アメリカ人は東京五輪の開催をどう考えている?

News week


【転載開始】


■アメリカ人は東京五輪の開催をどう考えている?

 2021年05月22日


 <圧倒的な勝利を収め続けてきた

スポーツ大国の意外な世論と、開催可否

に悩む日本への直言>


 日本は新型コロナウイルス感染拡大の

第4波に見舞われ、1年延期した東京五輪

の開催を危ぶむ声が広がっている。

ワクチンの接種は始まったが、感染者数

と死者数は大幅に増加を続け、

新規感染者数は連日5000人を上回って

いる。

日本国内の世論を見ても、予定どおり開催

できるという意見は4分の1以下だ。


 一方、過去の大会で圧倒的な強さを誇って

きたアメリカでも、国民や政府が五輪開催を

熱望しているようには見えない。


 実は数十年前に比べ、五輪に対する

アメリカ人の関心は大幅に低下している。

2016年の世論調査では、51%が五輪中継

を熱心に見るつもりはないと答え、開催国

を知っている回答者も半分以下だった。


 競技面で最も成功を収めている国があまり

興味を示さなくなっているのであれば、

大会が中止になっても大した騒ぎにはなり

そうにない。


 五輪開催を最も望んでいるはずのアスリート

たちも、世界中から1万人の選手や関係者が

集まるイベントの危険性を訴え始めている。

なかでも最も目立つスター選手が最も弱気に

なっているようだ。


 女子テニスの4大大会で4度の優勝経験を

持つ日本の大坂なおみは、世界で最も稼ぐ

女性アスリートであり、東京大会での

金メダル獲得が有力視される最も

「市場性の高い」五輪代表選手だが、この夏

に大会が開催できると確信できずにいる。


 2016年リオデジャネイロ五輪で銅メダルを

獲得した男子テニスの錦織圭も、

パンデミック(世界的大流行)に対する日本

の対応に疑問を投げ掛け、大会開催への不安

を口にした。


 女子テニスで歴代最高の選手であり、

今も世界で最も有名なセリーナ・ウィリアムズ

も、リスクの上昇を理由に五輪参加を明言して

いない。


 それでも人間心理を考えれば、東京五輪は

予定どおり開催される公算が大きい。

理由は、程度の差はあれ誰もが陥る

「サンクコスト(埋没費用)の誤謬」だ。

人は何かのために資源や労力を投じると、

途中で止めることをひどく嫌う。

たとえそれが正しい判断であったとしても、だ。


 錦織やウイリアムズのように五輪開催への

疑問を口にするアスリートは圧倒的少数派だ。

開催を確信できない大坂の昨年の年収は

約40億円。

五輪の金メダル獲得は本人の夢だったとしても、

4大大会優勝に比べれば小さな成功であり、

年収にはほとんど影響しない。


 五輪不参加は、大坂にとっては取るに足り

ないことなのだ。

しかし、五輪に参加するほとんどのスポーツ

には、億万長者のチャンピオンはいない。

選手の大半は、キャリアの頂点が五輪である

アマチュアだ。


 五輪の女子体操で史上最も成功したアスリート

の1人シモーネ・バイルズ(アメリカ)でさえ、

大会参加に強い意欲を示し、求められることは

何でもすると言っている。

他のアスリートたちも同様だろう。

五輪に出なければ、キャリアとレガシーが台無し

になる。


 大会が中止になれば、日本の権力者たちの

レガシーも失われることになるだろう。

2013年の招致活動時、日本は開催費用を73億ドル

としていたが、現在の公式発表では約160億ドル

前後。

関係者の間では300億ドル近い費用がかかると

言われている。

過去の夏季五輪の2倍以上の金額だ。


 WHO(世界保健機関)が新型コロナを

パンデミックに認定したのは2020年3月。

その16 カ月後になって五輪を中止するのは、

感染拡大を防げなかったことを認めるのと同じだ。


 しかも、この大会のために10年がかりで

取り組んできた努力が水の泡になる。

人間心理の面から見て、受け入れ難い選択だろう。


【転載終了】

*****************************


 個人的には、五輪を会場で観ようとは

考えたことがないですね。

長野五輪でも会場に行こうという気持ち

は全くありませんでした。


 ちょっと興味のある競技だけテレビで

観ると言う感じでしょうか。


0コメント

  • 1000 / 1000