大阪は東京の3倍、人口100万人当たりコロナ死者数・・・

Business Journal


【転載開始】


■大阪は東京の3倍、人口100万人当たり

 コロナ死者数・・・重症者は東京より少、なぜ?

 2022.02.18


■「新型コロナ死者数全国一位」に返り

 咲いた大阪府


 東京都における今の感染爆発も異常だが、

大阪府はそれにも増して危険な状況にある

ようだ。

2月9日、大阪府が不名誉なこと極まりない

「新型コロナ死者数全国一位」の座に返り

咲いた。

この日、公表された東京都の死者数は11人

であり、累計で3269人となったのに対し、

大阪府は31人で累計は3278人となり、

東京都を9人上回った。


 以来、ワーストの座をキープし、その差

も日々広がり続けている。

感染「第5波」下にあった昨年5月16日、

15人の死者が確認された大阪府の

累計死者数が1958人となり、同日までの

東京都の累計死者数1951人を7人超えて

いた。

以来、昨年10月6日までのおよそ5カ月

もの間、大阪府はワーストの座にあったの

だが、それ以降は東京都が抜き返していた。

ワーストに返り咲いたのは、その時以来の

ことだ。


 言うまでもなく大阪府は、東京都よりも

人口が少ない。今年1月1日現在の推計人口

は、東京都が1398万8129人であるのに対し、

大阪府は879万7153人と、その差は1.6倍。

にもかかわらず、大阪府の死者数のほうが

多いのである。

いったい今の大阪で何が起きているのか。


■東京では「80人に1人」でも大阪では

 「62.7人に1人」


 2月10日、東京都のモニタリング会議で

専門家が、「現在、都民のおよそ80人に

1人が検査陽性者として、入院・宿泊・

自宅のいずれかで療養している」と発言し、

世間を驚かせた。

では、大阪府でこの値はどうなっている

のか。

2月12日時点の数字で筆者が計算してみた

ところ、大阪府で入院・宿泊・自宅の

いずれかで療養している人は14万254人で

あり、今年1月1日現在の大阪府の推計人口

は879万7153人なので、62.7人に1人が

新型コロナで療養中――ということになる。


 比較の意味で同じ日の東京都の値も計算

してみたが、2月12日現在、入院・宿泊・

自宅のいずれかで療養している人は

17万8808人であり、今年1月1日現在の

東京都の推計人口は1398万8129人なので、

78.2人に1人が新型コロナで療養中――と

いうことになる。

2月10日の時点よりも若干悪化しているが、

それでも大阪府のほうがひどい値だ。


 NHKが報じたところによれば、

直近1週間(2月4日から2月10日まで)の

「人口10万人当たりの感染者数」を見ても、

大阪府は全国で最も多い1031.05人と、

全国で唯一1000人を超えているのだという。

現在の大阪府は、新型コロナウイルスに感染

する頻度が日本一高い地域なのである。

だから新型コロナ死者数も全国一位なのか。


■感染した入所者を家族に引き取らせる

 介護施設


 ただし、重症者数は大阪府より東京都の

ほうが多い。

国の基準で集計した重症者数は2月12日現在、

大阪府の193人に対し、東京都は611人。

東京都の3分の1である。にもかかわらず、

大阪府の死者数のほうが多いのは、大阪府

の医療現場が今、危機的な状況下にある

ことを示すシグナルなのか――。


 と考えていたところ、2月12日のTBS

『報道特集』が、まさにその「大阪府の

新型コロナ死者」問題を取り上げた。

2月11日までの10日間における

人口100万人当たりの新型コロナ患者の

死者数は、東京都が6.0人であるのに対し、

大阪府は21.7人と、3倍以上にもなって

いるのだという。


 同番組では、大阪府民の感染者が医療に

たどり着けていない現状をレポートして

いた。

クラスターが発生した大阪府内の介護施設

に医師の往診チームが訪れると、その前日、

間に合わずに100歳の入居者が亡くなって

いた。

保健所の手が回らず、この介護施設で

陽性患者を確認してから10日以上が経って

