作家・清水一行が「救い」だといったソニーはもうない・・・

 佐高信「この国の会社」 


 【転載開始】


 ■作家・清水一行が「救い」だといった

ソニー  はもうない 公開日:2020/11/02  


 会社の派閥争いや社長のスキャンダルを 

暴いてきた作家の清水一行が 

「ソニーとホンダがあるのは救いだよね」 

と言ったことがある。 

ソニーの井深大やホンダの本田宗一郎が 

いることでこの国の経営者に絶望しないで 

すむという意味だなと私は受け取った。 


 人マネを嫌い、常に創造性を求めた井深は、 

「人と違ったことをやるのはむずかしいので 

はないか」と尋ねると、こう答えた。 


 「そう決めてしまえば、それが使命だと思う

からね。むずかしくても何でも、やって のけな

ければしょうがない。私はあまり苦労 したとい

気はありません。好きなことを やっていれば

くたびれないし、時間も忘れ ちゃう。そこに

引っ張り込まれる人は迷惑かもしれませんがね。

また、常に新しいことを やっていかないと、

日本はすぐマネしますも の、ヘッヘッヘッ。

一つのところへとどまって はいられないわけで

すよ」 


  80歳を目前にして、いたずら小僧のように首を

すくめたあの笑顔が私は忘れられない。 


 しかし、彼は昔の彼ならず。

いま、ソニー にクリエイティビティーはほとんど

ない。 


 ゲームは堅調だが、ソニーはいまや、 エレクトロ

ニクス産業ではなく、主体は生保 や金融の

フィナンシャル・カンパニーである。 


 希望してソニーに入り、グーグルの日本法人社長

を経てアレックスを起業した辻野晃一郎は 私との

共著『日本再興のカギを握る「ソニーの DNA」』

(講談社+α新書)で、ソニーの凋落 を嘆く。 


 盛田昭夫と共にソニーを創業した井深は、 

「アメリカのエレクトロニクスは軍需によって 

スポイルされる」と言い切った。 そして、「私

は経団連に行かないんです。経団 連というのは

話し合いの場で、どうやって競争しないかを決め

る団体ですからね」と付け加えた。  


 この国には”輝ける異端”のソニーやホンダが

 あった。 

しかし、そのDNAは残念ながら消えていく運命 

をたどっている。 


 【転載終了】 

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  現在の日本に希望を持たせる記事が 

あまり見当たらないですね。 

日本の衰退を認識させる記事が多いこ 

とに不安を感じます。

 

LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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