必ず揺り戻しがある 早すぎた「自民圧勝」選挙予測の吉凶・・・

日刊ゲンダイDIGITAL

【転載開始】

■必ず揺り戻しがある 早すぎた「自民圧勝」選挙予測の吉凶


 いやはや、何かの間違いじゃないのか。

22日投開票の衆院選で、新聞・テレビが

そろって報じた世論調査の結果のことだ。


 「自民党は単独過半数(233議席)を大きく

上回りそうで、小選挙区・比例区とも堅調」

(朝日新聞)


 「自民党は単独で衆議院の過半数233議席を

大きく上回る勢い」

(読売新聞・日本テレビ)


 「自民、公明両党で300議席に迫る勢い」

(日本経済新聞)


 「自民党は小選挙区、比例代表で優位に立ち、

公明党と合わせた与党で300議席超をうかがう」

(共同通信)


 ナント! 驚くことに総じて自民圧勝予想である。

序盤情勢でこんなに大差がつけば、

有権者の中には勝ち馬に乗ろうとする

「バンドワゴン効果」が働く可能性も否定できない。

どうりで最近、テレビで見る安倍首相の顔が

余裕シャクシャクのはずだ。

自宅で「日本のイメルダ夫人」こと昭恵夫人と酒を

酌み交わし、手を叩きながら「クックック」とほくそ

笑んでいる姿が目に浮かぶようではないか。


■憲法違反の解散も過去の暴政も認めるのか


 こんなバカげた状況になっているのも、

緑のたぬき・小池百合子都知事率いる「希望の党」

が勝手にコケて“不戦敗”が濃厚となったためだが、

このまま「自民圧勝」なんて冗談ではない。

メディアの予想通りなら、衆院選後の特別国会で

首相に指名されるのは国難男、安倍である。

そうなれば「みそぎは済んだ」とばかり、

今まで以上にやりたい放題。

森友疑獄や加計問題だって、強引に幕引きを

図るだろう。

そうして、例によって「3本の矢」(2013年)、

「女性活躍」(14年)、「1億総活躍」(15年)、

「働き方改革」(16年)、「人づくり革命」(17年)

……など、またぞろワケの分からない新たな

キャッチコピーを作って「仕事してます」をアピール。

国民の目をゴマカシ、ウラではせっせと「戦争国家

づくり」の地ならしを進めるのは間違いない。


 政治学者の五十嵐仁氏がこう言う。


 「予想通り自民大勝となれば、憲法違反といわ

れる大義なき解散を認めた上、これまでの約5年間の

安倍政権の暴走政治を肯定したことになる。つまり、

特定秘密保護法や安保法、共謀罪などの国会審議を

無視した政治手法を認めたということです。自民党は

消費税引き上げ後の使途を選挙争点にしているわけ

ですが、それをOKというのは、どんなに不景気で

あろうと引き上げて構わない、とゴーサインを出した

のに等しい。さらに言えば、トランプ大統領は11月に

来日すると報じられていますが、その時、仮に安倍さん

が首相であれば何を言い出すか分かりません。北朝鮮

に対して『あらゆる選択肢』と言っているわけですから、

それこそ米国と一緒に戦争を仕掛ける、とも言い出し

かねないのです。日本は内政でも外交でも、とんでも

ないことになるかもしれない。国民にとっては地獄の

扉が開けかけている、と言っていいでしょう」


 満州事変から国際連盟を脱退し、戦争に突き進んで

いった当時の日本では盛んに「国難」が強調されたという。

「いつか来た道」をたどるなんて事態は絶対にあっては

ならないのだ。


<安倍政権「不支持」「野党議席増」が国民の本当の声だ>


 そもそも、衆院解散前の国民世論は安倍に批判的

だったはずだ。

共同通信が9月30日~10月1日に行った調査では、

安倍内閣の不支持率は46.2%で、支持率(40.6%)