も治療を受けられずにいたのだという。

この施設では、医療に携わった経験のない

介護職員まで感染者の看護に借り出され、

疲弊していた。


 驚かされたのは、クラスターが発生した

高齢者施設から、感染した80代の親を自宅

に引き取るよう要請され、離れて暮らして

いた50代の娘が、実家で親の介護に

当たっていたシーンだ。

娘さんは、実家を訪問した医師に対し、

「私、『濃厚接触者』になりに来た。自ら

火の中に飛び込んできた」と嘆く。

今回の「第6波」でもまた、大阪の医療

体制は崩壊していた。


 一方、番組には、保健所ではなく専門の

医師が入院調整に当たり、持病のある

高齢患者の救命に成功している沖縄県の

医療現場も登場。

大阪府の現状と比較される。


 こうした例をはじめとして、「第6波」

で各地の自治体では、感染爆発で保健所

が機能不全に陥る中、地域の開業医や薬局

などが保健所の仕事を手分けしてサポート

し、入院できずに「自宅療養」をする患者

を地域一帯で見守り、重症化を防ぐ取り組み

が実践されている。

パンクした保健所の実情を踏まえた取り組み

は、言うなれば“オミクロン・シフト”である。


 ところが大阪市には保健所が1つしかなく、

270万人もの大阪市民の感染症対策を、

ここが一手に引き受けているのだという。

保健所の手が回らず、大阪府が「新型コロナ

死者数全国一位」となった背景には、この

「1つの保健所」問題もあると、『報道特集』

は考えていたようだ。


■どうすれば、大阪府の死者数を減らせる

 のか


 その『報道特集』に対し、放送2日前の

2月10日、会見の場で同番組の質問を受けて

いた吉村洋文・大阪府知事が嚙みついた。

同日、次のようなツイートを発信したのだ

(原文ママ)。


〇吉村洋文(大阪府知事)


 「維新が保健所を減らした!」という

ネット上のデマを、全国放送の記者から質問

がありました。

維新府政市政で保健所を減らしたことはあり

ません。

府保健所を中核市に順次移行していますが、

これはあるべき姿で、数も減っていません。

府内の常勤保健師数も減っていません。

逆に増えています。


詳しくは↓

 「全国放送の記者」とはおそらく、

『報道特集』キャスターの金平茂紀氏のこと

を指しているのだろう。

そして番組放送後、吉村知事の支持者や

大阪維新の会の支持者らが、SNS上で猛然

と『報道特集』批判を繰り広げていた。


 だが、大阪府が危機的状況にある今、考え

なければならない問題は、「どの知事が

保健所や保健師の数を減らしたのか」につい

て責任追及することではなく、

「どうすれば、感染者の増加に感染者数の

入力作業がついていけずに1万2700件もの

入力漏れが発生するような事態を防げるのか」


 「どうすれば、保健所による健康観察の対象

を原則65歳以上に限定するようなことをしなく

て済むのか」


 「どうすれば、高齢者施設で療養している

新型コロナ患者の症状が悪化した場合に、すぐ

に119番通報するのを控えるようなことをしな

くて済むのか」


 そして

「どうすれば、大阪府の死者数を減らせるのか」

なのである。本稿でも触れたとおり、『報道特

集』も保健所の数だけを問題視していたわけで

はない。


 大阪府は、こうした問いかけに対する答えを

持ち合わせていないから、今の悲惨な状況が

ある――と考えるのが自然だろう。

(文=明石昇二郎/ルポライター)


【転載終了】

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 維新支持者っていうのは、安倍支持の

ネトウヨが移ったのではとも言われていま

すね。

だから、安倍支持者のようなSNS上で

猛然と『報道特集』批判を繰り広げている

とも。


 ただ、なぜ、大阪だけがこれほど悪化する

かが問題視されているのでしょうね。


LC=相棒's のじじ~放談!

時事関係や自動車関係などの記事を書いています。

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