転換すること
が続いており、議会軽視と言える。
昔の自民党は徹底的に議論したうえで自浄
能力を働かせてきたが、今はそれが失われた。
野党があと50の小選挙区で勝てば「保革伯仲」
となり、自民党は変わらざるを得ない。
それが民主主義を守ることにつながる。
自民党入りする野党議員が多い中、1人ぐら
い野党に行く変わり種がいたほうが、バランス
がとれる。
――選挙制度は、かつての中選挙区制が望ま
しいのか。
◆今後の議論次第だが、一つ言えるのは、
小選挙区制になって投票率が下がったという
ことだ。
国民が投票に参加しない制度は直さ ないと
いけない。
中選挙区時代は、自民党候補が1選挙区
に数立ち、「国民の思いの核心に近づく議論
をしないと生き残れない。国民目線の政治を
やろう」と考えた。
自民党議員の幅も保守からリベラルまで広が
り、国民の期待をつないだ。
ところが小選挙 区制では、自民党はトップ
の安倍晋三首相の 影響を受けざるを得ない。
極めて保守色が強く、権威主義的な政党に
なっている。
野党が力をつけ、権力の乱用をさせない
リベラルの旗を立てることが大切だ。
■「私にとって大切なのは『日本再建』」
――2大政党制を目指すのか。
◆私にとって大切なのは「日本再建」だ。
次回衆院選で保革伯仲を作り、自民党が緊張
を取り戻すならそれでいい。
目覚めなければ、野党の力をより高めていく。
私は権力の危うさを過去の経験から知った。
政治の一翼を担える機会ができたら、
「国民目線で民主主義を貫く政党政治をした
い」と考えていた。
20年間の雌伏の時間が私を育ててくれた。
その間を支えてくれた有権者には心から感謝
している。
――いまや野党連携のキーパーソンと言われ
ている。どうすれば「保革伯仲」が実現するか。
◆政治とはみんなが主役だから、「キーパー ソン」
という意味は分からない。
私は功名心や野心でやっているわけではない。
野党は選挙をしっかり戦うことが大事だ。
11月の高知県知事選では共産党系候補を各党
が支援した。
立憲民主党の枝野幸男代表、国民民主党の
玉木雄一郎代表も応援に入り、共産党を含め
た「オール野党」の態勢が生まれた。
結果は6万票差で自民、公明両党が推薦する
候補に敗れたが、「オール野党」の結成という
「実」はとったと思っている。
逃げない選挙をすれば、野党の足腰も強くなる。
来年夏の東京都知事選は衆院選と同等の大きな
選挙だ。
旧民進党を分裂させた小池百合子知事と戦う
ことが、本当の意味で立憲と国民のわだかま
りを解消する。
■「まずは『オール野党』を育てる役割を
担いたい」
――立憲と国民は合流に向けて協議入りして
いる。どうサポートするか。
◆立憲などの統一会派は臨時国会で成功を
収めた。
だからといって、一気に一つの党にするのが
いいかは別だ。
立憲と国民に温度差があるの は認識している。
少し時間をかけて、一体感を醸成することも
必要ではないか。
慎重にやらなければならない。
高知県知事選で培った「オール野党」が、
野党間に(亀裂が生じても、それを広げさせ
ない)セーフティーネットになると考えて
いる。
私は大多数がまとまるタイミングで入党する
つもりだが、まずは「オール野党」を育てる
役割を担いたい。
――野党共闘には「野合」批判がつきまとう。
どんな政策を掲げるべきか。
◆自民、公明両党も憲法観や安全保障政策は
違うのに連立政権を組んでいる。
「野合」はためにする議論だ。
野党は、まず外交、防衛政策に明るくなること
が必要だ。
国会議員がすべき王道だからだ。
今の日米安保体制が日本の平和を今後も不動
のものにできるか。
北方領土問題はどうすべきか。
そして内政は 放漫財政の自民党に対し、野党は
財政再建を訴えることだ。
憲法は温度差があるが、保革伯仲の政治状況を
作れた段階で、野党間で問題整理をすればいい。
私は10年がかりで、政権を取ればいいと考えて
いる。
次期衆院選で保革伯仲を実現し、その次の
ステップ、2段階目で政権を目指すべきだ。
【転載終了】
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今の自民党の中で政治をやろうと
いう議員は何人いるのでしょうか?
いれば、このような安倍独裁政治
にはなっていなかったでしょうね。
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