ウクライナ侵攻「仲介役」でトルコ存在感
日刊ゲンダイDIGITAL
【転載開始】
■ウクライナ侵攻「仲介役」でトルコ存在感
プーチン大統領が描く黒海南下ルート“牛耳り”
シナリオ
公開日:2022/04/05
ロシアのウクライナ侵攻を巡り、仲介役
を買って出たトルコのプレゼンスが高まって
いる。
ロシアがウクライナ南東部を制圧し、
5月には“勝利宣言”を発するとの観測も流れ
る中、停戦交渉はどんな結末を迎えるのか。
トルコのエルドアン大統領は1日、
プーチン大統領と電話会談を実施。
プーチン大統領はイスタンブールで行わ
れた29日の停戦協議について謝意を伝え、
エルドアンはトルコでウクライナ・ロシア
首脳会談を開催したい考えを伝えたという。
ウクライナのゼレンスキー大統領は
プーチン大統領との首脳会談に積極的な
姿勢を見せている一方、プーチン大統領の
反応はベールに包まれたまま。
積極的ではなさそうだ。
ただ、実現の可能性が浮上してきただけ
でも、「仲介外交」の成果は大きいの
ではないか。
筑波大教授の中村逸郎氏(ロシア政治)
がこう言う。
「実際に『一時停戦』などの結果を出すこ
とができたら、ノーベル平和賞モノですが、
プーチン大統領とゼレンスキー大統領が直接
会談する可能性は極めて低いでしょう。ウク
ライナの立場を巡り、プーチン大統領は
『停戦』という言葉を発していないし、むし
ろ停戦交渉を口実に戦火を拡大しているフシ
がある。とはいえ、仲介役のトルコが中東で
のプレゼンスを高めているのは確かです。
アジア・中東・ヨーロッパをつなぐ要衝とし
て、国際社会にアピールする狙いでしょう」
■花を持たせて物流ルートを確保
ロシア軍はウクライナの首都キーウの攻略
から方針を転換し、戦力を南東部に集中して
いる。
親ロシア派勢力が実効支配するドンバス地方
からクリミア半島をつなぐ一帯を掌握するた
め、南東部マリウポリを制圧するのが狙いだ。
マリウポリは「陥落間近」との分析もある。
「結局、プーチン大統領のやっていること
は帝政ロシア時代の『南下政策』と同じです。
ロシアにとって、アゾフ海へと注ぐドン川は
大動脈。その周りには工業地帯が広がってい
ます。将来的に工業製品を運ぶルートを確保
するため、アゾフ海を実質的にロシアの海に
して、アゾフ海から黒海、地中海へとつなが
る物流ルートを確立したいのです。だからこ
そ、アゾフ海への要衝であるマリウポリにこ
だわっている。最終的にプーチン大統領は
トルコに仲介役として花を持たせ、トルコと
共に黒海から南下するルートを牛耳るシナリ
オを描いているのではないか」(中村逸郎氏)
停戦交渉を進めながら攻撃を続け、
ウクライナ南東部を制圧、5月に“勝利宣言”
──。
プーチン大統領のもくろみ通りになってしま
うのか。
【転載終了】
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ここまで来ると、停戦交渉は無理で
しょうかね。
逆に、ジェノサイドを背景に、
ウクライナが国際世論をバックに、
反転攻勢に出てくる可能性も。
長期化して、ロシア兵の戦死が増え
ていき、ロシア国内から反戦圧力が
高まることも考えられますからね。
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