「コロナ長期化で借金返せぬ」人と企業が急増。
MONEY VOICE
【転載開始】
■「コロナ長期化で借金返せぬ」人と企業が
急増。
ばら撒きマネーが不良債権に変わる日
2021年4月27日
※抜粋転載。
■終わりが見えぬ日本のコロナ
東京・大阪など4都府県において、5月11日まで
の予定で3回目の緊急事態宣言が発出されました。
それでも宣言が延長される可能性や、感染は
第4波にとどまらず、その後また第5波がやってくる
との専門家の見方が提示されています。
イスラエルや英国がワクチンの普及で経済の
正常化を取り戻しつつある一方で、日本はいつ
終わるかわからないコロナの感染不安が続きます。
<中略>
■このままでは「第5波」も避けられない
問題は、コロナの感染がいつまでたっても
収束せず、経済がなかなか正常に戻らず、
借金を返すような環境がいつまでたっても
やってこないことです。
同じ企業でも、輸出で稼げる製造業は
比較的堅調ですが、非製造業の中でも
接触型サービス業の苦戦が続いています。
飲食業や運輸、娯楽サービス業では客足が
減り、売り上げ利益が大きく落ち込んだまま、
という所が多くなっています。
政府は飲食業に時短を要請し、その見返り
に協力金を支給していますが、いくつかの
分析によると、必ずしも時短だけが売り上げ
減少の主因ではないと言います。
むしろ、店が密になっていたり、
パーティションがなく、換気も不十分な店
では、客が感染リスクを感じて離れてしまう
と言います。
逆に、感染対策をしっかりとっているお店は、
それ相応に客が入っています。
それを一律に時短で8時までとしたり、
酒類の販売を制限したりするだけでは、効果
にも限度があります。
結局、こうした対応を繰り返しても、
感染の大波は回避できず、第4波をもたらして
3度目の緊急事態宣言発出となったのですが、
感染防止策が徹底されず、ワクチン接種も
大幅に遅れているため、4波の次にまた第5波
が来る状況が不可避と見られています。
■返済原資ができない
これでは緊急事態宣言を出しても出さなく
ても、感染リスクの不安がある限り、
来客は限られ、売り上げは制限されたままです。
これが続く間は、借金した企業は返済できる
だけの収入を得られません。
利息が雪だるまにならない分、救いはあります
が、いつまでも返せない借金が残り、財務を圧迫
し続けます。
最近は追加融資を断られ、資金繰りに窮する
ところも増えています。
M2が前年比1割近く増加していることは、
それだけコロナ禍で債務を増やした企業や個人が
多いことを示しますが、その返済原資を得られる
ような経済の回復は当分見込めません。
■生産に結び付かないマネー
金融緩和でマネーを増やそうとする政策の目的は、
そのマネーが生産や投資に結び付いて、
経済を拡大させ、活発なものにするためです。
そこでは企業も値上げが通りやすくなり、収益も
増えます。
ところが、コロナ禍で増えている借り入れは、
従来の「運転資金」「設備資金」と違って、
借りたお金が生産や投資の増加に向かわず、
収益が減った分の穴埋めに使われます。
従って、借り入れは増え、マネーストック
(M2など)も増えているのですが、経済が
拡大しません。
店を早く閉じて収入が減った企業、来客が減った
り、休業を余儀なくされた企業が生き残りのために
当座必要な資金を借りても、それが商売の拡大に
使われるわけではなく、食べていくための借金と
なります。
■数字で見ましょう。
昨年のコロナ前の1-3月の名目GDPは
年率554兆7千億円、その3月末の国内銀行の
国内総資産は1,166兆円でした。
これが昨年10-12月にはGDPが551兆円に留まる
一方、国内銀行資産は1,262兆円に増えています。
つまり、GDPという付加価値生産に結び付か
なかった信用供与が100兆円にも上ったことに
なります。
■銀行には不良債権が積みあがる
企業からすると借金したものの返済に回す資金
が稼げず、債務はいつまでも残ってしまいます。
銀行からすれば、いつまでも返してもらえない
貸金が積み上がり、これがいつか不良債権になり
ます。
債務の返済ができない企業が倒産に追い込まれ、
銀行に積みあがった不良債権は、金融危機に
つながるリスクを抱えます。
借り入れは「一時的」な資金ショートをカバー
する手段で、いずれ資金を稼いで返済できる場合
に使われる手段です。
しかし、コロナ対策を間違い、
いつまでたっても感染リスクが払しょくできず、
経済が制限された状況を続けると、この「一時的」
の前提が崩れ、M2の増加がそのまま不良債権の
増加になってしまいます。
政府は思い切った感染抑止策をとって、
感染リスクに終止符を打つか、民間のコロナ借り
入れを財政資金で肩代わりするしかありません。
3回目の「宣言」でこれまで以上に強力な手段
が必要で、その成果が問われます。
コロナをコントロールできなければ、
経済の正常化もできません。
コロナ債務を抱えてしまった企業にはもう時間の
猶予がありません。
米国にせっつかれて排出ガス削減を急ぐのも
結構ですが、経済が機能してこその計画のはず
です。
脱炭素の前に、脱コロナが先ではないでしょうか。
【転載終了】
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同じコロナ禍で苦しめられている国際社会
ですが、どういうわけか、日本だけが経済が
思っている以上に悪いのです。
世界的に見ても日本は感染者数も少ないし、
長期の「ロックダウン」もしていないのにで
す。
経済の落ち込みが酷いのが不思議なのです。
ビル・ゲイツ氏が言うように、2022年まで
コロナ禍が続いたとしたら、日本経済はどこ
まで落ち込むのか、空恐ろしくなります。
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