五輪後に団塊ジュニアたちの大量介護離職危機が訪れる・・・
日刊ゲンダイ
【転載開始】
■五輪後に団塊ジュニアたちの大量介護離職危機が訪れる
2017年7月24日
2021年、東京には昨年開かれたオリンピックの余韻が
まだ残っている。
一方で、この20年余り、静かにそして刻々と進んできた
人口減少&超高齢化社会が、目に見える現実のモノと
して日本に舞い降りてきている。
ある時は人々の生活に重くのしかかり、またあるときは
5年前にすら想像できなかった重大事が起こり始めて
いるのだ。
それは、どんな現象なのか――。
宴の後の近未来を予測する。
1億2410万人――。
21年、総務省が日本の総人口(20年末現在)を
発表した。
予測されていたことだが、日本の総人口は08年
(1億2806万人)をピークに減少が続いている。
その推移はこんな感じだ(20年以降は推計値)。
10年…1億2805万人
15年…1億2709万人
20年…1億2410万人
25年…1億2066万人
30年…1億1662万人
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、
この流れは今後、加速度的に進み、60年には
8674万人にまで減るという。
1980年代から続く少子化の流れに歯止めが
かかっていないのだから、当然の結果なのかも
しれない。
人口減少と同時に高齢化の波もオリンピック以降、
スピードを増す。
後期高齢者=「75歳以上の人口」の推移を見れば
一目瞭然といっていい。
10年…1407.2万人
15年…1645.5万人
20年…1873.2万人
25年…2166.1万人
30年…2265.3万人
10~15年は238.3万人増、15~20年は
227.7万人増、20~25年は292.9万人増だから、
まさにオリンピックを境に75歳以上の老人が
ググッと増える。高齢者の高齢化が進むのだ。
■団塊の世代の7人に1人が家族の世話に……
先ごろ、「未来の年表」(講談社現代新書)を上梓した
河合雅司・大正大学客員教授(人口政策)がこう言う。
「21年から団塊世代が次々に75歳になり、後期高齢者
人口の増加に拍車が掛かります。そのとき、最も心配なのは
彼らが体力的にも病気発症率的にもリスクが高い年齢になる
ということ。つまり、団塊世代が介護される世代になるわけで、
その負担は団塊ジュニアたちにのしかかってくるのです」
国民生活基礎調査(平成28年)によれば、要介護者の
年齢別の構成割合はこうだ。
40~64歳…4.1%
65~69歳…4.4%
70~74歳…7.7%
75~79歳…14.5%
80~84歳…24.6%
85~89歳…24.3%
90歳以上…20.5%
要介護者の割合は、75歳を機にポンとハネ上がり、
80歳でさらにドンと増える。これが現実だ。
団塊世代の出生数は約800万人。
今でも約700万人近くが生きている。
年齢別の要介護割合では、団塊世代の14・5%、
つまり7人に1人が配偶者や子の世話になる。
21年は団塊世代・介護元年と言ってもいい。
「4年後、団塊ジュニアのトップは50歳になる。職場では
中心的役割のポジションですが、家庭で介護が発生したら
仕事への影響は避けられません。親の通院や介護で休み
たいと言えば、重要なポジションから外されかねないし、
休みが増えれば給料も減る。介護は出口がなく、10年間
寝たきり状態もあり得る。仕事と介護のはざまで追い詰め
られ、離職する人も出てくるでしょう。会社の1つのセクション
で3~4人が要介護の親を抱え、早く帰ったり長期で休む
時代が来る。21年はその始まりの年になるのです」
(前出の河合雅司氏)
大変な時代の到来だ。
【転載終了】
**************************
この介護問題は、息子が介護士として仕事を始めた
5年ほど前から取り上げています。
まあ、自身も親の介護をしていたのもありましたが。
文中の団塊ジュニアが介護にかかわる時のことも
書いてきましたが、日本の経済に影響を与えることも
ありそうですね。
施設への入所が困難になることが予想され、
在宅介護がかなり増える可能性があります。
団塊ジュニアが仕事でも重責を担うことになり、
必然的に介護は配偶者となる可能性があります。
この時に仕事中心になり、奥様にだけ介護を押し付けると、
壮年離婚に結びつきます。
私も両親の面倒を7年みていますが、
親の介護はすごいストレスになります。
妻も義母の介護がほぼ同じくらいの期間になり、
お互いが介護でストレスを持っているので、
それゆえ、お互いの辛さもわかりあえますし、
親が痴呆でないだけよかったと思うことにしています。
以前、「姻族関係終了届」が年々増えていることを
書きましたが、奥様にとって、嫁ぎ先の義理親は
所詮他人だということを忘れない方がよいでしょう。
奥様が両親の面倒を見てくれているのなら、
感謝の気持ちが重要です。
0コメント