国民が悪い政治を受け入れるのはなぜなのか?

三枝成彰の中高年革命


【転載開始】


■なぜ立憲民主党は議席を減らしたのか

 国民が悪い政治を受け入れるのはなぜ

 なのか?

 公開日:2021/11/13


 先日の衆院選で、立憲民主党が議席数を

109から96に減らした。

魅力ある政策を打ち出せなかったことも

あるだろうが、共産党との連携が拒否反応

を招いたのかもしれない。


 日本の共産党はもちろん違うが、習近平や

プーチンのような独裁者が国民を抑圧し

国家統制を敷こうとする政党だという先入観

を持つ人が多いのだろう。

現代の世界において、確かに共産国家とは

得てしてそういうものではあるが、

そのイメージを日本の共産党に対しても持って

しまっているのではないか。


 私は、自民党が勝った最大の原因は、

国民の多くが現状に満足しているからだと思う。

日本人は自ら変わることを欲せず、内紛や外圧

によってしか変われない体質だ。

昔から「変革」や「革命」を唱えるのが大好き

だが、実際に行ったためしがない。


 大化の改新(仏教伝来)や明治維新

(ペリーの黒船)も、外国からの刺激によって

体制が変わっただけだ。

時に百姓一揆や米騒動などはあっても、

真の「下克上」は起きなかった。

フランス革命のように、圧政に苦しむ民衆が

政府を転覆させたことがないのだ。


 国民が総じておとなしく、政治に文句を言わ

ない日本は、ある意味で「いい国」と言えるの

かもしれない。

これほど為政者にとって御しやすい国民も

そうそういないだろう。


 だが、現実を見てほしい。

「今の生活は豊かで、何の不足もない」と言い

切れる人が、この国にいったい何人いるのか?


 多くの人が大なり小なり貧しさを抱え、

思うに任せぬ暮らしをしているのが現実だ。

しかし、それでも「このままでいい」と考えて

しまうのはなぜなのか?


 厚労省の「国民生活基礎調査」(2019年)

によれば、日本の相対的貧困率

(中間的な所得を下回る世帯の割合)は15.4%。

そのうち子どもの相対的貧困率は、OECD

(経済協力開発機構)の現在の基準に照らすと

14.0%だそうだ。

つまり子どもの7人に1人は貧困の状況にあるの

だ。


 同じ調査で平均所得(約552万円)を下回る

世帯は61.1%、貯蓄がない世帯は13.4%。

「生活が苦しい」と答えた世帯は54.4%に上る。

日本の貧しさは世界的に見ればさほどでもない

のだろう。

しかし、貧しいのは現実だ。治安が良く物価も

安く、一定の住みやすさが保証されているから

「変えて悪くなるよりは現状維持でいい」と

考えるのだろう。


 国民が政治を変える手段は選挙での投票しか

ない。

が、いざその段になると、日本の有権者はみな

二の足を踏む。

保守政権の長期化による政治家や官僚の思考の

硬直化は良くないと誰もが分かっているはず

なのに、だ。


 江戸時代から

「世間に対して不平不満を言う者は人間が

なっていない」と儒教の影響の下に教え込まれ

たためだろうか。

そして今回も私たちは、変わるチャンスをまた

自らの手で遠のかせた。

16世紀フランスの裁判官

エティエンヌ・ド・ラ・ボエシの「自発的隷従論」

に、「悪い政治が成り立つのは、国民が進んで

それを受け入れているからだ」とある。

約500年後の日本にも同じことが起きている。


 「流れる水は腐らない」という言葉は、この国

ではすっかり忘れられたようだ。

濁った水を再び流れさせるには、政治に物申す

国民が必要なのだ。


【転載終了】

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>日本の共産党はもちろん違うが、

習近平やプーチンのような独裁者

が国民を抑圧し国家統制を敷こう

とする政党だという先入観を持つ

人が多いのだろう。


 中国の政治に近いのは、共産党

より安倍政治と言われているんで

すけどね。


 独裁的な権力者は、自分の権力

維持のため、在任期間を勝手に延長

させます。

プーチン然り。

習近平然り。

そして、安倍晋三然り。


>昔から「変革」や「革命」を唱え

るのが大好きだが、実際に行ったた

めしがない。


 日本国民は変革を嫌うというのは

私も以前から書いてきていますが、

このことは、世界の共通認識になり

つつあるかも知れないですね。


 この情報弱者と言われるB層を

官僚が、「無知蒙昧」な「有象無象」

といったのは変革を嫌う国民に対し

ての揶揄ですね。


 もうそろそろ、この国を変えない

と、激しく変わりゆく世界情勢から

取り残されていきます。


 いま、大きく変わったのは中国で

すね。

技術的には、まだまだ日本が優位だ

と思いますが、追い越されるのも、

そう遠くはないでしょう。


 人口13億人超の国は優秀な人材の

宝庫ですからね。


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