バッハ会長の「犠牲払うべき」発言は、何を意味するものだったのか?
Sputnik日本
【転載開始】
■バッハ会長の「犠牲払うべき」発言は、
何を意味するものだったのか?
2021年05月26日
日本では東京五輪開催に対する反対の声が
高まり、今なお複数の都府県で新型コロナに
よる緊急事態宣言が継続している中、
大会は予定通りの期間で開催されることに
なっている。
そんな中、国際オリンピック委員会(IOC)
のトーマス・バッハ会長が
「我々はいくらかの犠牲を払わなければなら
ない」と発言し、批判が殺到しているが、
「我々」とは誰のことを指しているのか、
そして「犠牲」とは何を意味しているのか。
「スプートニク」がこの発言について詳しく
分析した。
バッハ会長はアスリートたちはオリンピック
に出場するという夢を現実のものにすること
ができるとし、ワクチンの接種は大会における
安全な環境を整備するための一つの策となる
べきだと述べた。
またIOCは、新型コロナワクチンの接種が
遅れている日本に対し、およそ2万人分の
ワクチンを無償提供する用意があるとしている。
これより前、IOCのジョン・コーツ副会長は、
東京五輪は緊急事態宣言が発令されていても
実施すると発言していた。
コーツ氏は、
「緊急事態宣言下で、5競技のテストイベント
が実施され、成功した。選手や日本の人たちの
安全を守るために整えてある計画はどれも、
最悪の事態を想定したものなので、緊急事態
宣言の中でも五輪は絶対に開ける」と述べた。
ニューヨーク・タイムズのリッチ素子東京
支局長がコーツ氏のこの発言を自身のツイッター
に引用している。
では、今回のバッハ会長の「犠牲払うべき」
発言は何を意図したものだったのだろうか?
「スプートニク」はこれに関して、
ロシアの有名なスポーツ評論家の
ワレリー・ヴィノクロフ氏に見解を伺った。
「バッハ会長の言葉は文字通りに受け取る
べきものではありません。犠牲者はすでに
出ています。何よりもまず、観戦することが
できなくなるであろうスポーツファンたちで
す。3月に日本政府が、海外からの一般観客
の受け入れを断念すると決定したことについ
てコメントしたときにも、バッハ会長は同じ
言葉を用いています。スポーツファン、選手
の友人や家族の落胆に大いに共感し、これは
皆にとっての大きな犠牲であると発言しまし
た。実際のところ、五輪を開催するにせよ、
しないにせよ、一番の「犠牲」となるのは
日本経済です。五輪大会は、ファン、観客、
観光客など、数十万人が集まる国際レベルの
イベントです。これに訪れる数十万の人々が
ホテルに滞在し、交通機関を利用し、カフェ
やレストランで食事をし、買い物をします。
それは莫大な金額で、大会を開催する国の
経済に一定の効果をもたらすものであり、
開催国もこれに期待しています。日本はすで
に五輪の準備、そして延期で多大な資金を
投じてきました。今、計画されているような
形での開催で、この出費を補填するというの
は夢のような話です。加えて、開催でコロナ
が蔓延するリスクもあり、また五輪が開催さ
れたとしても、世界規模のスポーツの祭典に
ならないのは言うまでもありません」。
また最後にヴィノクロフ氏は、IOCと日本
政府が五輪の開催を懸命に進めようとしてい
ることについて言及し、両者が開催を主張す
るのは、莫大なスポンサー契約があるとは
いえ、けしてお金のためだけではなく、
パンデミックによって引き起こされた
全世界的な禍乱よりも重要だとされる五輪が
持つ価値を守ろうとしているのだと指摘した。
【転載終了】
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世界規模の祭典にならなければ、単にIOC
やJOCの自己満足に終わってしまうのですかね?
来年まで引きずったら、日本経済は可成り
ダメージを受けますね。
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