トヨタが沈めば日本も沈む。

 MONEY VOICE


 【転載開始】 


 トヨタが沈めば日本も沈む。 

 コロナ禍で露呈した自動車依存経済の危うさ 

 2020年6月17日 


 ■自動車の輸出・生産が急減  


 新型コロナのパンデミックは、自動車業界 

には天地を揺るがす大ショックに違いありま 

せん。  


 そしてその自動車業界に大きく依存する 

日本経済も、この自動車ショックをまともに 

受け、経済がピンチに立たされています。 


  これを象徴するような数字が公表されま 

した。  


 5月末に経済産業省が発表した 

「4月の生産統計」は、生産が前月比9.1% 減と、

リーマン危機直後の2008年12月・ 2009年1月に

それぞれ8.9%減を記録して いますが、これを

上回る衝撃です。 (編注:原稿執筆時点6月1日) 


  この生産急減をもたらした主犯が自動車 です。 

自動車の生産は前月比33.3%減となり、 

これだけで生産全体を5.1%も押し下げて います。 


 つまり、自動車を除けば生産は4%の減少で済ん

だ計算です。 

この自動車、5月も22%の減少予想となって いて、

これも生産全体を3.6%あまり押し 下げます。 

まさに自動車が日本の生産全体を圧迫してい ます。 


 その自動車業界、今や内も外も嵐に襲われてい

ます。 

4月の国内新車販売台数は前年比27.5%減と、 

消費税引き上げで大きく落ち込んだ昨年10月 と

同じ大きな落ち込みとなりました。  


 消費増税の後は減少幅が縮小しましたが、 

コロナで外出も自重気味のなかでは、5月以降

の数字も回復は期待できません。 

特に仕事を失い、所得の不安、雇用不安が続く 

中では、自動車などの大型耐久消費財にはなか 

なか手が出ません。 


  輸出はさらに厳しい状況です。 

日本の「4月の輸出」は前年比21.9%減となり 

ましたが、このうち自動車は50.6%減、自動車

部品は同39.2%減となりました。 

この自動車関連だけで輸出を10%も押し下げ 

ました。 

(「5月の輸出」は前年比28.3%とさらに悪化 

し、このうち自動車は64.1%減、自動車部品 

も57.6%減となっています) 


 自動車輸出が半減するなど、これまではおよ 

そ考えられないことが起きています。 

これはコロナ禍で世界の自動車需要が落ち込ん 

でいるためです。 


  因みに、トヨタの4月の世界生産も半減して 

います。 


 <中略>


 ■自動車需要減は一過性ではなさそう  


 この自動車を襲った嵐が、1か月や2か月で 

済むなら、じっと嵐が過ぎ去るのを待てばよい

のですが、どうやら一過性では済みそうに あり

ません。  


 コロナ自体、この影響が収まるのに何年も 

かかりそうで、その間、雇用や所得の不安、 

消費パターンの変化など、自動車には継続的な

重しが残りそうです。  


 さらに、自動車を巡る環境は、足元のコロナ 

禍だけではありません。 

この春、一部の自動車メーカーで部品の供給が 

制約となって九州の工場を操業停止にしました 

が、この時はコロナの影響で中国などからの 

部品が来ないためと言われました。  


 しかし、米国のトランプ大統領が世界の 

サプライチェーンを破壊し、米国回帰を進め、 

グローバル企業に米国への復帰を求めています。 

この流れで行けば、仮にコロナの影響が一段落 

しても、サプライチェーンが使えない可能性が

 あります。 


 <中略>


 ■コロナで日本経済の弱さが露呈 


 今回の生産統計は、日本経済の構造的な弱さ 

を提示、自動車依存が崩れつつあることを示唆 

しました。 


 よい技術を持っていても、米国支配のもとで 

は頭を押さえつけられてしまうものも少なくな 

いことは事実です。 

高い技術を持ちながらいつになっても飛ばせら 

れない三菱飛行機や、コロナに有効とされなが 

らも米国医薬業界が立ちはだかって承認されな 

い日本の抗ウイルス薬などがよい例です。  


 日本の場合は技術面の開発努力だけでなく、 

政治的な交渉力の弱さも、成長企業、成長産業 

の台頭を拒んでいます。 


 【転載終了】

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 韓国が米国支配から抜け出そうとしていま 

すが、日本も米国の隷属から脱却すべき時が 

きているのかも知れませんね。 


 それには、米国が変わらないと世界が変わ 

ることはできませんね。 

米国は覇権主義を捨てることです。  


 そうしないと、何れ孤立することになるで 

しょう。 

もう、世界で一強ではないのです。

 

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