ミャンマー・・・「内戦勃発」が最後の希望!
News week
【転載開始】
■ミャンマー市民が頼るのは、迫害してきた
はずの少数民族 「内戦勃発」が最後の希望
Bloody but Unavoidable
2021年4月13日 ※抜粋。
――少数民族軍連合vs国軍という対立構図が浮上
した経緯を教えてほしい。
モンザルニ
デモを行っていた市民らは当初、諸外国からの
外圧を期待していた。軍事的圧力でなくとも、
国軍が弾圧から手を引くような効果的な懲罰を
求めていた。
だが(アメリカなどが部分的に制裁を発動した
ものの)ミャンマー国民を満足させるような
動きは起きていない。国軍への制裁を決議でき
なかった国連安全保障理事会も含めて国民は
外圧に幻滅し、よりどころを少数民族の軍隊に
シフトさせた。
国民の中には少数民族軍を救世主と呼ぶ者も
いる。
クントイラヤン
われわれカチン族は都市部でのデモ弾圧とは
別に国軍から攻撃を受け、彼らを返り討ちにし
た「実績」もあった。
――少数民族軍の連合はどのように形成される
のか。
モンザルニ
1つは、「統一政府」の樹立を目指す民主派
議員らで構成する連邦議会代表委員会(CRPH)
が、少数民族の軍隊を「連邦軍」として取り
まとめる方法だ。
だが、少数民族側はCRPHの中心にアウンサン
スーチーや彼女が率いる国民民主連盟(NLD)
を据えることに対して非常に否定的だ。
彼らはクーデターを防ぐこともできず、その後
の対応でも失敗したからだ。
CRPHは国民の支持を得ているが、将来的な
政府組織においてスーチーとNLDの影響力を
どれだけ排除できるかがカギになる。
クントイラヤン
少数民族の間では、CRPH憲章は現在の憲法
から国軍の議会枠(国会議員定数の4分の1は軍人)
を定めた条項を取り除いただけ
(つまりNLDの影響力が色濃く残る)との批判
が多い。
私たちはこれまで少数民族に差別的だった
「ビルマ人愛国主義者」たちへの警戒を解いて
おらず、NLDに対する不信感も根強い。
――「連邦軍」であれ「連合軍」であれ、国軍
と対峙する軍事力はあるのか?
モンザルニ
少数民族の武装勢力は最大で14ほどが参加し
得るが、それでも「通常の戦闘」を想定する
なら国軍を打ち破ることは難しいだろう。
兵力の差は数字以上に大きい。
だが少数民族軍の戦略はいわゆる
positional war(陣地戦)ではなく
都市型ゲリラ戦だ。
例えばヤンゴンには軍事訓練を受けた
「見た目は普通の人」が数千人もいるとされる。
彼らは特定の日時に集まり、標的とする軍事施設
に攻撃を加える準備ができている。
連合軍の戦いは内戦と言うよりは革命抗争だ。
革命軍はたいてい武器に乏しく兵士の数も少ない。
キューバ革命の時、フィデル・カストロはわずか
82人の同志を率いて革命抗争を始めた。
数の比較で戦闘を考えると展望を見誤る。
クントイラヤン
ミャンマーの内戦にアメリカが軍隊を派遣する
ことはないだろうが、資金提供やロジスティクス
などの側面支援は交渉可能なはずだ。
それができれば、カチンやカレンの軍隊は地上戦
で国軍をしのぐことができる。
「統一政府」の議論がまとまらないにせよ、国軍
による虐殺を止めるためにCRPHの国連大使に
選ばれたササは早急に欧米諸国へ支援要請をする
べきだ。
――少数民族はこれまで差別や迫害を受けてきた。
少数民族の軍隊に期待する国民は今だけ軍事力に
すがり、後で裏切るという懸念はないのか?
ゾーミントゥット
今回のクーデターに対して抵抗を続ける中心は
Z世代と呼ばれる若者世代だ。
彼らは1988年のクーデターを戦った当時の若者
世代とは違い、教育水準も高く多様性に対して
寛容だ。
実際、クーデターが勃発してからこんなことが
あった。
ある商業系と医科系の大学の学生自治会が、過去
のロヒンギャ弾圧に対して公に謝罪声明を発表
したのだ。
虐殺を知りながら声を上げなかったことへの謝罪
だ。
自らも軍の弾圧の犠牲者となって初めてロヒンギャ
の置かれた状況を知ったからなのかどうか経緯は
分からないが、彼らの謝罪は誠実なものと受け
止めている。
(編集部注:CRPHで広報担当も務めるササは
CRPHの国家構想でロヒンギャを国民として
認めると4月9日の記者会見で断言した)
クントイラヤン
同じ思いだ。
繰り返すが、われわれ少数民族はこの状況下でも
愛国主義的ビルマ人への警戒心は強い。
それでもZ世代への期待は大きい。
弾圧を受け行き場を失った若者世代は今、
少数民族軍を支持するだけでなく自ら参加しよう
としている。
実際、カチン軍は彼らに対する軍事訓練を行って
おり、(カチン)軍幹部の話によれば訓練し切れ
ないほどの若者たちが集まっている。
――周辺国は内戦に対してどう反応するだろうか?
モンザルニ
中国、インド、タイがその中心だが、彼らは
基本的にミャンマー国軍を支持しているので懸念
するだろう。
だが彼らはあくまで勝ち馬に乗るはずだ。
今のところ国軍に賭けているが、「革命抗争」で
少数民族軍連合やCRPHが優位な立場になれば、
考えを変える可能性はある。周辺国とミャンマー
国軍の関係に定まった「方程式」は存在せず、
流動的だ。
クントイラヤン
カチン族の主な居住地域は中国と国境を接して
いるが、今回の騒乱はカチン族が引き起こしたの
ではない。
中国がミャンマーで安定した経済活動を行いたい
のなら、彼らが国軍を支援し続けるのは得策で
ないはずだ。
モンザルニ
CRPHは「連邦軍」構想を進めると同時に、国軍
に影響を及ぼす中国に対して立場を表明するべきだ。
つまり、CRPHは中国を重要な国家として認めると。
その上で、現在の国軍に対する無条件の支援をやめ
るよう求めるのだ。
中国が応じなければ、世論の圧倒的支持を受ける
CRPHが実質的な政権を取ったときに、ミャンマー
はアメリカや日米豪印らで構成するクアッドに強く
傾倒し、中国がこれまでミャンマーで進めていた
石油のパイプライン事業をはじめとする経済活動が
思うようにいかなくなるという「警告」も忘れずに
だ。
【転載終了】
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>中国、インド、タイがその中心だが、彼らは
基本的にミャンマー国軍を支持しているので懸念
するだろう。
現状では、中国に対する不信感を国際社会が
持っているのは事実ですね。
中国がミャンマー国軍と深いつながりがある
のは国際社会が知っているので、中国が国際社会
で先進国の仲間入り出来るかは、今回のミャンマー
対応で決まるかも?
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