GPIFに「次々湧き上がる疑問」・・・

週刊現代


【転載開始】

■連続黒字は一体なぜ…?GPIFに「次々湧き上がる疑問」


■そもそもGPIFは必要か?


 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の

収益が、5四半期連続の「黒字」となった。


 '17年度第2四半期(7-9月期)の収益額は

4兆4517億円で、世界的な株高や対ユーロの

円安が進んだ結果、GPIFの資産運用に追い風

となったという。


 これまでGPIFの運用方法については、賛否両論

さまざまに論じられてきたが、今回の5四半期連続

黒字はどうか。

この成果はGPIFの運用力が高まった結果とみる

べきなのか、それとも単なる株高の「他力本願」に

よるものなのか。


 GPIFは、四半期ごとの運用状況、年度の運用状況

を公開している。

'16年度の運用資産全体の収益率は5・86%だった。

この数字を評価するには、市場全体の平均収益率を

示す「ベンチマーク収益率」が重要であり、それは

6・22%だった。

つまり、昨年度の実績でいえば、GPIFの運用力は

平均的な市場運用に対して0・36%及ばなかった

ことになる。


 では、今回の'17年度第2四半期はどうかというと、

収益率は2・97%だった。

ベンチマーク収益率は2・96%となっており、

運用力は平均的な市場運用とほぼ同じだった。


 こうしてみると、たしかにGPIFの運用実績は

昨年度よりも向上しているが、5四半期連続の黒字は

GPIFがすごい成果を上げたわけではなく、

ただ好調な株式市場で人並みの運用に成功しただけ

ということがわかる。


 そうすると浮かび上がってくるのは、そもそもGPIFは

必要なのかという根本的な議論だ。


■10兆円もあれば十分なのに…


 実は、海外では国民の公的年金を積立原資として

運用している国はそれほど多くない。

年金積立金が多い国の中で、カナダ、スウェーデンは

比較的株式投資比率が高いが、アメリカや日本は

そうではない。

そして、イギリス、フランス、ドイツは年金積立金が

ほぼないとされている。


 ほかに市場運用を行っている国家として、

ノルウェー政府年金基金、オランダ公務員総合年金基金、

アイルランド国民年金積立基金が挙げられる。

アイルランド国民年金積立基金は、年間数兆円規模の

運用にとどまっている。


 一方ノルウェー政府年金基金は100兆円、

オランダ公務員総合年金基金は40数兆円とそれなりの

規模だが、ノルウェーは資産運用に石油から得られる

収入を組み入れているし、オランダは公務員の年金であり、

国民の年金ではない。


 日本の年金制度は現役世代が現在の年金受給者の

年金を賄う賦課方式が主だ。

そのうえ、100兆円以上の積立金を持つというのは、

先進国での年金財政運営の例と比較するとあまりにも

特異だ。

しかも、保険料を多めに徴収して積立金を作り、

不必要な運用リスクを抱えるのに、結局給付額は他国と

それほど大差ない。


 その観点からみると、積立金は年金運営の流動性を

確保するために10兆円程度あれば十分だと筆者は考える。

もし積立金を持つとしても、株式に頼るのではなくインフレ率

に応じて調整を受ける物価連動債で運用すれば十分だ。

この程度なら無理に組織を作る必要はないが、

それでもGPIFが存在するということは、やはり年金運用に

かかわる利権が背後にうごめいているのだろう。

『週刊現代』2017年12月2日号より


【転載終了】

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 中国の年金は、企業などに貸している土地代で

運用されているようですね。


 日本は、年金の掛け金が上がり、支給額は減らされ、

支給年齢が引きあGWられています。


 利益が出ているのに国民には還元がないという

ことですが、何故?


 不透明なことが多すぎますよね。


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