ドイツ紙が指摘「五輪によって、普段は気づかれない日本の問題が明らかになった」

クーリエ・ジャポン


【転載開始】


■ドイツ紙が指摘

 「五輪によって、普段は気づかれない

 日本の問題が明らかになった」

 2021.7.24 


南ドイツ新聞(ドイツ)ほか

Text by COURRiER Japon


 スキャンダル続きで開幕した東京五輪だが、

発覚した数々の問題は、問題を根本的に解決

しようとせず、表面的に対応してやり過ごそ

うとする日本の姿勢が現れただけだと

ドイツ紙は指摘する。

さらに、本大会の強硬な実施は、五輪自体の

危うさを示しているという。


■外国人が批判しなければ見過ごされた問題


 独紙「南ドイツ新聞」では、東京特派員の

トマス・ハン記者が、東京五輪について

「課題に充分対処しない日本の姿勢を多く

露呈する。その姿勢は、日常のなかでは

気づかれないものだ」とコメントしている。


 開閉会式のショーディレクターであった

小林賢太郎が、過去にユダヤ人の大虐殺を

あざけ笑うコントをしていたことで

開会式前日に解任されたが、それは一連の

スキャンダルによる辞任に続くものに過ぎず、

「世界のスポーツ界は、東京大会の次の

スキャンダルが何かと見ている」という。


 開会式の音楽制作担当だった小山田圭吾の

過去の障がい者へのいじめ問題による辞任、

渡辺直美の容姿を侮辱した演出ディレクター

の佐々木宏の辞任、女性蔑視発言をした

森喜朗前会長の辞任と、スキャンダルが続い

た。


 これらのスキャンダルは、新しい担当者

を入れることで対処されてきた。

「このように日本においては、通常すぐに

対応できる解決策が好まれる。しかし、根底

にある問題に目が向けられているのかはわか

らない」と指摘する。


 「結局、女性差別やいじめ、反ユダヤ問題

などは、ただの間違いではない。これらの

問題は、島国の日本では外国人が批判したと

きにのみ問題になるのだ」と述べ、非倫理的

な発言や行いが日本では普段見過ごされ、

充分な対応が取られていないと批判的だ。


■改善のチャンスを逃した日韓関係


 さらに、

「国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ

会長は、東京大会を『連帯』の機会にしよう

と言ってきた」のに、その反対の現象が

「歴史や領土問題で対立する」日韓の間に

起きたことを指摘する。


 「韓国の文在寅大統領は、開会式の間に

菅首相と話がしたいと考えていた。しかし、

成功の見込みがないことから来日を取りや

めた」と韓国政府は発表した。


 「日本の政治家はこの機会を、韓国との

対話の機会に活用せず」、それどころか

韓国の反感を買ったのだ。

「ソウルの日本大使館の相馬弘尚総括公使

が、文在寅政権の対日外交姿勢を軽蔑する

ような言い方をした」と報道された。


 「韓国は平昌五輪を利用して和平外交を

展開したが、菅首相にそんな余裕はない」

と香港紙が懸念


 そして韓国団は

「福島の食品を信用しないために独自の食品

を持ち込み」、「16世紀の日韓の間の戦争を

彷彿とさせる言葉を含む横断幕を、選手村の

外壁に掲げ」、日本側の反発を買うような

動きがあった。


 横断幕は

「五輪憲章に反するとIOCが判断して」取り

下げられたが、根深い日韓の対立が、五輪

でさらに浮かび上がってしまった。


 韓国の五輪選手団は「変なホテル」を

借り切って、独自の弁当を量産する


 「これほどまでに日本の問題があぶり出さ

れたのは、驚いた」とハン記者も述べている。


■IOCは人類のためになっているのか


 一方、ハン記者は「南ドイツ新聞」の別の

記事で、「何が起きても試合を行う」という

精神で押し通された今回の大会は、五輪の

危うさを露呈させ、その意義を問いかける

ものになったという。


 「世界中で死者の数は増え続け、医療の

専門家がスーパースプレッダーイベントに

なりうると懸念を示すなか」での大会では、

「選手はパンデミックを気にしないでいる」

しかない。

「五輪によって人々の健康がおびやかされ」、

「世界は廃墟と化しているのに、テレビの中

の競技はすべて無傷」であるかのような極端

さがある。


 一方、懸念があるのに開催を強硬したこと

で、「スポンサーも悪評を恐れて五輪から

距離を置くようになり」、商業的にも

マーケティングの関係者さえ喜びにくいもの

になってしまった。


 さらに、「感染予防対策がとられているに

もかかわらず、感染者の数は増え続け、試合

に出られなくなった選手も相次いでいる。

感染が充分防げていないことは明らかだ。

そして、「これまでのニュースを見る限り、

現在のパンデミックにおいては、超大型

イベントは機能しない」ことが示されたこと

になると書いている。


 「もし五輪が、過去から続くその象徴する

精神をどんな時でも示さなくてはいけない

ものであり続けるならば、そのうち誰も五輪

を求めなくなるだろう」とし、世界が求める

ものと現在の五輪は一致していないとを指摘

する。

そして、「IOCは、人類のためになっている

のか」、世界は問いかけるべきだと言う。


 「マーケティングやハイテク技術、あるいは

メダルの祝福などの小手先の対応では、グロー

バルに起きている問題は隠せない」のだ。


【転載終了】

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 今回のIOCの姿勢が、五輪の存在意義

まで問われる様になったのでしょうか?


 IOCの上から目線的な姿勢も世界が不快

に感じたのでしょうか?


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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