「酸素が足りない!」・・・
人生100年時代の歩き方
【転載開始】
■「酸素が足りない!」品切れ・入荷待ち
商品とその効果は?
公開日:2021/08/28
自宅療養中の基礎疾患のない都内
40代女性が亡くなった。
感染確認の翌日の出来事だった。
この医療崩壊とも言える切迫した事態
に対し、政府や都が打ち出した対策は
「酸素ステーション」の設置。
ところが、渋谷の施設でさえたったの
130床しかない。
国民は自衛のため、意外な行動に出て
いる。
■「酸素発生器」は玉石混交
今月中旬ごろから東京都新宿区にある
水素吸引専門「MKサロン」に問い合わ
せが相次いでいる。
水素を酸素と共に吸引するものだが、
「酸素はどのくらい含まれていますか?」
「水素吸引器はレンタルできますか?」
といった内容だ。
ここは神奈川工科大学の学生ベンチャー
企業「M&Kテクノロジー」が企業と連携
し、一般家庭用に製造、販売している
小型水素発生器「アクピア」を使用した
サロン。
常連客などからも同じような問い合わせ
が増えているという。
「もともと当社は農家のビニールハウ
スで使用する水素燃料による暖房開発に
取り組んでいて、農家向けに作った機器
です。ただ、近年、水素は医療機関の研究
で抗酸化作用が実証され、水素吸入自体
も厚労省が『水素ガス吸入療法』を先進
医療として認可しています。それで2017
年から一般客向けのサロンをオープンしま
した。原料水がピュアウオーター(100%
H2O)ですから、その排出される酸素も
理論上100%酸素です。ただし、1分間
に250㏄とやや少なめ。何の手段も持た
ない自宅療養を想定した方たちが、興味
を持っているのかと思います」
(元同大准教授で緑ケ丘学院顧問の
矢田直之氏)
在宅医療向けの酸素濃縮器は毎分
1リットル以上の流量があるが、それだけ
「酸素」に関心が集まっていることの表れ
だろう。
「酸素発生器」も注目されている。
アマゾンでは4万~5万円もするような
「家庭用酸素発生器」が売れている。
カスタマーレビューを読むと、ほとんど
は〈万が一のコロナ感染対策として酸素
濃縮器を探していました〉と高評価が
付けられている。
ただし、その一方で〈残念ながら酸素を
ほとんど濃縮できていないことがわかって
しまいました〉といった失敗談も多い。
それだけ焦燥感に駆られて購入している
人も多いのだ。
■市販の「酸素缶」は気休め程度に
手頃な値段でいえば、スポーツ用や登山用
の酸素缶も売れている。
酸素缶コーナーに「入荷待ち」の札が付い
ているドラッグストアもある状態。
アマゾンや楽天などネット通販サイトには
携帯酸素缶が大量に出品されており、
「品切れ」「入荷10日待ち」の商品も少な
くない。
たとえば、スポーツ後の酸素補給や
富士登山用に売られている、岩谷産業の
「ピュア酸素缶」(5リットル、通常価格
825円)は公式サイトでも品切れ。
アマゾンでは2本セット3450円と約4倍
で転売されている。
ニチバンの「バトルウィン携帯酸素」
(5リットル、通常価格1000円)も3本
セットで5480円で販売されているが、
公式サイトやドラッグストアなどで購入で
きず、やむなく手に入れる消費者も多い
だろう。
ほとんどの商品が、スプレー缶の容器に
濃度90%以上の酸素が5~10リットル前後、
入っている。
市販されている酸素発生器や酸素缶は
コロナの簡易療法として使えるのか、
使っていいのか?
浜松医療センター感染症管理特別顧問の
矢野邦夫氏は言う。
「医療機器による酸素吸入は通常、1分間
に1~2リットルから吸入しはじめます。
肺気腫の人では酸素が多いと呼吸が止まる
ことがあるので減量しますが、それでも
毎分0.5リットルです。それから考えれば、
肺炎の状態になった方であれば市販の酸素
発生器では、とても間に合わない製品もあ
ります。また、酸素缶も10リットル缶1本
で5~10分程度しか持ちません。かなり
気休め程度ですね」
ちなみに、ダイバーが背負っている金属製
の容器を「酸素ボンベ」と呼ぶことがあるが、
ダイビング中に使用するものは「空気タンク」
だ。
「入っているのは酸素ではなく空気です。
全く意味はありません」(矢野邦夫氏)
■都の「酸素ステーション」は基本1泊2日
もっとも、都民や国民がここまで酸素を探し
ているのは、自宅療養のリスクが高く、
仮設の酸素ステーションも130床という現実
を突き付けられたから。
今月中に都立病院などにさらに100程度の
ステーションを整備予定というが、とても
足りない。
対象は、救急搬送を要請した人のうち、
軽症と判断された人だ。
「自宅療養中に119番要請してもらい、救急
隊が入院の必要はないと判断した場合でも酸素
吸入が必要であれば、酸素ステーションに運ば
れます。レントゲンなどの機材はないので、
2日ほどしても改善しなければ肺炎を疑い、
医師によって治療できる医療機関への手配など
を行います。基本は1泊2日を想定しています。
余裕があれば事前に下着や着替えのシャツ類
など入院に必要な一式を揃えていただくといい
と思います」
(東京都福祉保健局感染症対策部酸素
ステーション担当)
基本的には酸素飽和濃度が基準値96%以下
なら、酸素吸入を受けられるが、さらに現場
で、医師などが酸素投与が必要かどうかを
判断する。
運ばれても「必要ない」と判断されれば帰さ
れる可能性もある。
また、かながわ緊急酸素投与センターの
場合は、医師によって「酸素吸入及び入院が
必要」と判断されたものの、直ちに搬送先が
決まらない患者を対象にしており、自治体に
よっても運用は異なりそうだ。
万が一に備えることは大事だが、医師の
了承なしに自己判断で酸素吸入するのは
リスクも伴う。
一時回復しても、実際の健康状態は診察を
受けなければわからないためだ。
そのためにも、都や国にはいち早く医療体制
を整えてほしい。
【転載終了】
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オリパラの中止権限は開催都市にあると
言われていますが、都の責任は重大ですね。
正直、パラリンピックでメダルを取った
と騒いでいる状況ではないですね。
都のパワーと装備が足りない状況です。
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