ソニー、自動車産業のキープレイヤーに台頭・・・
Business Journal
片山修「ずだぶくろ経営論」
【転載開始】
■ソニー、自動車産業のキープレイヤーに台頭・・・
先行したパナソニック、停滞の根本的原因
2020.05.07
企業は、創業以来のカルチャーと切っても
切れない関係にある。
つまり、企業戦略は、企業風土に著しく影響
される――。
「エッ、ソニーがクルマ?」
今年1月に米ラスベガスで開催された世界
最大級の技術見本市「CES2020」で、
ソニーは自動運転技術を搭載した電気自動車
(EV)の試作車を披露した。
「私たちは、モビリティの未来に対する貢献
を、さらに加速させていきます。このプロト
タイプは、そうした貢献を具体化したものです」
CEO(社長兼最高経営責任者)の 吉田憲一郎氏
は、「CES2020」の開幕前日に開かれた
プレスカンファレンスで、 そのように述べた。
ソニーが「CES」に出展したのは、 自社開発した
EVの試作車「VISION‐S」 だ。
一般的に、試作車の製作費は、1台1億円以上
といわれる。
ソニーの試作車は、驚きをもって迎えられた。
「VISION‐S」には、自動ブレーキや
自動車線変更などの先進運転支援システムの
ほか、人や障害物を検知するカメラ用の
「CMOSイメージセンサー」など数種類の
センサーが30個以上搭載されている。
センシング技術やAI(人工知能)技術、
クラウド技術などを活用して、ソフトウエア を
継続的にアップデートする仕掛けである。
試作車開発の中心人物は、犬型ロボット
「aibo(アイボ)」の開発を主導した
川西泉氏だ。
車両製作には、独ボッシュやコンチネンタル、
米クアルコムなどがパートナー企業として参画
した。
車両製造の委託先は、カナダの自動車部品大手、
マグナ・インターナショナルのオーストリア
子会社だ。
もっとも、試作車を出したからといって、
ソニーは、ただちにクルマを市販する計画を
立てているわけではない。
では、試作車出展の狙いはどこにあるのか。
ズバリ、自動車分野への積極攻勢をアピール
するためである。
ソニーのCOMSイメージセンサーは現在、
世界シェア50%で首位だが、多くはモバイル
向けである。
ところが、モバイル向けは韓国のサムスン電子
が力をつけてきており、油断はできない。
そこで、ソニーは
「CASE(コネクテッド、自動運転、シェア
リング、電動化)」の大波を好機に、成長が
見込まれる自動車分野に参入し、首位の座を
確固たるものにしようとしていると見ていいだ
ろう。
「車載向けはまだ立ち上がり段階ですが、 自動
運転で需要が増えれば、高性能化が求 められます。
自動運転のレベル3(条件付 き自動運転)、4
(事実上の完全自動運転) の普及をメドに、キープ
レイヤーとパート ナーシップを組みながら参入して
いきます」
2月4日に開かれた決算会見の席上、 代表執行役
専務CFO(最高財務責任者)の 十時祐樹氏はこう
述べた。
CMOSイメージセンサーは、自動運転車の 目に
あたる重要部品である。
夜間や霧、逆光時など運転しにくい状況では 高い
認識力が求められるが、その点、レベル の高い
ソニーのCMOSイメージセンサーに 対する期待
は高い。
とはいえ、モバイル市場でシェアが高かった 分、
ソニーの自動車分野への参入は後れた。
早くはなかった。
ソニーが車載用CMOSイメージセンサーの 商品化を
発表したのは、業績悪化の真っただ 中の2014年だ。
周回遅れだった。
「後発組のソニーに勝ち目はあるのか」と、 陰口を
叩かれた。
しかし、ソニー製のCMOSイメージセンサー はいま
や、トヨタの高級車ブランド「レクサス」 の最上級
クラス「LS」に搭載されているよう に、自動車分野
でも高い評価を受けているのだ。
<以下省略>
【転載終了】
*****************************
ソニーは行政が回復して、その上に
自動運転分野でのトッププレイヤーを
目指しているようですね。
ソニーの復活は国民としても歓迎
すべきニュースですね。
0コメント