ロシア軍の実力は「起きなかったこと」に注目すれば分かる
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【転載開始】
■ロシア軍の実力は「起きなかったこと」
に注目すれば分かる
PUTIN’S POTEMKIN MILITARY
2022年3月14日(月)
ダニエル・グロー
(欧州政策研究センター研究部長)
<戦争に勝つには産業力と経済力が
不可欠。制空権を奪えず、サイバー攻撃
もできていないロシア軍の実態は
「ポチョムキンの軍隊」だった>
戦争とは意志と意志の戦いだ――
約2世紀前、プロセインの軍事戦略家
カール・フォン・クラウゼヴィッツは
そう唱えた。
ならば、祖国防衛に燃えるウクライナ人
は、侵攻するロシア軍より明らかに有利
な立場にあるだろう。
だが戦争に勝利するには、意志を支える
軍事手段がなければならない。
そのためには、産業力と経済力が不可欠だ。
ロシアの経済力と産業力はせいぜいでも
中規模国家レベル。
製造業生産はドイツの半分で、EU加盟国
のGDP合計はロシアの10倍近い。
しかも、欧米による新たな経済制裁の打撃
はこれからだ。
国防費増額に消極的だったドイツは2月末、
ウクライナ侵攻を受けて、今年度の防衛予算
を1000億ユーロ超に引き上げると発表した
が、それでもGDPに占める割合は2.5%ほど
だ。
一方、ロシアの国防費はおそらくGDPの
4%を上回る。
ただロシアも経済に占めるシェアこそ
大きいものの、特に「大国基準」に照らせ
ば、金額自体は控えめだ。
2020年の軍事費はドイツが500億ドル強
で、ロシアは推定約600億ドルだった。
こうした支出水準やロシアの統治システム
にはびこる汚職を考えると、長期戦に耐えら
れる現代的な大規模戦闘部隊を構築しながら
桁外れの核戦力を維持し、大国としての野望
を世界規模で推し進めるのは不可能な偉業だ。
ロシア軍の実態は「ポチョムキンの軍隊」
でしかなかったらしい。
ロシア帝国の軍人でクリミアの開発を率い
たグレゴリー・ポチョムキンは、1787年に
エカテリーナ2世が視察に訪れた際、
偽の村落を設置して現実を隠したという。
この言い伝えから、ポチョムキンの名前は
「見せ掛け」と同義になった。
ポチョムキンの手抜き開発が招いた
インフラ面の弱点、および不十分な物資輸送
能力は約60年後のクリミア戦争でロシアの
防衛力を著しく妨げた。
ウクライナに侵攻した現在のロシア軍部隊
が食料・燃料不足に直面しているという報道
は、当時の教訓を学ばなかったことを示唆す
る。
ロシア軍の資源不足の結果を理解するには、
ウクライナで起きていることだけでなく、
起きていないことに注目すべきだ。
ロシアは通信などの電子制御システムの
破壊に失敗している。
長年の通説では、ロシアの軍事攻撃には
「破壊的な」サイバー攻撃が伴うはずだった。
だが、この脅威は実現していない。
はるかに豊富な人材と米テクノロジー大手
のノウハウに基づいたサイバー戦闘能力を
持つ欧米の情報当局が、ウクライナを支援し
ているためだろう。
もう1つの現実化していない脅威が空軍力
だ。
ウクライナの約10倍の航空機を擁するにも
かかわらず、ロシアは制空権を奪えていない。
原因は精密誘導ミサイルなど、高額兵器の
数に限りがあることだ。
同様に、効果的な訓練にはカネがかかるから
か、パイロットはかなり経験不足のようだ。
重要な兵器運搬システムも更新されていない。
今回の侵攻に際し、
ロシアのプーチン大統領には2つの選択肢が
あった。
大量の精密誘導ミサイルを準備するか、大量
の外貨準備高を確保するか。
選んだのは後者だ。
前代未聞の経済制裁でロシアの外貨準備の
約半分が凍結状態に陥った今、その選択を
後悔しているに違いない。
プーチンは物資面で劣る立場で戦争を
始めた。
欧州が防衛投資に踏み切る動機を与え、
国民の士気をくじく経済衰退の道にロシア
を追いやり、自由を守ろうとする
ウクライナ人の闘争心に火を付けた。
ウクライナの人々の決意と欧米の
(おそらく)無制限の支援は、プーチンの
戦争の潮目を変えるかもしれない。
さらには、プーチン体制の行方も・・・・・。
【転載終了】
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プーチンが米国に誘導されて
しまったのでしょうかね?
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