首相の動機は政敵を潰す異常な執念・・・
日刊ゲンダイ
【転載開始】
■桜と河井夫妻の共通項
首相の動機は政敵を潰す異常な執念
2020/01/27
通常国会は衆院予算委員会が始まる
27日から本格論戦がスタート。
安倍首相と全閣僚が出席して、
令和元年度補正予算案の質疑が行われ
るが、「桜を見る会」の疑惑追及は
大きなテーマだ。
年が替わっても桜疑惑はとどまるとこ
ろを知らない。
税金を使った公的行事を安倍が私物化
していた“証拠”が次から次へと出てき
ている。
21日に内閣府が出してきた新資料
によると、2019年の招待者数は
1万5420人で、15年から
約1700人も増えた。
そのうち「各界功績者(総理大臣等)」
に区分された招待者は8894人に上る。
また、桜を見る会の開門・受け付け
開始は午前8時半だが、内閣府が23日
に出した新資料では、19年は開門前に
8043人が入場していたことが分かった。
安倍の地元支援者は開門前に手荷物検査
なしで会場に入り、安倍夫妻と写真撮影
していたことなどが関係者の証言で判明
している。
前日の「前夜祭」の参加者も、この5年間
で倍増した。
「各界における功績者を招いて慰労する
という会の趣旨を逸脱し、自身の支援者を
特別扱いしているのは明らかで、私物化の
そしりは免れません。問題は、首相の個人
的な支援者接待に税金が使われていること
です。マトモな神経であれば、これ見よが
しに権力を振りかざし、税金で票を買うよ
うな真似はしない。公私混同以前に、この
首相には常識が通用しないのです」
(政治評論家・野上忠興氏)
安倍は父・晋太郎から引き継いだ選挙区
の山口4区で70%以上の得票率を誇り、
総選挙では常に2位の比例復活も許さない
圧勝である。
それほど選挙に強い現職首相が、なぜ後援
会 を公金接待しなければならなかったのか。
不気味なのは、その動機だ。
■林潰し、石破潰しで増えた招待者
26日の毎日新聞が大きく紙面を割いて、
安倍が桜を見る会に招待する地元支援者を
増やしてきた裏事情を解説していた。
地元・下関での林芳正元農相との対立が背景
にあるという。
安倍と林は父親の代から続くライバル関係に
あるが、17年の下関市長選は
「安倍・林の代理戦争」と呼ばれる熾烈な
ものだった。
この選挙で安倍派を支援した人々が、
18年の桜を見る会に呼ばれた。
「各界功績者(総理大臣等)」が前年より
約2000人も増えたのは、市長選の功労者
を大量に招いたからだというのだ。
「踏み絵を踏まされた」という地元市議や、
「下関で安倍派に逆らうと生きていけない。
ファシズムですよ」という自民党関係者の
声も伝えている。
「親の代からの対立が根深いのは事実で
すが、林氏は頭脳明晰と評判で、地元で
“林待望論”が根強いことも面白くないので
しょう。安倍首相は、自分の存在を脅か
そうとする政敵は徹底的に潰しにかかる。
現職首相なのだから、正々堂々と横綱相撲
を取ればいいのに、それができないのです。
その異様なまでの政敵潰しの執念は、幼児
性の表れだという声もある。気に食わない
ヤツを潰すために手段を選ばないのは独裁
者の発想であり、民主主義国家の感覚では、
ちょっと理解しがたいものがあります」
(野上忠興氏=前出)
「各界功績者(総理大臣等)」の招待
人数は、18年が9494人と突出して多い。
前年から約2000人も増えている。
この年の9月、石破茂元幹事長と一騎打ちに
なった総裁選があったことも、招待者が増え
た原因とされる。
総裁選に向け、地方議員や党員の“支持固め” に
桜を見る会を使った疑惑だ。
■コケにされても黙っているからますます
ツケ上がる
18年5月4日付の読売新聞は、桜を見る会
について
〈今年は、地方議員の姿が目立った〉と書き、
「県連幹事長ら幹部に加えて、今年は一般の
県議まで首相から招待状が届いた」
「これは党総裁選を意識した地方の『党員 票』
対策の一環なんだな」 という自民党関係者の
声を報じていた。
同じ党の仲間であっても、自分に歯向かう者は
全力で潰す。
しかも、それを公金を使ってやるエゲツなさ。
つくづく品性下劣で、こういう手合いに権力を
持たせてはいけないのだ。
夫の河井克行前法相とともに、ウグイス嬢 に
法定上限の2倍の報酬を払った公職選挙法違反
容疑で家宅捜索などを受けた自民党の
