「世界的争奪戦に敗れる日本政府」マスクブローカーが暴露!

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 【転載開始】


 ■マスクブローカーが暴露 

 「世界的争奪戦に敗れる日本政府」の実情 

 「供給増」はウソだ! 


 店頭から「蒸発」し、入手困難なマスク。 

深刻な品薄はなぜ解消されないのか。 

その背景に世界各国との争奪戦で歯が立た 

ない日本政府の「お役所仕事」があると 

ブローカーが打ち明ける。 

官僚が「増産した」と胸を張るマスク供給量 

も、実は「例年並み」にすぎないことが 

わかった。

 AERA 2020年4月20日号では、マスク不足の 

裏側に迫った。


 *  *  * 


 開店前のドラッグストアには、今日もマスク 

を求める人たちが長い行列を作る。 

深刻なマスク不足は、世界的な新型コロナ 

ウイルスの感染拡大でマスクの需要も世界中で 

「爆発」していることが大きな原因だ。 


 国産マスクの増産など日本政府も対策を講じ 

ているが、最優先されるべき医療従事者向け 

マスクの確保もままならない。 

マスクは本当にないのか。 

それとも、どこかに隠れているのか。 

世界各国からマスクを調達している人物に聞く 

と、意外な事実がわかってきた。

 「最近よく『中国のメーカーに生産を委託して 

いたのに、輸出制限をかけられたから製品が 

入ってこない』という趣旨のニュースを目にし 

ますが、にわかには信じがたいですね。だって 

実際に中国からも大量のマスクが連日入荷して 

いますから」 


 そう首をかしげるのは、「GSB」(大阪市) 

を経営する大田竜馬さん(54)だ。 

同社は通常、コンサルタント業務を手掛けてい 

るが、人脈の広さなどを生かしてマスクの取引 

を仲介するようになって約2カ月になる。 

いわゆるブローカーであり、市価で購入したも 

のに価格を上乗せして売る「転売屋」とは全く 

異なるという。 


  大田さんはこう続けた。  

「我々のようなブローカーが群がって値段を釣 

り上げているのではありません。世界的に需給 

バランスが崩れただけでなく、感染者拡大によ 

る人手不足で製造コストも上がり卸価格が急騰 

している。各国の製造業者も必死だから、現金 

で大量に買い付けてくれるバイヤーが優先的に 

製品を手にすることになります。我々ブローカ 

ーはそれを買い手につなぐだけで、仕入れ価格 

が高かろうが安かろうがマスク1枚あたり1円程 

度の利益にしかなりません」 


 同社が扱うマスクは中国産だけではない。 

インド、タイ、ベトナム、フィリピン、ロシア、 

ウズベキスタンなど原産地は様々だ。 

基本的に欧州や米国の製品規格をクリアした通常 

の製品だが、店頭販売用のバーコードまで付いて 

いるかどうかは、まちまちだという。 

しかし、このコードは、政府や公共機関が買い 

上げて配布するような場合には必要なものでは 

ない。  


 マスクをつける習慣のなかった欧米では、状況 

が一変した。 

フランス政府は3月上旬、国内の在庫や今後生産 

するマスクを国が優先して確保する方針を発表し、 

国内メーカーに増産を指示。 

さらに同28日には中国などに10億枚のマスクを 

発注したと発表し、保健相は

「マスクは各国で不足している」と世界的な獲得

競争になっている ことを示唆、中国からの航空

貨物便を迅速化する ことを明らかにした。 


 マスク輸入は半分を現金、残りは船荷証券(BL)

 で確認した後に振り込むのが一般的だが、国側は 

全て現金決済という条件を譲らなかったといい、 

実業家が現金を立て替えて通常の手順で進めるこ 

とになった。

 最初は3千万枚を船に積み、BLが出たら荷物と一緒 

に動画を撮り、それを確認して振り込み手続きを 

する。 

同様に1億枚に達するまで何回かに分けて船便で発送

するという流れだった。  


 「その見積もりで翌日に政府の調達会議に諮った 

ところ、ダメだったと連絡があった。財政担当の 

重要閣僚が首を縦に振らなかったのが理由と聞きま 

した。ある政治家の秘書からは『中国産は使わない 

という話になっているので、多分決まらないよ』と 

も言われていた。何が真相かわかりませんが、モノ 

は確実にあるのに届けられないのは誰のせいなんで 

しょうか」(大田さん)


  政府の後手後手ぶりが際立つケースもある。 

医療機関で深刻に不足している高機能マスクについ 

て、厚労省からの依頼というバイヤーが3月末、 

1枚300円以内で1千万枚調達したいとの要望で 

大田さんを訪れた。 


 大田さんは3M社の「1860」という高性能マスク 

を用意できるメドが立ったが、その時の単価は300円 

を少し超えていたためバイヤーに断られたという。 


  大田さんが続ける。 


 「確かにその直前の単価は270円ほどでしたが、 

日々値上がりしているんです。1週間後に同じバイヤ 

ーが『300円台でもいい』とやってきたけど、その時 

はもう370円を超えていて、彼はまた買えなかった。 

以前の価格に固執しすぎて決断できなかったからです。 

そうするうちにトランプが『他の国に渡さない』なん 

て言い出して1枚6ドルになってしまった。こんなこと 

をしていて国民の命を守れるんですかね」  


 安倍晋三首相が決めたガーゼマスクの各戸配布にか 

かる費用は466億円と言われる。 

この額があれば、医療用マスクを1億枚前後買える 

計算だ。 


 「1億枚ぐらいならすぐに集められる。50億枚集めろ 

というなら集めます。何度も言いますけど、ブローカー 

が値を釣り上げているのではなく、世界中で奪い合いに 

なって仕入れ値が急騰している。必要な時に決断できな 

いと、後手後手に回って対処しきれなくなりますよ」  


 こう嘆く大田さんは、医療用高機能マスクを医療機関 

に安定供給できるよう奔走している。 


 「3Mの医療用マスクを低価格で買い付けられそうなの 

ですが、そのためには仕入れの数量をかなり大きくしな 

いといけない。病院グループや複数の医療機関が共同出資 

すれば可能だと思いますが、本来は政府や自治体が一括 

購入して配布するべきなんです。私を政府調達のバイヤー 

にしてほしいぐらいです」 

 (編集部・大平誠) ※AERA 2020年4月20日号より抜粋 


 【転載終了】

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 供給不足ではなく、対応能力のなさですか。 


 事実だとすれば、日本の官僚のお役所仕事 

というより、無能と言ったほうがいいのでは 

ないかと思ってしまいます? 


 前例がないと対応できない官僚気質が緊急 

事態で露呈した形ですよね。 


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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