安倍1強を突き刺す「世論のNO!」
サンデー毎日
【転載開始】
■安倍1強を突き刺す「世論のNO!」
通信社調査で相次ぐ「支持率大幅減」
2020年5、12日号
安倍1強を世論はいよいよ見放そ
うとしているのか。
臨時国会の終了後に通信各社が実施
した世論調査で、政権への支持率が
大幅にダウンしたのだ。
矛先は、一蓮托生である自民党にも
向けられている。
政権の足元が揺らいでいる。
さすがに、「桜を見る会」をめぐる
安倍晋三首相の説明は不十分で、
さらにたちが悪いのは臨時国会で
与党側が野党の集中審議要求にも延長
要求にも応じないまま閉会になった
ことだ。
その真意を自民党幹部の一人は
「与党の国会対策として常道だ。
重要法案、今回で言えば日米貿易
協定などがそうだが、これをきち
んとあげて、あと余計な野党の
追及の場を奪う。(国会を)閉じ
れば時間が経(た)ち、首相は外交
や補正予算や経済政策などをかぶ
せていき、年も改まって世間は
いつの間にか忘れる」と話す。
ただ、今回ばかりはどうなのか。
公私混同や政治とカネ、まずい
ことはなかったことにして逃げ
切ろうとするように見えるその
姿勢など、非常に分かりやすい
問題だけに、世論は永田町次元
の国会対策などには騙(だま)さ
れていない。
2019年12月のマスコミ各社
の世論調査を見れば、それは
明らかだ。
共同通信の世論調査(14、15日)
ではついに内閣の支持率と不支持率
が逆転。
支持が42・7%に対し て、不支持の
ほうはこの2カ月 下がり続け43・0%
となり支持を上回った。
また、下落幅は2カ月連続で 計約11㌽
という大幅減で、 ここまで連続して
落ち込むの は18年の森友学園文書改ざん
のとき以来だ。
さらに首相が「桜」問題について
「十分に説明しているとは思わ ない」は
実に83・5%に上った。
また、時事通信が同6〜9日に実施した
世論調査は、内閣支持率 が40・6%、
不支持率は35・3% で結果的には支持が
上回っている が、今回の下落幅は、前月に
比べ て7・9㌽減。
これも、18年のモリ・カケ問題 以来の
大きさだ。
時事の調査ではこのほか、
「長期政権で緩みがあると思うか」 に
ついては、「ある」が68・6% で、
「そう思わない」の14・2% をこれまた
大きく上回った。
世論が「桜」問題を依然として 問題視して
いることが分かる。
私がこれらの世論調査の中で、 国民が
「安倍長期1強政権」の 本質的な問題点を
見抜いていると感じたのは内閣支持率の低下
では なく、政党支持率の大きな変化だ。
これまで安倍政権は批判に 晒(さら)される
ような問題が起き るたびに三権分立を「軽視」
して、 いまや「完全に機能停止」にまで 追い
込んでしまった。
これこそが 私が強く感じる「長期1強」の
「大罪」だ。
安倍政権下では国会が、政府 (行政)の
不祥事を厳しくチェック しているかといえば
ノーである。
国会で野党が追及するのは当たり前。
問題は第1党の自民党だ。
「桜」問題では自民党が率先して国会を閉じた。
日本は議院内閣制のため、確かに 自民党から
選んだ首相だから、これを守り政策実現を
図ろうという ことなのだが、一方では国民の
代表 機関である国会の一員として、行政 を
チェックする責任を負う。
国会の第1党という矜持(きようじ)は いったい
どこへ行ったのだろうか。
■「自民党離れ」に幹部の危機感
旧知の自民党のベテラン議員は こう明かした。
「以前なら、たとえ首相であって も国会では
自民党として注文を付け、 それでかえって
バランスが取れて党 の信頼にもつながった。
いまは安倍 1強でみんなが上の官邸を見ている
ヒラメ状態。黙って従う。ただただ 守る」
安倍政権は自らで第三者委員会 などを作って
再発防止策などを立て ているが、そもそも不祥事
を起こし た当人が自分で再発防止策など立て た
ところで、それが通用するのか。
なのに国会は自民党が国会を閉じ、行政は国会を
無視し、国会の チェックをすり抜けて処理して
きた。
民主国家の形は破綻してはいないか。
こうした、三権分立を冒涜(ぼうとく) するよう
にも見える重大事態に、国民 が意思を示した。
その証拠が12月の時事通信・世論調査における
政党支持率の変化だ。
自民党が前月に比べて7・1㌽も減ら し、
19年で最低の23・0%にまで落ち込んだのである。
首相だけの問題ではない。
政権を構成する自民党の姿勢にも 疑問の目が向き
始めたということだ。
自民党選対幹部の危機感は強い。
「これまでモリ・カケや(各種) 法案によって
内閣支持率は5〜10㌽ の増減はあっても、政党
支持率は さほど大きく変動しなかった。 批判は
直接安倍首相に向かい、一方 で政党同士の比較
だから野党不在と いうこともあって、自民党は
だい たい30%前後はキープしていた。 ところが、
今回の23%はショックだ。 このままざっと計算
すると、いまもし 総選挙をやったら比例なども
含めて 100議席減ということになってし まう」
無党派層が最も多く、選挙結果を 左右する風の
吹きやすい東京の 自民党都連所属ベテラン国会議員
も 話す。
「このまま1月からの通常国会で 『桜』問題が
続き、野党に統一でも されたら(自民党支持率が)
20%を 切る可能性だってある。急きょ年末 年始の
日程を変えて、大(おお)晦日 (みそか)から神社に
立って初詣客に 挨拶(あいさつ)したり、選挙区の
新年会のスケジュールを調べ直し て回ることにした」
自民党議員らが今回の数字を かなり深刻に受け
止めるのは、 やはり20年中に解散総選挙が行わ
れる可能性が高いからだ。
安倍首相はオリンピックの余韻 が残る秋に
解散総選挙を仕掛ける だろう。
「総裁4選についてはまだ決めて いない」
(首相側近党幹部)と されるが、もし4選を決断
すれば 自らの手で、しかし、退陣を決めれば
その後も政権に影響力を持てるような後継者の流れ
を作り、 選挙はその新総裁に任せることに なる。
いずれにしても翌21年は総裁、 衆議院ともに任期
が来てレーム ダック化が進むから、選挙で勝つ
チャンスは20年中の解散総選挙 しかない。
ただ、長期1強の中で慣例化 してしまった国会
軽視の大罪は、 必ず響いてくる。
(ジャーナリスト・鈴木哲夫)
【転載終了】
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多分、安倍の影響力は残らないような
気がします。
あまりにも、ご自分のお仲間を 重用し、
石破氏や林氏のように 自分のライバルを
追いやり、好き 勝手のツケが回ってくる
と思い ます。
ただ、自民党はヒラメ議員が 多すぎます。
特に、チルドレンは困りもので すね。
理解不能なチルドレンが存在し、 自民党
が頭数だけ揃えれば法案 を通せるという
安易な思惑で 政治を先進国で最低レベルに
落としてしまいました。
基本的に、安倍などトップに 相応しい
とはとても思えません よね。
来年こそは、真面な政治であり ますよ
うに!(パンパン
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