を大きく上回っていたし、読売新聞の調査(10月7~8日)

でも不支持率(46%)が支持率(41%)より高かった。


 NHKの調査では、安倍が衆院の解散、

総選挙を決めたことに対し、「あまり評価しない」

「まったく評価しない」との回答が65%にも達し、

選挙後の与野党の議席について「野党の議席が

増えた方がよい」(32%)が「与党の議席が増えた

方がよい」(21%)を上回っていた。つまり、国民の

多くが安倍政権に「NO」を突き付け、野党の議席

増を望んでいるのだ。さすがに今回ばかりは自民

圧勝という結果にならないのではないか。


 しかも自民党は公約で「憲法改正」をハッキリと

掲げている。自民の改憲草案を読むと、9条以外

にも前文の「不戦の決意」や「個人の尊重」(13条)

を削除し、「表現の自由」(21条)や「基本的人権」

(11条)を制限している。

まるで江戸幕府が農民統制のために発令した

「慶安の御触書」と同じだ。


 何よりも恐ろしいのが、ヒトラーが独裁のために

乱用した「大統領緊急措置権」と同じ効果を持つ

「緊急事態条項」を盛り込んでいることだ。

自民に希望が加担――なんて事態になれば最悪だ。

やれ北朝鮮の脅威だ、日米同盟のためだ、と煽りまくり、

ドサクサに紛れて緊急事態条項を持ち出して国民の

自由を奪い、時代錯誤の国家主義化をどんどん

進めるだろう。


■自民支持は全有権者のたった2割


 これぞ「戦後最大の国難」。

心ある国民は今こそ安倍自民に対峙するために

総決起するべきだ。

序盤情勢であきらめる必要は全くない。

共同通信の調査では、小選挙区の投票先未定は

5割を超えているのだ。

大体、14年の衆院選だって、自民に投票した有権者

が1765万人だったのに対し、民主や共産など4野党

の投票者は1818万人もいたのだ。

選挙に行かなかった有権者は実に4922万人にも

上った。

要するに自民支持者は全有権者の2割しかいないのだ。


 あらゆる手段を使って安倍自民を倒すための投票を

呼び掛け、残り8割の有権者が結集すれば、

まだまだ与野党逆転は十分可能だ。


 実際、1996年と2000年の衆院選では、

序盤で「自民過半数」と各メディアが報じたものの、

フタを開ければ結果は全く違ったし、今夏の都議選だって、

世論調査と違って自民は歴史的な大惨敗を喫した。

勝負はこれからだ。


 政治評論家の森田実氏がこう言う。


 「勢いのある、大きな追い風が吹いている野党を

押し上げる。つまり、立憲民主党を押し上げることが

大きなカギになります。すでに世論調査の議席予想で

30ほどと出ていますが、立憲から70人以上の候補者

が出ているわけですから、これを40、50議席になるよう

支援する。そうなれば状況はひっくり返せますよ」


 「憲政の神」と呼ばれた護憲運動の政治家・尾崎行雄は、

民主政治読本で〈政治の善悪を正そうとはせず、

泣く子と地頭には勝たれぬものと諦めて、税金を作るために

娘が身売りするのを美徳と教えるほど人権を無視する

ことが封建政治の本領である〉と書いていた。

あきらめて安倍自民を圧勝させたら、封建制に逆戻りだ。

ウソつき安倍独裁政権の継続を許し、言いなりの奴隷国民

となって米国と一緒に戦争に突き進むのか――。

ストップをかけるのであれば、とにかく自民には投票しない

ことだ。

共産党という選択肢もある。

「自民圧勝」なんて大騒ぎしている大マスコミにも一泡

吹かせてやろうではないか。


【転載終了】

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 何となく、タイトルは決められていたような、

アンコンメディアの報道という感じではありますが。


 何れにしろ、今回は海外紙も注目しているので、

有権者の政治意識の質が試される選挙でもあるような

気がします。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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