限界国家ニッポン この国は巨大な「限界集落」だった・・・
週刊朝日
【転載開始】
■限界国家ニッポン この国は巨大な「限界集落」だった…
日本中がゴーストタウンになり、若者は消え、
高齢者は見捨てられる……。
人口減少で予想される悲惨な未来が、目前に迫っている。
2022年に団塊世代が75歳の後期高齢者になり、
日本は「限界国家」に向かう。
社会保障は破綻し、人心は荒廃する。
この国に残された時間は少ない。
ある中国地方の市は、かつて市内に誘致した大学に頭を
抱えている。
若者の流出を防ぐためだったが、少子化で今や学生確保も
ままならない。
地元議員は嘆く。
「定員割れが続き、経営に影響が出始めている。大学が
潰れたら若者がさらに減るから、市としては何とか大学を
存続させたい。施設費など、いろいろな名目で数千万円
規模の補助金を出しているが、いつまで持つか……」
こうした悩みは、全国の多くの地方の大学に共通する。
国内で1992年に205万人いた18歳人口は、今や約120万人。
近年は横ばい傾向だったが、2018年以降さらに減り続け、
31年に100万人を割り込むと見込まれる。
若者の減少は大学経営に直結する。
日本私立学校振興・共済事業団の調査では、全国の
私立大学の44.5%が16年度に定員割れ。
教育情報を提供する大学通信の安田賢治ゼネラル
マネージャーは言う。
「学生が集まらない私立大のなかには、自治体に経営権
を渡して公立化する学校もあります。09年の高知工科大を
皮切りに、8大学が公立化しました。公立化で学費が下がって
受験者は増えますが、自治体の財政負担増は避けられません」
都市部には受験者が増える有名私大もあるが、
大半の大学は学生集めに奔走する。
日本人だけでは運営に必要な人数を確保できず、
留学生募集の説明会を海外で開く大学も少なくない。
運営に行き詰まって破綻する大学はまだわずかだが、
小中高校はすでに各地で統廃合が相次いでいる。
日本国際交流センター執行理事の毛受(めんじゅ)敏浩氏は
言う。
「文部科学省の調査では、02年度から13年度までに廃校と
なった小中高校の数は5801校。毎年約500校が消えています。
15~64歳の生産年齢人口減少は10年以上前から始まり、
通勤や通学に公共交通機関を利用する人が減りました。
バス路線は06~14年度の間に年平均で約1600キロが廃止に
なりました。人口減少は『静かな大津波』となって日本を襲って
います」
毛受氏は、日本が直面する危機を『限界国家 人口減少で
日本が迫られる最終選択』(朝日新書)にまとめた。
かつて、農村部などの過疎地を指す言葉として「限界集落」
という言葉がよく使われた。
65歳以上の高齢者が過半数を占め、若者は地域の外に出て
少子化が進み、冠婚葬祭などの行事もままならない。
こうした姿は今後集落にとどまらず、都市部にも及び、
日本全体が「限界国家」になるという。
「人口の将来予測は精度が高い。日本は10年代に273万人
減りますが、減少傾向はその後さらに加速し、20年代に
620万人、30年代に820万人、40年代に900万人が減少します」
(毛受氏)
25年後の人口は、現在より1740万人少ない1億913万人と
推計されている。
減少分は、九州7県と四国4県の人口より多い。
四半世紀で11県分の人口が日本から“消える”のだ。
人口が減れば、上下水道などのインフラ、病院や商店など
社会生活に必要な施設の維持も難しくなる。
総務省が7月19日に発表した「買物弱者対策に関する実態
調査」によると、自宅近くにスーパーなどがなく、買い物に困る
「買い物難民」は、現在約700万人いる。
頼みの綱となるのは移動販売や宅配サービスだが、こうした
買い物支援業者の45%が赤字経営。
事業継続を断念した業者も12%あったという。
「今後は、農村部だけではなく、大都市やベッドタウン、地方
都市でも問題が深刻化する可能性があると指摘されています。
移動販売や宅配サービスは、運転手の確保や燃料費の負担
が大きい。一人あたりの買い物の金額も低く、利益を出すのが
難しいのが実情です」(総務省行政評価局)
人口減少に付随する問題は、これから次々に表面化する
ことになる。
年表は、超少子高齢化社会で日本がどのように変わって
いくかをまとめたものだ。
22年には団塊世代が75歳の後期高齢者となる。
26年ごろには認知症患者が800万人になる。
厚生労働省の推計によると、25年に不足する介護職員数は
37万7千人。介護保険を払っているが、介護サービスを受けられ
ない人も続出する恐れがある。
家族の介護のために仕事を辞める人は現在、年間10万人超と
言われる。
離職する層は今後、団塊ジュニア世代にも広がっていく。
「若者が減ることで、介護分野に限らず、工場に勤める人も
農地を耕す人もいなくなり、日本はゴーストタウン列島になる。
40年ごろには年20万人、週平均約4千人の孤独死が発生する
とも言われます。現役世代の社会保障負担の増加も避けられ
ません。今の日本は住みやすい国ですが、近い将来にそうでは
なくなる。国の未来に希望がなくなれば、海外に移住する若者も
増えるでしょう」(毛受氏)
限界国家への道を突き進んでいるのは、日本の社会保障制度
に問題があるとの指摘もある。
財政社会学が専門の井手英策慶応大教授は言う。
「日本の社会保障は、高度経済成長を前提につくられています。
自分で働いて貯金をし、教育、医療、老後の備えなどをすべて
自己責任で負担してきた。21世紀に入って低成長時代になり、
家計貯蓄率は今やゼロに近いところまで落ちました。世帯収入も
300万円未満が全体の33%、400万円未満は47%。夫婦共働き
でも、子どもを2人以上産んで大学まで進学させることが難しい」
間近に迫る危機は、20年の東京オリンピックだという。
「東京オリンピック後の5年間、実質経済成長率の予測は平均
0.5%で、30年にはゼロになります。戦後の高度経済成長が再び
訪れる可能性は低いのです。20年秋以降、日本は喪失感に
襲われることになる」(井手教授)
【転載終了】
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私も出来ればポジティブな話題を書きたいのですが、
「ポジティブな話題は書かなくても広がるので、
あえてネガティブな話題を記事にしている」、
と定期的にネガティブな記事を書く言い訳をしています。(苦笑い
さて、衝撃的なタイトルですが、私も10年ほど前から親の介護が
必要になり、危機感を持ってきていました。
自分たちが高齢の入り口に入り、親が長生きすることで、
自分たちの健康問題の不安もあり、面倒を見切れるのだろうか?と。
両親の知人や同級生などは非同居の高齢世帯が少なくないので、
生活に支障が出るようになっても長年の別居ですので、
今更の同居は難しく、施設に入ることになります。
しかし、施設も待機が多く、息子さんや娘さんが定期的に通うか、
ヘルパーさんをお願いするかです。
市の単位でも、高齢独居世帯や空き家など、
見えにくい限界集落化が起こっていることも知るべきです。
ちょっとしたことですが、我が地区は男性の高齢化が
進んでいるのか、地区の奉仕活動に女性の参加が
増えてきています。
一昔前には、ご婦人の参加は2~3人程度でしたが、
現在では1/3程まで増えています。
ご婦人て、おしゃべりが多くて動かないんですよね!(苦笑い
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