コロナでお金と暮らしは大きく変わる!
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■【寄稿 荻原博子氏】
コロナでお金と暮らしは大きく変わる
公開日:2020/07/11
私たちの暮らしに未曽有の衝撃を
与えたコロナ禍。
ワクチンもなく緊急事態宣言によって
数カ月の自粛生活を強いられたものの、
いまだに終息していない。
この間に世界の人々はさまざまなこと
に気づき、ニューノーマルの時代に
入ったといわれている。
これから経済や社会、暮らしはどうな
るのか。
そしてどう生き延びたらいいのか。
■本格的不況はこれから
これから日本経済は大変なことになり
ます。
まだコロナ直後なので、それほど失業は
出ていません。
失業が少ないのは政府がお金を出して
下支えをしているからだと言ってます
が、違います。
本格的になるにはタイムラグがあるん
です。
裁判所が閉まっていたから各種の手続
きができなかっただけです。
倒産すらできなかった会社がこれから
手続きに入ります。
コロナが経済に与えた一番大きな
インパクトは収入減で、自営業者に
もろに来ています。
いまは家賃支援給付金や緊急小口資金
とで持ちこたえていますが、
尽きれば持ちこたえられなくなります。
内部留保がある大企業は大丈夫です。
金融機関もお金を貸しやすい。
しかし日本の企業の7割が中小零細企業。
大企業の影響を受けます。
1部上場企業のレナウンが倒産し、
観光業もダメージを受ける。
そういう企業から始まっていきます。
HISは夏のボーナスを出せませんが、
ボーナスを当て込んで住宅ローンを組ん
でいるような人は大変です。
以前からトヨタ自動車などの大企業は
将来への危機感を持っていましたが、
そんな企業でさえ、人を雇ったり、給料
を上げたりはしなくなるでしょう。
当然、日本経済のV字回復などありえま
せん。
■地方に流出する若者
時代はこれから大きく変わっていきます。
モノを買わなくなりました。
デパートなどは大変です。
ネットで価格を比較されて安いネットショップ
で買われてしまう。
生鮮食品を扱う小売業もネットスーパー と競争
しなければならなくなります。
今までの経済は東京一極集中で成り 立って
いました。
東京に通える郊外に家を買ってベッド タウンが
できた。
しかし、人口減少で空き家は10軒に1軒。
住宅が不良債権になりつつあります。
そこにコロナで、満員電車に乗って会社に通わな
くてもいい、リモートでいい、 外部発注でいい、
都心にオフィスを借りな くてもいいと気づき始め
た。
東京に住む必要はますますなくなっていき ます。
先日、徳島県名西郡神山町に行ったんで す。
この過疎の町には東京のITベンチャーの
サテライトオフィスがいくつも集まってきてい
ます。
神山町は徳島県が主導して山の中や河原でも
自由にWi―Fi(無線LAN)を使える環境
をつくりました。
古民家の家賃は3万円。
職住接近なので 9時5時で仕事が終われば趣味
もできて、 子育てもしやすい。 海外の芸術家を
招待したり、とても豊かな 生活をしていました。
若い人たちがどんどんこういう町に集まってきて
います。
インフラさえ整える町おこしをやれば十分 なん
です。
彼ら、彼女らは高い住宅ローンを組んで借金を
抱え、満員電車で通勤する生活には戻りま せん。
今まで働くということは、会社員になって会社
に通って、会議に参加してお金をもらう という
ことでした。
しかし、いま世界で一番大きな会社はネット の
中にあるんです。
クラウドソーシングです。
400万社が登録して1200万人が働いている。
これまではコストのかかる雇用の仕方をして いま
したが、優秀な人材は会社の外にたくさ んいて、
会社が今のような形でなくてもよく なっています。
私もリモートで仕事をしていて、3年間連載 して
いるコラムの担当編集者にいまだに 会ったことが
ないんです。
でも今はそういう仕事のやり方が失礼では ない
時代です。
そういう人たちが10年後、20年後に社会 の
中枢になります。
■40代、50代は借金を減らして
年金だけを頼りに生きている今の高齢者は生涯
大丈夫でしょう。
年金制度は破綻しませんから。
もし破綻させてしまったら訴訟が起きて、
国は負けます。
だから国は年金を破綻させないように基礎年金の
国庫負担(税金)の割合を3分の1から2分の1
に引き上げました。
ただ、もらえる額はじわじわと下がっていきます。
一方、20代、30代はもはや年金を信じて いま
せん。
問題ははざまにいる40代、50代です。
この世代で一番大切なことは借金を抱えないこと
です。
バブル崩壊後、日本の企業は不良債権を減ら して
現金を増やしてきましたよね。
借金を減らして現金を増やすことがセオリー だか
らです。
これまで日本は国策で住宅を国民に買わせ ること
によって景気を浮揚しようとしてき ました。
住宅をたくさん建てられるよう建築基準法を緩め、
住宅を疑いもなく買う前提を国民 も持っていた。
80年代末にバブル経済が はじけたあとも土地
神話はなかなか消えま せんでした。
それが40代、50代が持っている負の 遺産、
住宅ローンになっています。
なるべく固定費を減らし、住宅ローンは 抱えない
ようにしましょう。
この世代は共働きをしてでも定年退職まで になんと
か処理しましょう。
■子どもの教育にお金をかけすぎない
今の40代は子どもにお金をかけすぎて いる人が
多い。
この世代は受験戦争を生き抜いているから、
高いお金をかけて子どもを塾に通わせます。
しかしこれからの時代、高学歴だから幸せ になるわけ
ではありません。
子どもにはなるべくやりたいことをやらせましょう。
それが幸せにつながる時代です。
今から10年前にeスポーツ(ネットゲーム) が大金
を稼ぐって考えられましたか?
どの能力が有望なのかなんてわからないんです。
これまで政府にとって都合のいい子どもを 育ててきて、
その結果、国力を落としました。
会社がなくなると生きていけない人ばかり を育て、
今や10人に1人がニート。
10年、20年で社会が激変する時代で は、
親がなんでもやってあげる子どもは ダメです。
北欧が世界の最先端を走っているのは、 自分の頭で
考える教育を小さいころから しているから。
本当に幸せに暮らすのならば、自分の力で 生きられ
るタフな子どもに育てる教育が 必要です。
親も子離れをしましょう。
厳しいでしょうが、世の中は甘くなくな りました。
子どもが独り立ちしなければ親の老後も 危うくな
りますよ。
ただ、落ちこぼれが出たら、それは国がすくい
あげる。
そのために国はあるからです。
コロナ後は新しい時代になる自覚を強く 持ちま
しょう。
【転載終了】
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私たちの息子(次男)も住宅ローンを
抱えています。
このようなご時世ですが、とりあえず、
息子は介護士、お嫁さんは看護師なので、
失業の不安はないと思いますが。
介護士や看護師は慢性的な人手不足で
すから。
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