河井案里参院議員に1億5000万円もの
選挙資金を投入した異常な肩入れも、構図は同じ
だ。
昨年の参院選で、党本部が候補者に提供した資金
は1500万円が基本だった。
案里と同じ広島選挙区で公認された溝手顕正元防災
担当相も1500万円だったという。
溝手は安倍との確執を抱えている。
かつて溝手に「過去の人」呼ばわりされ、恨み骨髄の
安倍は、相場の10倍というケタ違いの資金で案里を
優遇。
結果、ベテラン現職だった溝手は落選し、バッジを
手にした案里は、夫の克行と2人で意気揚々と官邸を
訪れていた。
まるで溝手を落とした論功行賞のように、その後の
内閣改造で克行は法相に任命されたのだ。
案里は1億5000万円の入金に「違法性はない」
と居直り、
[公認をもらったのが遅く、わずか2カ月半の間で
活動していかなくてはいけないので、短い期間に資金
が集中した」
「陣営がどう運営されていたか私自身もなかなか分か
らない」とトボケていたが、普通は2カ月半の選挙戦
で1億5000万円も使い切れるものではない。
■組織が成り立つ前提は公平公正
昨年の参院選で、広島選挙区の法定選挙費用は
約4700万円だった。
その3倍ものカネを党本部は渡したのだ。
不正選挙を容認するようなものではないのか。
政党交付金の原資は税金だ。
それが特定の候補者に集中投入され、違法選挙に使わ
れたとしたら、納税者としてやりきれない気分になる。
なぜ、新人の案里だけ特別扱いだったのか。
安倍は自民党総裁として説明する責任があるだろう。
党内からも疑問の声が噴出している。
自民党の中谷元元防衛相も、26日のフジテレビの
番組でこう話していた。
「1億5000万円は破格を通り越して いる。
案里さん自身も『私も知りません』 ということは
良くない」
「党内の規律としても公平公正というのが 必要で、
組織が動かなくなってしまう」
安倍に目の敵にされた林と溝手は岸田派の所属
議員だ。
ここまでコケにされても、岸田派は安倍政権を支え
続けるのか。
派閥会長の岸田文雄政調会長は、お膝元の広島県に
手を突っ込まれ、派閥の重鎮を落選させられて、
よく黙っていられるものだ。
この期に及んで、禅譲なんて生ぬるい夢を見て、
屈辱に甘んじているとしたら情けない。
そういう自民党議員の物言わぬ態度が安倍を
ツケ上がらせ、カネと権力にモノをいわせて
敵を潰す薄汚い手法を助長してきたのではないか。
「これも1強長期政権の弊害と言えるでしょう。
野党や北朝鮮、韓国などを敵視するのはまだ分か
りますが、党内にも牙をむく。それも公金を使って
相手を蹴落とす なんて、常軌を逸しています。自民
党議員 も、おかしいと思っているなら、声を上げ
るべきです。党内でもこの調子だから、 安倍首相
が国民を選別し、一部のオトモダチ だけ優遇する
のも当然という気がしてくる。残り任期が少なく
なる中、自民党内からの 異議申し立てが大きくなれ
ば、官僚組織も 忖度をやめて、重要資料を出して
くる可能 性があります」
(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
公平公正は行政の基本だが、安倍政権にそれを
求めてもムダだとハッキリしたのが 「桜」と
「河井夫妻」の問題だ。
これでもまだ安倍を支持する有権者がいる ことが
信じられない。
札束で仲間を潰す異常性。
そんな首相で日本国民は恥ずかしくないのか。
【転載終了】
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安倍晋三は、よく、おぼっちゃんと
いわれますが、同じような政治家一家
に育った鳩山由紀夫元首相との育ち方
の違いを感じますね。
安倍氏は公金で、鳩山氏はポケット
マネー。
政治姿勢も違いますね。
安倍氏は米国の命令で動き、鳩山氏
は米国と交渉する。
嵌めちゃう人と嵌められちゃう人。
>同じ党の仲間であっても、自分に歯向
かう者は全力で潰す。しかも、それを
公金を使ってやるエゲツなさ。つくづく
品性下劣で、こういう手合いに権力を
持たせてはいけないのだ。
確かに、下品ではありますね。
ただ、政敵を潰し合うということは
政界にはよくあることですが。
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